広大OB田中太郎~リアルを語る~第22弾 「おカネってどうやったら増えるのですか」

Q.おカネってどうやったら増えるのですか

 
A.おカネを増やすことって、体重と逆で「入るを増やすか」「出るを減らすか」のどちらか、もしくはその両方で、それ以外の方法はありません。

 その前提となるのが、おカネを使う位置づけをはっきりさせることです。

 
 おカネを使うということは、3つに分類できます。「投資、消費、浪費」です。

 「投資」は、将来なんらかの形で帰ってくる使い方です。株式投資、不動産投資などが頭に浮かびますが、自分自身や家族、友人への投資ってのもあり、返ってくるのはカネばかりではありません。友情だったり、優しい言葉だったり、自信だったり、安心できる生活だったりもします。投資の意味は意外に幅広いです。

 「消費」とは、文化的な生活を営むのに必要な最低限の出費です。毎日の食費、光熱費、住居費、教養費、カープの中継をテレビで見るための有料チャンネル代などです。

 「浪費」とは、そのどちらにも当てはまらないものすべてです。つまり将来返ってくることも期待できず、文化的な生活に必要でもない出費です。

 スーパーで買う豚の生姜焼きは出費ですが、デパ地下で買うローストビーフはどうでしょうか。ユニクロのアンダーウェアは出費ですが、有名セレクトショップに並んでいるウン万円のTシャツは浪費だと思われます。新橋の名店「ちんちくりん」のお好み焼きは出費ですが、某高級イタリアンレストランのピザは付けられた値段に見合っているでしょうか。シティホテルは使う目的によって浪費にも消費にもなるでしょう。しみったれを信条とする私に言わせりゃ、カーシェアは消費で自家用車は浪費だし、家で飲む缶ビールは消費で、バーで飲むクラフトビールは浪費です。健康な身体作りになるのならマラソンは投資ですが、ろくに練習もしないのに道具に凝ってビールと農薬をちゃんぽんにして身体に取り込むゴルフは、どう理屈を付けたところで浪費です。

 「おいおい、そりゃ違うんじゃないか」と言いたくなるでしょう。ある程度の浪費があってこそ豊かで人間らしい人生じゃないのかってね。

 ワタシもその通りだと思いますよ。さまざまな浪費を投資や消費と位置づけることは難しくありません。誕生日やお祝い事のあるときの贅沢な食材は、投資になるでしょう。将来、関係する職業に就いたり資格を取るのであれば、クルマもワインも投資かもしれません。毎日のつらい日々を克服するために、週末の趣味に没頭するというのなら、それもまた意味のあることです。

 しかし、ここで問いたい。あなたはちゃんとゴールと締め切りを設定して、計画的におカネを使っているんですか。

 恐らくは一時的な楽しみ、ちょっとした見栄、どうでもいい仲間内でのつき合いのために、ずるずると浪費をしているんじゃないでしょうかね。少しならいいや、と自分に言い訳をしつつ浪費を積み重ねていませんか。

 たとえば、出張の宿泊はシティホテル、月に数回のコースのディナー、年に数回の海外旅行、週末しか乗らないクルマは欧州車、つき合いのゴルフは厭わず、服は伊勢丹、、、ひとつくらいなら、こだわりの個性でしょうけど、全部やったらカネは出て行くばかりです。

 「出るを減らす」のは浪費との戦いです。あなたの毎月の支出をチェックしてみてください。びっくりするほどの浪費があることに気がつくはずです。これを止めることです。

 
 なーんてことは、そこいらのいい加減な家計コンサルタント、FPでも言いそうなことです。でもこのままでは、多少の貯蓄はできるけど、最終的な目標である「増える」ってことにはなかなか繋がりません。浪費から救い出したおカネをどうするのか、半端な専門家はそこを避けて通るものです。なぜかというと、言ったことに責任が取れないからです。

 改めて確認しますが、あなた、おカネが欲しいんですよね。どーんと増やしたいんですよね。そのために必要なのはもう一つのポイントである「入るを増やす」を実践せねばなりません。
 ここで投資の出番となります。増やすための投資は、将来、おカネが返ってくる狭義の投資でして、勇気をもって断言しますと株式です。こんなに効率的で、安全なおカネの増やし方はそうそうあるものじゃないです。何年か前に、ニューヨークの金融関係者とランチしていたときに、異口同音に「株で増やさなくて、どうやって資産が増えるんだい」と言っていたのが強く印象に残っていますが、恐らくはこれが歴史と経験に裏付けられた暗黙知です。

 確かに、株価は上がったり下がったりします。でも、株はリスクがあるからなどと避けて通っているのであれば、銀行の定期預金以外に選択肢はなくなります。「入る」を増やすことはできません。

 株式は、安い時に買って、高いときに売れば良いだけで、ルールは実にシンプルです。ではどうやったらそれができるか、成否は投資の勉強の量が握っていますが、手法に正解があるわけではありません。投資家の数だけ成功の法則があるといっても過言ではなく、たとえばワタシはワタシなりの手法があって、そこそこの数字を達成しています。たいへん残念ではありますが、ここでワタシ流を披瀝するほど安売りするつもりはありませんし、他の投資家も考えは似たり寄ったりでしょう。

 いずれにしても楽してカネを増やそうなんて、虫がよすぎます。自ら実践を通じて学ぶこと、それこそがあなたがおカネのために使うべき労力です。

 投資は現代人の必須教養です。あなたの成功を祈ります。

 

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