あら,双子ちゃん!

※ベビーカーで移動していると,笑顔で声かけしてくださることに感謝

4月1日,年度初めのどこも忙しい職場に1本の電話,「奥様から」ですと。自宅からなんて?なにかよからぬ電話かと,受話器を耳へ。

小柄な妻が2歳の長男を連れ、なんとも大きなお腹(スイカ2玉)で,二人目が生まれるとして9か月検診にいっていることは知っていました。と電話の向こうから,「双子じゃないかと言われたよ。いつもの男性主治医ではなく,たまたま代理の女性医師がお腹の音を聞いたら,もう一人いますと言っているの。ご主人と来週もう一度確認にきていただきたい、って。」とのこと。今日はエイプリールフール,朝から職場で冗談も飛び交っていたが,「おいおい,なにもこのタイミングで」と笑って話すが,妻から「まじめな話です」と冷たく言われた。

さて,私たち夫婦は当時,親戚も友人もいない「東京砂漠(東京都小金井市)」に住んでいて,夫婦ともに仏教徒ながら,近くのカトリックの病院でお世話になっていたことから,看護師さんは皆シスター。ゆえに,立ち合い分娩ということはできないし,事前に性別も教えてもらえず,また,「総合病院とはいえ、多胎児出産におけるトラブル時には,母親と子供は別々の病院で処置されるかもしれない」と今更ながら言われて,これこそ「神,仏にキリストさんも祈るしかない」と藁にも縋る気持ちでした。

なにより,妻は昨日まで,長男を連れて飛行機で東京と広島を数度行ったり来たりしていたのに,つまりかなりハードな動きをしていたのに,いきなり「絶対安静」と言われ,「日々帰るのが遅い職場なのに」と,夫婦で途方にくれていました。全国でも1番大きな公務員合同宿舎であり,どこの旦那も遅い,つまりお母さんで持っているような地域だったことから,長男を介したママ友や同じ官舎に住んでいる方々が協力してくださり,食べ物など生活上のものは確保,姑である私の母(妻の母は,早くに他界)を投入,狭い宿舎に夫として気を遣う二人が(笑),そこに全くおばあちゃんになつかない長男。最悪の環境において,無事に双子の女の子を出産,皆様の協力にてなんとか乗り切ったところでした。

ちなみに,「双子が一卵性がどうかは,大きくなってみないとわからない,大きくなって似ていたら一卵性」との医師からの言葉を疑いましたが,私は今でも全く違うと思っています。周りの方からは同じ顔と言われて,しかし寝顔は自分でもどちらかわからない時がありました(笑)。また,私の父や妻の父(双子のおじいちゃん)はいつみても孫がどちらかわからず,祖父もいとこがどちらかをわからなかったように,いつも二人の名前を同時で呼ぶという「双子あるある」があったところです。

さて,「動物は乳房の数だけ子供が生まれる」という話を聞いたことがあったので,人間に双子が生まれてもおかしくはないのかもしれませんが,首が座って二人が同時にお乳を飲んでいる姿は圧巻でした。妻が胡坐(あぐら)をかいて,二人はそれぞれの足にまたがって,妻が両手で抱えながらひたすら娘たちはお乳を飲んでいるのです。できるだけ母乳で育てたいという思いからでしたが,小柄な妻が母親であるという主張をしたいわけではないけれど,双子を産み,子育てしている姿をみれば,いずれ強い女性になるなとは思いましたが,そのとおりでした。

夫として,産まれてすぐは,夜中に仕事から帰っても,おしめ替えからなにからできることはしました。それができる夫になっていた自分を思うに,なにもできなかった男性もやればできるのだと思います。また結果,子供たちが皆それなりの反抗期はあっても,父親と母親を今も認めてくれているので,当たり前のことですが,親としてそれなりに頑張ったことは意味があったかなと思うところです。

ということで,もし,双子の親となる機会があるならば,決して夫婦だけでやり切ろうと無理はせず,親族はもとより,周りの方々の助けを借りて子育てしてほしいと思います。
今娘たちは,それぞれ大学を卒業して仕事に就き,一人は結婚をし,29歳。
双子でなくてもですが,そして当たり前のことですが,無事に産まれ,子育てをし,成人させたことは一生忘れることはないでしょう。

(広島大学職員 匿名希望)

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