「広大東京リアル部」のページには、「広島大学公式ウェブサイト管理・運用指針」に基づき、東京オフィスが以下の基準を満たしていると判断した記事を掲載しております。
<投稿記事のルール(掲載できないもの)>
・個人や大学の誹謗中傷記事
・人権侵害や名誉棄損にかかわるもの
・Hateスピーチ
・品位の劣るもの
・その他常識的に不適切と思われるもの
(2018.1制定)
世の中、特に国がリスキリングに一所懸命に旗を振っていますね。産業構造の急速な転換に対応して労働力の移動を進め、シニアやキャリアが中断した子育て層を活用して、労働力不足に対応し経済の活力を取り戻そうとする政策目標からです。その中身はというと、大学や専門学校、民間の教育機関、社内教育での学び直しへの支援が基本的な方針です。機会があればリスキリングが広まり、職務の高度化や転職に資することになるだろう、ほらヨーロッパのいくつかの国がそうしてるでしょって。
国の政策としては極めてオーソドックスで、それはそれで正しい。ってか、為政者の側でできることはそこまでです。
One that would have the fruit must climb the tree.
(木に登らんことにゃ、果物は取れやせんでぇ トーマス・フラー 1608-1661 英国国教会牧師で歴史家 訳は田中:以下同)
ってことです。
問題は、そうした制度を利用しようとする側、つまりあなたの意識です。
周囲を見渡してみても、社会人向けの大学院から英会話学校まで、勉強熱心ではあるがその後はなんともなってない人が少なくないことに気づきます。これからのリスキリングでも間違いなくそうなります。それは古今東西、同じだということが、フラーの箴言からも分かります。
If an ass goes travelling he will not come home a horse.
(ロバが旅に出たとかゆうてものぉ、馬になって帰ってくるわけじゃないけぇのぉ)。
さらには
Travel makes a wise man better, and a fool worse.
(賢いやつが旅に出たらえろぉなって帰ってくるけど、アホはこじらせるだけじゃ)。
この違いは何かというと、賢いかどうかではなく、明確な目標を持っているかどうかです。せっかく用意されたリスキリングの場を目標達成の手段と心得るか、自分探しの場にしてしまうかと言い換えたらいいでしょうか。
某国立大学の名誉教授がおっしゃっていました。「大学の講義は寝ているのもいるし、ぼぉっとしているのも目につく。いまは企業や業界団体のセミナーを引き受けているが、全員真剣に話聞いている」。要するに、目標の有無によって真剣味が違うと。ここがカギです。
The patient is not likely to recover who makes the doctor his heir.
(医者に頼り切っているようじゃ、病気はようなりゃせんよ)。
どこかの場に身を置いていたら、なにか資格を取得したら、いつか誰かから手を差し伸べられて、未来が勝手に開けていく。自分探しの人って、そんなことを信じているようなところがありますが、現実的にはそんなこと夢物語です。
最難関資格の代名詞、弁護士の場合を見てみると、20歳代の所得は半数以上が500万円未満、7%は200万円未満というコンビニバイト以下という現実があります(日本弁護士会調査資料 2023年)。排他的資格である弁護士であってもそうなのだから、そのほかの緩い資格とか、経営学修士に代表されるような社会人向けの学び直しに身を投じただけではどうにもならないことは、容易に想像がつきます。
リスキリングに不可欠なのは、何のために学ぶのか、学びの結果をどのようにつなげるのか、その目標を明確に設定しておくことであって、くどいようですが、それは学ぶ側の心の問題です。
Great hopes make great men.
(たわんぐらいの夢持っとるやつはえろぉなるよ。矢沢永吉見てみ)
これから広がるであろうリスキリング市場、みなさんにも是非ともチャレンジの機会にしてもらいたいのですが、いったいあなたは何を目指しているのか。そこをギリギリまで突き詰めておいて欲しいと思うのです。
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