一般社団法人グローバルけん玉ネットワーク代表 窪田 保氏

来てくれた日

2018年9月21日

センパイ

窪田 保(クボタ タモツ)氏

2000年広島大学生物生産学部入学。在学中に本格的にけん玉をはじめ、けん玉サークル「DAMAけん」を創設。
2003年にはもしかめ連続時間の世界記録樹立。
2004年卒業後、青年海外協力隊員として、モザンビーク共和国で理数科教師の活動する傍ら、けん玉普及にも取り組んだ。
帰国後就職した通信制高校サポートキャンパスにて「けん玉夢基金」を企画。モザンビークの教育支援を目的にイベント等でのけん玉販売収益を同国教育省へ寄付(2012年)。その後全国への教科書配布へと使われた。
2012年に一般社団法人グローバルけん玉ネットワークを設立。
現在はけん玉ワールドカップの開催や、けん玉検定の主催など、世界中のけん玉プレーヤーと手を携え、けん玉の普及、活性化に力を尽くしている。

 

GLOKEN(一般社団法人グローバルけん玉ネットワーク)
https://www.gloken.net/jp/

けん玉検定公式サイト
https://kendamakentei.com/

ご来訪記

(左から)北池(東京オフィス職員)、望野友紀子氏(2006年文学部卒業)、窪田 保氏(2004年生物生産学部卒業)、藤原佳祐氏(総合科学部4年生)、長谷川(東京オフィス所長)

〇今回の同席者
望野友紀子(モチノ ユキコ)氏
・・・窪田さんの後輩で、在学中にけん玉を教えてもらっており、今回窪田さんとご一緒に、東京オフィスに来訪されました。
藤原佳祐(フジワラ ケイスケ)氏
・・・最近東京オフィスのイベントでお会いし、その後今回の取材について、同席を依頼したところ快諾していただきました。そして取材中の写真も撮ってくださいました!

さっそくですが、窪田保さんのけん玉パフォーマンスをご覧ください!

一般社団法人グローバルけん玉ネットワーク代表 窪田 保氏(2004年生物生産学部卒業)

 

 

ご来訪されて早々に…
窪田「これオフィスにどうぞ」

 

 

けん玉の贈呈が!!!なんと心の広い窪田さんっ。

 

 

サインも頂きました(;_;)ありがとうございました!

 

 

―首にかけているけん玉は?

窪田「これを掛けていないと何の人か分からないので(笑)」

―なるほど(笑)普段も使われているんですか?

窪田「そうですね。ここ1~2カ月はこのけん玉を使ってますね。」

―どのくらいのサイクルで替えるんですか?

窪田「けん玉がボロボロになったタイミングで替えるんですが、そうですね…2~3カ月ぐらいですかね。」

―けん玉にも規格があるんですか?幅とか長さとか。

窪田「競技だとそうですね。
僕らGLOKEN(グローバルけん玉ネットワーク)は、けん玉ワールドカップという大会を開催してるんです。
大会では基本は規格を問わないんですが、『チェックボックス』というのがあって、横幅が75mm、縦幅が17cm、穴の大きさも23.5mmと決まっています。
各国の出場者にとっては、この『チェックボックス』に収まるかどうかが死活問題なので、ギリギリの大きさを攻めて、精密に作ってきますね。
ちなみに穴の大きさ23.5mmは10円玉の大きさなのですが、これは大会で大きさを簡易的にチェックする時に流し見しないといけないからなんです。
基本的にけん玉は遊びなので、ルールでガチガチにしたくないのですが、競技の際は最低限のルール作りは必要で、大会には世界中の人たちが参加してくれているので、とても責任を感じていますね。」

―けん玉は世界各地で広がっているのですね。

窪田「初めはアメリカから火が付いたんです。
アメリカで有名なフリースタイルスキーヤーのジェイピー・オークレイルさんが日本に来た時にけん玉に興味を抱いて、スキーのDVDの特典映像にジェイピー・オークレイルさんがけん玉をやっている姿を収録したんです。
それを見たアメリカのスキーヤーやスノーボーダーの皆さんがけん玉をやり始めて、世界中に普及し始めたと思います。他にもBMXやダンス、スケボー、スラックラインなど、フリースタイル競技の人たちの中でも広がっているんです。」

―フリースタイルの競技者がけん玉に興味を抱く、というところが面白いですね。

窪田「感覚が一緒なんですね。身体を使って、練習して苦労して乗り越えて技を決めるところ、そしてその時の快感は一緒だと、皆さん言ってますね。
僕も、けん玉の技を決めた時の、出来て嬉しい!という気持ちになるところが、けん玉を好きな一番の理由ですね。」

―けん玉の技っていうのは誰が考えるんですか?

