漢方医学

小川 恵子 教授

【研究キーワード】
漢方医学、リンパ管奇形、三叉神経痛、遠隔診断、大腸憩室、COVID−19、被ばく、NAFLD、NASH、緩和ケア

【最近のハイライト】
2022年12月より広島大学大学院医系科学研究科に漢方医学講座が開設されました。国立大学においては日本で3番目の講座となります。漢方医学は古代中国医学が起源ですが、1500年以上の臨床経験をもとに独自の理論が形成され発展した日本の伝統医学です。当教室は、診断に関する研究も行っており、機械学習による望診(外見による診断)の自動化を試みています。また、難治性疾患に対する漢方治療の効果を検討する臨床試験や、機序の解明についてリサーチしております。漢方医学による温故知新が、医学の常識を書き換えることを期待しています。

研究者総覧へのリンク

【教育内容】
漢方医学は医学的な論理構成のパラダイムが現代医学と異なります。また、歴史的に明治維新以降、日本の医学から排斥されていた期間がありました。そのため、漢方医学の十分な医学教育が行われていませんでした。
当教室は、学生への漢方医学の教育を通じ、将来的に現代医学、伝統医学の両方を実践できる人材の育成を行います。明らかになっていない漢方医学のエビデンスの構築、新たな臨床応用、伝統医学の概念や理論、古典についての研究を行っています。

【研究内容】
1.リンパ管奇形に対する越婢加朮湯の効果を評価する臨床研究
2.三叉神経痛に対する五苓散の効果を検討する臨床試験のための患者の診察・観察を目的とする超高品質な遠隔システムのPOC研究
3.大腸憩室炎に対する大黄牡丹皮湯の有用性に関する二重盲検ランダム化比較試験
4.COVID-19無症状~軽症患者のための補中益気湯・葛根湯併用による悪化予防効果の検討 
5.CT低用量放射線被ばくに対する漢方薬の効果
6.NAFLD/NASHへの漢方治療の効果 
7.AI遠隔診断
8.直接灸による安全性とfeasibilityの検討 
9.小児がん患者の症状に対する指圧の効果の検討
10.緩和ケア入院中のがん患者の倦怠感に対する接触鍼治療効果の検討
11.漢方医学古典の研究

【写真説明】 漢方医学のスタッフ


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