PTSDの日本兵の家族の思いと願い

この本は黒井秋夫さんを中心に、復員日本兵と暮らした家族の証言と研究(当事者研究)、家族による社会文学が載せられています。黒井さんは1948年生まれで、復員兵の父親のPTSD状態を日本政府と社会に対し告発しています。私(中村平)は「当事者として/研究する者としてトラウマを抱えた祖父と私の関係を語る」を投稿しています。「戦争ボケ」と揶揄され、あるいは戦友会で憂さを晴らすイメージの復員日本兵に対し、戦後日本社会は日本軍国主義の罪責を押しつけ、自らは真相解明を怠り思考停止してきたのではないでしょうか。復員兵の暴力や無気力、奇矯なふるまいが家族の恥として語られてこなかった戦後史は、日本社会と政府の無責任と連累の所在を逆照射しています。
著者 | 中村 平 |
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出版社 | あけび書房 |
出版年月 | 2023年6月9日 |
ISBN | 978-4-87154-231-9 C3020 |
値段 | 定価 1,320円(本体1,200円+税) |
種類 | 共著 |
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広島大学大学院人間社会科学研究科
中村 平
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