窪田「技は世界各地で出来ているんです。」

―技の名前は決めたりしないんですか?

窪田「技の名前はなるべく決めないようにしてますね。
『世界一周』とか『もしかめ』とか、昔からあるものには名前が付いていますが、現在技は数え切れない程あるので際限なくなっちゃうんですよね。」

―基礎的な技の組み合わせで成り立っているからこそ、技も無限に出来ますよね。

窪田「そうです。色んな方から、技の数についてよく聞かれるんですよね。
昔から技は約3万種類ある、と言われてきたんですが、それは根拠が無くて、あくまで予測でしかないんです。
僕は理系で生物生産学部だったこともあってか、それが僕にとっては気持ち悪くて、適当なことを!と思いましたね(笑)
3万種類あることが魅力じゃないんですよね。技がたくさんあって、考えられる部分が無限にある、というところが魅力だと思うんです…すいませんオタクで(笑)」

 

こちらのGLOKENさんの理念。決定までに半年間かかったそうなんです。

窪田「けん玉を楽しむためだけだったら僕個人だけでやれば良いんですけど、法人でやる意味は、世の中作りに、『けん玉』で貢献したい、というところにあります。
最近海外に何週間か出張に行ったりするので、家を空ける時に子供から『お父さんは何で仕事に行っちゃうの?』と言われたことがあって…う~ん、って。」

―寂しかったんでしょうかね…

窪田「難しい質問受けてしまったな…って思って、そこから自分は何で仕事に行くのかを考えたら、子供が大きくなった時に、良い世の中を残しておきたいということだと思いました。そういう意味でこの理念は気に入ってます。」

―お子さんの一言から、ご自身の中での対話が起こって、生まれた理念なんですね。

窪田「ドストレートに来たので(笑)」

―でもその問いって、どの業界で仕事をしていても同じだと思います。

窪田「どの仕事も、何してる人も、良い世の中を目指すためにやっていると思うんですよね。」

窪田「GLOKENは会員制じゃないんです。日本けん玉協会という団体が会員制で、仮にGLOKENも会員制にすると、揉め事や争い事になりますし、『どっちを選ぶんだ?』と突き詰めてしまうことになるので。
日本けん玉協会さんに入りつつ、GLOKENに参加しても全然大丈夫なんです。
そのかわり、会員制にしていないせいで運営は難しくはなりますね。
現在GLOKENは、イベントのプロデュースやけん玉の監修ももちろんですが、けん玉を仕入れて販売することが経営の柱になってますね。」

藤原「新しいけん玉のブランドを立ち上げようとは思わないんですか?」

窪田「チャンスはいくらでもあるんですけど、自分で独自のブランドを立ち上げると中立性が担保出来ないので、メーカーさんからの要望に応じて監修することに留めています。」

藤原「けん玉人口は増えているんですか?」

窪田「増えてますね。」

藤原「日本でも、子供たちに普及してきているんですかね。」

窪田「普及してると思います。昔から子供が伝承遊びとしてけん玉で遊んではいましたけど、けん玉ワールドカップを行うようになって、2013年辺りからメディアに取り挙げられるようになってからは、けん玉が『かっこいい』とか『やっていても恥ずかしくない』と認識されるようになったと思いますね。
僕らが大学生の頃は、ちょっと変な人みたいに思われていたんです。『大学生で、けん玉?』みたいな。技を披露すると喜んでくれるんですけどね。
テレビが取材する時も、大学生がけん玉をやることが珍しいからなんですよね。奇異な目線から入られていたと思います。
広島テレビさんからニュース番組の特集で密着して頂いたんですが、最初は『変わった人がいて、がんばっています。』みたいな、面白おかしいテイストで撮られて、それにすごい腹が立ったんです(笑)
けん玉の良さ、奥深さ、ダサいものじゃない、ということを伝えたかったので、取材の途中にディレクターさんに怒ったんです。『そういう扱い方をするんだったら辞めて下さい』って。そのディレクターさんはとても理解のある方で、『分かりました。真剣な思いを撮るように変更していきます。』と言っていただいたんです。
その後番組ではちゃんと、けん玉の珍しさに加えて、良さや奥深さも伝えていただけました。
広島テレビさんとはそこから15年のお付き合いで、今でもドキュメンタリー番組で取り挙げていただいたり、けん玉ワールドカップの特番も放送していただいたり、とても感謝しています。」

―取材などは、ご自身が発信して取り挙げてもらったんですか?

