来訪日
2019年2月8日
センパイ
佐伯 和則(サイキ カズノリ)氏
1989年経済学部卒業
訪問記
アフラック生命保険株式会社 常務執行役員 佐伯 和則氏(1989年経済学部卒業)
大学時代から就職後までについて
-広島大学に入学された動機は
佐伯「地元だったからです。広島が好きで地元志向が強かったので。」
-東京で就職された理由を教えてください
佐伯「当初広島での就職も考えていましたが、結果的に、就職活動を通して考え方が変わっていきました。最終的には、この会社に自分が一番成長できる環境がありそうだなと思ったから。」
-就活の際にそこまで自分を見つめるのは難しいと思うのですが
佐伯「大変難しかったですね。手当たり次第訪問して、たくさんの人に会いましたね。やりたい仕事が決まっていればそこに進めばいいんでしょうけど、私の場合は経済学部を出たからと言ってその先に明確なものもなかったので、やっぱり自分の成長できる場はどこだろうなという風に1つ1つ探していくと、1つの会社に行き着きました。」
-入社理由を教えて下さい
佐伯「元々は銀行に勤めていましたが、銀行で生命保険を販売するビジネスが本格的に始まると聞いて、それに興味を抱きアフラックに入社しました。」
-京都や大阪でも働かれた経験が御有りとのことですが、東京で働かれる上で、京都や大阪との違いを感じることはありますか
佐伯「人の動きが早いということですね。仕事も早いスピードで進んでいるんだなとびっくりした経験があります。同じ会社でも、本社と地方の支社では仕事の進め方も違うと感じました。電車は今よりもずっと混んでいましたしね。」
-どんな方と働きたいですか
佐伯「自分で意見を出してばんばんぶつけてくる人が好きですね。」
-社内でそういう意見は活発に出てきているのですか
佐伯「人によって異なりますが、言ってくれる人の方が仕事は進めやすいですよね。本音で話すことは大事で、私はこの歳になっても同僚の役員と激しく意見をぶつけ合うことがありますけど、その結果お互いに言っていることが理解できます。やっぱりそっちの方が楽しく仕事が進みますね。」
-本音で言うことはビジネスではなかなか難しいと思うのですが
佐伯「そうですね、それは課題でもありますね。それぞれの部門は役割を持っていますので、部門の考えが自分の考えみたいなところはありますよね。会社の規模も大きくなってくると、やはり部門の人間として意見を言う場面が増えますし。その中で自分の意見を言うことは役職を持っている方にとっては勇気のいることだとも思います。ただ、それが出来たほうが、各部門同士の連携とか共有がしやすいからいいですよね。」
-若い方も直接意見を言ってこられるのですか
佐伯「私のマーケティングのセクションは比較的上下関係がなくフラットです。プロジェクト単位で仕事をすることが多いので、プロジェクトの中に入ってしまえば同じ立場でフラットな議論をしています。」
-今も実務に深くかかわってらっしゃるんですね
佐伯「ほんとは部下に任せなきゃいけないんですけどね(笑)」
入社半年の頃、就職課から取材依頼を受けた佐伯氏
広報誌「広大フォーラム」掲載記事
https://home.hiroshima-u.ac.jp/forum/1989-09/12.pdf
-就職課とは密に関わられていたのですか
佐伯「そうですね、就職課の方に相談していましたね。就職活動においてたくさん企業を回るデメリットは、だんだん混乱して自分の進みたい道が分からなくなること。そんな時にお話を聞いてもらうとともに、アドバイスを受けることができたのでありがたかったです。」
-学生時代はサークル活動をされていましたか
佐伯「していなかったです。たくさんアルバイトをしていました。機械や部品の組み立て、トンネルの一酸化炭素の計測もやりましたよ。授業はかかさず出ていたのでその合間にしていましたが、世の中にはいろいろな仕事があるものだと実感しました。」
-学生時代に学ばれたことで今に活かされていると感じることはありますか
佐伯「今は学問も大きく進化していますが、マクロ経済や統計学のベースは変わらないので、現在の業務を行う上でも大学での勉強が基礎になっていると感じています。」
-学生時代にやっておけばよかったと思うことはありますか
佐伯「サークルですかね。当時は授業に出るのが一番面白く、その時代では変わり者でした。大学と高校での勉強は全く違って、自分で授業を選んで物事の本質的な枠組みを学べる大学の授業が楽しかったです。」
最近の働き方改革について
-全国に9か所のサテライトオフィスを設置されていますが、どのような運用をされていますか
佐伯「例えば横浜に住んでいる人はわざわざ新宿まで来て働くのは負担なので、横浜を拠点に働き、遠隔で上司とコミュニケーションを図りながら仕事を進められます。」
-希望すれば勤務可能なんですか
佐伯「基本的にはサテライトオフィスを使用することに条件はなく、在宅勤務にも柔軟に対応しています。近年はダイバーシティの推進、特に女性の活躍推進に力を入れています。仕事をする上で発生する障害を取り除き、能力を発揮できるような環境を整える一貫ですね。当然男性も利用できます。」
-どれくらいの社員が利用していますか
佐伯「サテライトオフィスは、出張の際の仕事部屋としての利用等活用方法がたくさんあり、多くの社員が利用しています。また、在宅勤務は全社員が活用しています。他にもフレックス制度やシフト勤務を導入しているのでかなり柔軟に働くことができます。」
-大学ではまだ在宅勤務の活用は難しい状況にあるので、羨ましいです
佐伯「たしかに理論上は学生さんも絶対に集まらないといけない授業ばかりではないですもんね。近い将来、大学でも遠隔コミュニケーションの時代がやってくるのではないでしょうか。」
-会議はSkypeやTV会議を推進されているのですか
佐伯「そうですね。拠点もかなり分散しているので、TV会議を活用していますし、営業現場でも遠隔の代理店対応において活用することが多くなってきていますね。今後も柔軟にやりたいですね。」
(左から)北池(東京オフィス職員)、佐伯 和則氏(1989年経済学部卒業)、三好(東京オフィス研修生)
感想(研修生・三好)
初の取材で緊張していましたが、佐伯氏の柔らかい雰囲気に自然と会話が弾みました。保険業界に乏しい私でも“がん保険と言えばアフラック”の印象は強くあったので、業界内でトップを走る方のお話をうかがえたことは大変勉強になりました。また、常に周囲にアンテナを張り、自分の意見を持つことを意識したいと改めて考える機会にもなりました。