大物財界人の、とても大切なアドバイス

とある大物財界人に、「これから社会に出る人たちにお言葉をいただけませんか」と話を聞く機会がありました。

正直いって、ごく当たり前の言葉が出てくるものだと、大きな期待はせずにいたのですが、彼が口にしたことの驚きは、これからもずっと心に残るだろうと思います。大意、こんなことを言いました。

「あなたたちはこれから大きな仕事をすることになるでしょう。でも、常にエッセンシャルワーカーのことを忘れてはいけません」

エッセンシャルワーカーとは、定型的な、仕事の下支えを間違いなく淡々とこなしてくれる仕事をする人のことです。

企業全般では、総務や経理、ビル管理など仕事の環境を守る仕事であり、生産現場ではラインで黙々と組み立てに向き合う人や製品を管理したり運ぶ人が大勢います。金融業ではおカネを間違いなく管理する人であり、サービス業なら顧客ひとりひとりに目配りをする大切な役目があります。

大学でも同じです。学生が主役、研究が花形でしょうが、そこには施設を管理・メンテナンスする人、食事や清掃を提供する人、資金を調達したり物品を管理する人などなど、気持ちよく学んだり研究したりできるのは、それを支える人がいるからこそなのです。

ところが、人間ってそういう存在をきれいさっぱり忘れてしまうのです。当たり前すぎて目に入らないのです。成功したらそれは自分ひとりの業績だと思って疑うことがない、ワタシの周りにもそんなのが大勢います。「てめぇ一人で育ったような顔をするんじゃない」と、子育て中の親ならば、そんな小言を口走りたくなる瞬間があるでしょうが、当の親が、「自分一人で仕事している」気になってしまっているのです。
この傲慢は、新入社員や新入生よりもむしろ、華々しい活躍をしている人の心の中で大きくなってしまっています。

その意味では、エッセンシャルワーカーに気配りをという言葉は、むしろ大きな顔している30代40代の、そう、そこのあなたにこそ向けられているのです。

大物財界人からしたら、あなたなんて小僧っこです。

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