窪田「大学時代は、新聞社にFAXしたりもしましたね。」

―学生時代に、そのようにメディアとコンタクトを取ることは、中々出来ないことだと思うのですが、どういう経緯でされたんですか?

窪田「いや…やっぱり、広めるにはメディアがいると思ったからですかね。もちろん学内にポスターを貼ったりして案内もするんですけど、それだけだと広く伝わらない、と昔から思っていたので…別に何の抵抗もなくやってましたけど(笑)FAXを送ったら、時折電話をかかってきて、例えば中国新聞さんも記事を書いていただきました。」

―凄い行動力ですね。

望野「広めるためだったら、あのときは何でもしてたんだと思います。」

窪田「昔はツイッターやインスタグラムも無い時代ですし、紙媒体しかなかったので、伝えるためには言うしかないんですよね。」

 

―そもそもDAMAけんを立ち上げるに至った経緯は何だったんですか?

窪田「高校まで柔道をやってたんですが、1年生の途中に怪我でやめて、けん玉をやり始めたんです。
それまで同級生からは『柔道やってるなんてすごいね』って言われてたんですけど、けん玉やり始めた途端『頭大丈夫?』みたいな(笑)
柔道部の時のリアクションと、けん玉始めてからのリアクションが違い過ぎて、凄く悔しかったんです。僕、負けず嫌いなので――」

―負けず嫌いなんですね。

窪田「基本的に負けず嫌いですね。
『けん玉はダサい』って思われるのが悔しかったんです。
こんなに面白いし、楽しいし、良いこといっぱいあるし、子供だけでない、子供から大人まで楽しめる遊びだし、歴史はあるけど古い遊びではないよ、ということは発信したかったですね。イメージを変えたかったんです。その思いはその当時はありましたね。
今はけん玉に対する認知度も高くなって、多くの人にテレビで観てもらうようになったので、コンプレックスを解消するという思いは全然無いですね。
それよりも色んな人に『楽しい!』『できた!』という瞬間を広めたい、と思っています。」

 

感想

〇望野友紀子氏

今回窪田さんとは卒業ぶりにお会い出来たのですが、その間に社団法人を立ち上げられ、様々なものをゼロから作り上げ形にしている事に、窪田さんの情熱と行動力を、以前にも増してよりいっそう感じました。
学生の頃から本当に様々な事を企画されていましたが、小さな挑戦を積み重ねられる人が物事を大成するのだなと思いました。
これからも尊敬する先輩として背中を追いかけていきたいです。

〇藤原佳祐氏

広島大学の中で「DAMAけん」というと学生の中でかなり有名で、けん玉を通して、モンゴル遠征に行かれるなど、その活動にいつも驚いていました。
今回、その「DAMAけん」の創設者の方とお会いすることができ、大変嬉しく思いました。
お話を伺うと、やはりとても熱い方で、大学を卒業後もけん玉に継続的に携わり、人生をかけてけん玉と向き合っていらっしゃる姿に心から尊敬の念を抱きました。
広島大学には、窪田さんをはじめ、広大レジェンドの方がたくさんいらっしゃると思いますが、こうした機会を通して、広大レジェンドの皆さんと交流ができるのは、現役の大学生にとってロールモデルとなり、大変素晴らしいことだと思います。
ぜひ、今後も交流できることを楽しみにしています。
この度は、本当にありがとうございました。

〇川村(東京オフィス研修生)

窪田さんの実際のけん玉パフォーマンスを観て、けん玉の、面白いを超えるエキサイティングな一面を垣間見ました。間近で見てるとホントに楽しいです!
フリースタイル競技の方々に共感を得ている、というのは意外なことであるとともに、納得も出来ます。
技の巧みさ・多彩さから、けん玉のグローバル化が窺い知れたように思います。

また、『「楽しい!」「できた!」という瞬間を広めたい』という言葉のように、窪田さんの、けん玉を通じて人と感動を共有したい!という熱意を感じました。
新しいこと、人が成し遂げてこなかったことに取り組む時、開拓をし、逆風に抗うエネルギーが必要となります。
窪田さんは執念深く向き合い、動き続け、成し遂げた人なのだと思います。
熱意、負けん気、そして社会や人への思いやりの心。
窪田さんの活動は、その全てが詰まった活動なのだと感じました。

 

 

 

※過去の記事は以下のURLからご覧ください。
広大OB訪問数珠つなぎ「実は、広大です」
https://www.hiroshima-u.ac.jp/tokyo/dousoukai/jyuzutunagi

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