働かないおじさんにならないために

最近、よく耳にしますよね、「働かないおじさん」。

「昔はこうだった。オレにはオレのやり方がある」
「ヤレと言われても、できないものはできないんだよ」
「歳下のくせに偉そうに言うんじゃない」

まぁ、どこにもいますよね。おじさんだけでなくおばさんも。もちろん、ワタシの職場や友人にも、明らかに「働かない」おじさんおばさんがいるんですが、じゃぁなぜそうなのか、じっと観察してみることにします。

まず働かないことを可能にしている要素としては、周囲や上司より年次が上って共通点があります。なんだかんだといっても、日本には長幼の序が広く深く根付いています。歳上のおじさんおばさんには、苦言も指導も遠慮が入り込みます。

さらには、長年働いてきた蓄積で経済的な余裕も出ています。年功により基本給も高いのが普通です。また、働かないくらいなので、出世もとうの昔に諦めています。ガツガツ働く必然性が希薄なのです。体力(というか疲労回復力)が落ちて無理が利かなくなっている面もあります。

それでも、働くおじさん(くどいようですが、おばさんも)だってちゃんといます。体感的にはちゃんと働いている方が多いと思われます。

じゃぁ、「働く」と「働かない」はどこで分かれるのか。

ワタシが見る限り、環境に適応できているかどうかで決まるようです。生物の自然淘汰と同じってところが興味深いところです。

いまの「働かないおじさん」は大半が50歳代でしょう。この世代は、社会に出てから急速にデジタル化が進みました。空気のようにパソコンがあり、ネットで繋がり、デジタルデータをやりとりしているという昨今のビジネスのスタイルは、この50歳代のおじさんたちにとっては、ある日突然飲み込まれた大波に他なりません。それでもメインプレイヤーであった30~40歳代のうちは、仕事相手も同じなのでアナログなやり方が通用したのですが、世代が変わるとどんどんデジタル化が進みます。

問題は、後からやってきたデジタルについては誰も教えてくれないということです。中年以下の世代なら、物心ついたときからパソコンがあって、ゲームに親しみ、学校でもデジタルとは何かを学ぶ機会があったはずです。等しく基礎知識を与えられている恵まれた世代といえます。

ところが50歳代以上は、自ら学ばなければ、何も知識を得ることができなかったのです。見方を変えれば、デジタルデバイドの被害者でもあり、少しだけですが、かわいそうになってもきます。

その証拠に、働かないおじさんには「ガラケーを愛用している」「メールはショートメッセージしか使えない」「パソコンは教えられたことしかできない」「アイコンをクリックして動かなかったらパソコンが壊れたと騒ぎ出す」「人差し指だけでキーボードを叩いている」「やたらとファックスを使いたがる」といった共通点が見つかります。

デジタルという訳の分からない状況に放り込まれて、行き場を無くした、やる気を見せる場所がなくなったという状況が容易に想像できます。

まぁ放っておいても、数年で消えていく人たちです。目くじら立てるのはエネルギーの無駄です。

それよりも何よりも、重要なことがあります。人間、何事に対しても「学びは一生」だということです。いまの地位に安住してしまったら、あなたも絶対、間違いなく、確実に、100%、働かないおじさんおばさんになってしまって、陰口を叩かれ、冷遇されることになります。

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