ワークとライフのポジティブな関係を日々模索して

金田一 清香 准教授

基本情報

  • 所属又は配属:大学院先進理工系科学研究科  
  • 職名:准教授
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研究者になるまでの軌跡

 振り返れば、子どもの頃、父親が仕事で出会った土木系の大学教授のことをとてもリスペクトしていました。研究者の自由な発想に触れ、また教育者としての懐の深さに惹かれていたのだと思います。
 また、大学時代の研究室の教授は、折に触れ留学生活や海外の研究者の話をしてくれ、ドクターコースに進学することを薦めてくれました。当時、就職氷河期真っ只中。建設業界はどこも門戸が狭かった中で、研究者になる目標が一筋の光となりました。

研究の魅力

 「再エネ時代にふさわしい空間つくり」をテーマとして、少ないエネルギーで快適な空間を創り出すための空調技術等の研究を行っています。特に、「地中熱」や「貯留水」といった自然エネルギーをフル活用した、広島発の新たな空調システムの構築にチャレンジしています。
 理工系の中でも社会や人との距離が近い分野で、研究の成果がアカデミックだけでなく、社会で人のためになる実感が得られるのが最大の魅力と思っています。

ワークライフバランス

 広島大学に着任当時、生後10ヶ月だった娘はこの春中学生になりました。下の娘も産まれ、学内に併設のひまわり保育園にはトータル10年以上もお世話になりました。職場の近くで安心して子供を預けられる環境は私にとって本当にありがたい存在でした。当時は生活の中心に保育園があり、何か特別な育児をしてきたわけではありませんが、子供達はいまや自分で重い荷物を背負い、行って帰ってくるようになりました。こうしてどんどん親の手を離れていくのかと思うと、あっという間の幼少期が懐かしくなるときもあります。
 とはいえ、やはり子供が小さいときは大変で、日々悩み、怒り、やり過ごしてきたというのが実状です。面白いもので、大人は多少の無理が利くのを良いことに、つい仕事を詰め込みすぎたりすると、子供の方が疲れ切って体調を崩すということがよくありました。自分だけでなく、家族皆のバランスが見極められるようになった頃には子供が大きくなっていた感じがします。
 研究はただでさえ上手くいかないことが多いのに、研究も育児も、というのは至難の業。私もそうですが、育児が大変なときは研究成果が表に現れない時期だってあると思います。しかし、悲観することなく10年後、20年後を見据えて、息長く、いつか花が開くことを目標にがんばっていこうと思っています。

学生に対するメッセージ

 研究者は自分のやりたいことを仕事にできる、素晴らしい職業です。加えて、皆さんには、理想とするワークライフバランスを自ら実現していくだけの充分な可能性があります。
 是非、研究の合間にでも、様々な人の生き方に触れてみてください。若い頃に得た経験が何か生きるヒントになるかもしれません。
 当たり前ですが、人はみな違って当然です。研究者らしい、個性的・独創的な人生を応援しています!

 

                                               (2024年11月掲載)
                                                                                                 *所属・職名等は掲載時点のものです。


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