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・その他常識的に不適切と思われるもの
(2018.1制定)
息子は春から高校生。全力で挑んだが第一志望の都立高校は残念ながら不合格、併願で受験した私立高校に入学することになった。とにかく親の方が勝手が分からず戸惑うことの多い高校受験だった。
地元の広島では、自転車で通える範囲の二つの県立高校のどちらに行くか、ぐらいしか選択肢がなかった。ところが東京都には国立6校、都立187校、私立241校とまあ、無限に高校が存在している(令和7年度学校基本調査(文部科学省))。
日比谷とか早実ぐらいは聞いたことがあるけど、どんな学校がどの辺にあるのか、学校名からは検討もつかない状態。
10センチほど厚みのある都内の高校ガイドブックを購入し、まずはサッカー部があることを大前提に、家から通える範囲で学力に近そうな学校を選び、ふせんをつけていった。
6月ごろから学校説明会が開催される。塾の先生からは「2年生のうちから参加するように」と勧められていたが、どのあたりの偏差値の学校を目指せば良いのかいまいち想像ができず、本人がまだのんびりしていたこともあり参加しなかった。
いざ3年生になり学校説明会の参加調整を初めてみると、塾の土曜日講習や夏期講習のスケジュールがパンパンで、日程調整がとても大変だった。スケジュール管理は、本人と主人にも共有するためにGoogleスプレッドシートで行った。
さて、本音では、学校側の説明を聞いて一体何になるんだろう、ぐらいの気持ちで参加したのだが、実に多くの収穫があった。
まず実際に電車に乗って行ってみると、「この沿線は途中の景色が退屈すぎて好きじゃない」とか、「駅を降りて目の前が墓地でテンションが上がらなすぎる」、「駅近でしかも駅前が繁華街だから毎日遊んで帰れるじゃん!」など、行ってみないとわからない気づきがあった。
「うちは学校でばっちりお子さんの勉強を管理します。夏休みや冬休みの講習も充実していますので、塾にはまったく行く必要がありません。制服の着こなしはきちんとしていただきます」とか「すべてお子さんの自主性にまかせています。制服はありません。茶髪やピアスもご自由にどうぞ」「大学の付属高校ですので、基本的に7年教育だと思ってください。大学受験を意識せずにのびのびと高校生活を送っていただけます」など、学校によって随分と色合いが違うのも面白かった。
学校によっては先輩が校内を案内してくれたり、土曜日授業の先輩と廊下ですれ違うこともあり、「賢そうなのにがり勉ぽくなくてかっこいい」とか「イキってなくていい」とか、中学生なりの基準で観察していたようだ。息子の場合は、先輩への憧れが志望度合いに大きく影響した様子だった。
学祭では、先輩たちの姿や学校の雰囲気を目いっぱい体感できた。ダンス部の公演を目玉にしている学校も多かったが、どの学校も最前列で野球部員がドスの利いた声で盛り上げていて、ライブ会場さながらといった様子だった。
たくさん訪問した学校の中で、立地や先輩の様子、学校の雰囲気から、本人の実力的にはかなりチャレンジになる高校がとても気に入り、どうしてもその高校に行きたいから死ぬ気で頑張る、とスイッチが入ったのが3年生の夏。
あいにくスイッチが入るのが遅く、冬には模試の各教科の点数は到達していたが、内申点が指針に到達していなかったことが仇となってしまったので、2年生の時に学校を見ていたら違う展開があったかもな、とやや悔やまれた。
「早めに併願校を決めましょう」塾の先生から言われた。え、併願校ってなに?初めて聞きますが?
併願校は、要するに滑り止めのこと。都立高校を第一志望校とする場合に、中学校3年生時点の内申点を元に出願でき、入試当日の点数に関係なく、内申点さえ出願基準をクリアしていれば合格がほぼ確約されている。
学校によっては、英検2級を持っていると2点加算とか、兄弟が学校に通っていたら1点加算、というボーナスポイントも存在している。
内申点だけでほぼ合格が確約されているので、基準点はかなり高めに設定されている。
うちの場合、肌にあう併願校がなくかなり悩んだが、唯一、全国大会レベルの体育会系(野球部甲子園出場、男子バスケ部全国準優勝など)コースや、東京芸大進学レベルの芸術系のコースもあって多様性に富み、体育祭や文化祭が異常に盛り上がりそうな学校に、高校生活を満喫できそうな魅力を感じ、出願することにした。
結果的にこの併願校に入学することになったのだが、入学金支払いの締め切りが都立高校の合格発表の翌日だったことも、親としては大きすぎる魅力だった。
分厚い高校ガイドブックとにらめっこし、チャッピーにも相談しながら志望校を絞り込み、学校説明会や学祭などに参加したが、結果的には、塾の先生から「息子に向いていそう」と勧められた学校が最終候補となった。
小学校の頃から通っている塾なので、性格や特性もよくわかってくれている。
受験当日まで全力でサポートしてくれた塾の先生には感謝しかない。
合格発表は、今どきウェブで確認できるが、「現地で自分の目で確認したい」というので、発表当日9時前、電車に乗って高校の掲示板まで確認にいった。
受験番号を片手に番号を確認するが、そこに自分の番号はなかった。「あれ、おかしいなあ」という強がりがつらい。
とてもそのまま帰宅する気持ちにはなれず、見晴らしのいい駅前のカフェに席をとって、二人でお茶した。
張りつめていた気持ちが緩み、泣いている様子の息子。私からかけられる言葉はなく、ただ隣で空気のように存在していた。会話もなく1時間ほど時間が経ったころ、少しづつ口を開き始めた。
「こうなったら高校生活を思いきり満喫して、勉強も頑張って3年後に見返してやる」
自分を奮い立たせるように言い、いつもの前向きな息子に戻った。
その後の保護者向け入学説明会で、副校長先生から「みなさん、嬉しさを胸に、ということばかりではなく、いろいろな思いを抱えて入学されることと思います」とお話があったとおり、併願出願組の多いクラスのため、多くのお子さんが第一志望に届かなかった無念さを抱えつつ、入学してくることだろう。
一日10時間以上本気で勉強に取り組んだ毎日、あなたは確実に成長した。頑張る姿に、家族全員心を打たれた。
挫折は大きな財産。3年後、また大きく羽ばたく姿を見せてほしい。
(塩大福 1998年文学部卒)
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