100年に一度の変革への采配

広島大学工学部第1類ご出身の三部敏宏様がホンダの社長に就任されたこと、広島大学の教育システムが関与した、あるいはこれから大いに関係する可能性もあると思い、ホンダファンとして筆をとりました。

ご存じのように、工学部の教育過程は1976年に拡充改組され、2年次の途中まで各類の共通の教育も行われる方式が採られています。三部敏宏社長も当時この教育過程で学ばれ、現在も大枠は変わっていないと思います。例えば、機械システムが専門でも材料やエネルギー等についても基本的な工学教育が行わます。内燃機関がご専門であったとしても、エネルギーや材料工学も基礎科目を履修されたということになります。

100年に一度の変革の自動車業界にあって特に良い影響があった、いやこれから更にありそうだと思います。

早速、2021年4月23日に「2040年にはEVとFCVの販売比率をグローバルで100%」との目標を、日系の自動車メーカーとしては初めて提示されておられます。自動車はEVとFCVが主流になるのか、あるいは水素エンジンやe-fuel(CO2からメタネーションにより合成したメタン等を使う)等の内燃機関も可能性があるのか等、まだ流動的ですが内燃機関の専門家でかつ広範囲な工学教育を受けらた方が語られる言葉として、重みがあるなと感じています。

1970年代の米国の厳しい環境規制にCVCCエンジンで最初に対応したホンダがまたやってくれるのか、三部敏宏社長の今後の采配に期待しています。

(桑田英文 工学部3類 醗酵工学/工業化学専攻 1992年卒    食品会社勤務)


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