今度こそ絶対買うぞ、ホンダのバイク

クルマは3世代目のシビックとかシティのカブリオレとかホンダを乗り継いできたが、バイクの免許とって四半世紀、原チャリ時代からなら40年近く、買ったバイクのなかにじつはホンダ車がない。なぜかいつも直前に浮気してしまうのである。

大学生の頃、ゴリラを買いたいなぁと思っていたが、バイク屋のおっさんに、「いまならフォーゲル安くしておくよ。2ストだからエンジン良く回るしね」という言葉に、ついつい反応してしまった。

中型免許取り立てのころ、「やっぱエンジンはVツインだよなぁ。スティードとかは超人気でいたずらされかねないから、渋くネイキッドのブロスかな」とバイク屋のぞきに行ったら、「これ、店で使っていた中古だけど200キロしか走っていないけどどう? Vツインだし免許取り立てなら乗りやすいよ」と、これまた安い値段を提示されたヤマハSRVに浮気。

つなぎのつもりで乗っていたヤマハの400ネイキッドが車検無理と判明したとき、間髪入れずバイク屋のあんちゃんが「今日入ってきた中古のベスパ150ET、お買い得っすよ」との言葉にこころが揺らぎ、イタ車もいいかなといい気に乗り回していた。しかし、高速乗った時に10インチホイールと非力なエンジンのせいで走りはフラフラ、死にそうなほど怖い目に遭って、ほどなく手放した。

モンキーのくまモンバージョン発売されたと聞き、「熊本県人ならば1台買っておくべきだろう。でもどこに置く?」と迷っているウチに、生産中止。

いま新車から乗っているアプリリアのスカラベオ250は、そろそろ15歳。あちこちガタが来ているので、買い換え時なのだが、バイク市場の縮小と規制対策のためラインナップの端境期にあるためか、大人が乗る車種が見当たらない。新製品の発表に期待をつなげる日々だ。

社長、今度こそホンダのバイク買うからね。ぜひとも出してくださいよ、Vツインエンジンのネイキッドか、あるいはスーパーカブ系統の150版。レトロ感超満載でおしゃれ極まりないと今も心奪われているソロに、スーパーカブの110エンジン積んで復刻なら現金即決っす。

(千野信浩 総合科学部 1985年卒 出版社勤務の編集者)


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