きょうの育児的 子どもと読みたい 絵本特集

14ひきのあさごはん/ねるじかん/かぜビューン

14ひきのあさごはん

「14ひきのあさごはん」(童心社 本体価格1,300円)

14ひきの野ねずみ家族が、朝起きてからあさごはんを食べるまでのお話。ストーリーだけでなく、森の絵の中にいる生き物を見つけるのも楽しい。我が子のお気に入りポイントは、「野いちごを摘みにでかけた兄弟たちの、2番目の兄、にっくんがほたるぶくろをかぶって、10番目の弟とっくんと遊んでいるところ」とのこと。

対象年齢:3歳から

ねるじかん

「ねるじかん」(アリス館 本体価格1,650円)

なかなか寝ない男の子と、寝かしつけようとするお母さん。すると奇妙で不思議な出来事が次から次へと起こるが、これは本当なのか夢なのか…?最後におまけクイズもついていて、親子で一緒に探すのも楽しい。

対象年齢:3歳から

かぜビューン

「かぜビューン」(Gakken 本体価格1,210円)

しかけ絵本。かぜがビューンと吹くたびに、子どもと大笑い。外でも実際に風がビューンと吹くと、「こういうのがあったよね!」と盛り上がることも。我が子のお気に入り場面は、ソフトクリームをいただきまーす!と食べようとして、かぜがビューンと吹いた瞬間…

対象年齢:3歳から

(バタバタママ 元大学職員)

ゆきのひのうさこちゃん/バムとケロのさむいあさ

ゆきのひのうさこちゃん

「ゆきのひのうさこちゃん」(福音館書店 本体価格800円)

うさこちゃんが窓から外をみて胸を膨らませる気持ち、支度を整えて一面の銀世界へ飛び出す新鮮さ。
子どもの頃に何度も母に読んでもらった一冊は、大人になって読み返しても、変わらずまっさらな気持ちになります。

対象年齢:1歳から

バムとケロのさむいあさ

「バムとケロのさむいあさ」(文溪堂 本体価格1,500円)

さむいあさに、バムとケロが裏の池に遊びにいくと…に続く展開は、何度読んでも子どもたちが"えーっ!"っと盛り上がってくれて楽しいです。

島田ゆかさんの描き上げる細やかな絵の中には、別作品の要素が紛れ込んでいるなど、仕込みが満載。何度読んでも新しい発見のある、わんぱくで楽しい1冊です。

対象年齢:4歳から

(らっきょ 人材サービス勤務 2015年教育学部卒)

パンどろぼうシリーズ

パンどろぼうシリーズ

「パンどろぼうシリーズ」(KADOKAWA 本体価格各1,300円)

シリーズで累計部数250万部を超えている大人気絵本。パンの姿をしてパンを盗みに行く主人公(正体を知らない人はまず読んでみて!)ですが、毎回ひとすじ縄では行かずいろいろ事件が起こります。

グッズも人気なので娘に本を渡しましたが、ひとこと「恐い・・・」。恐いですかね? よく見ると微妙な目つきとかしてますけど、私はかわいいと思うんですけどね・・・。

対象年齢:3歳から

(原孝寿 出版社勤務 1998年文学部卒)

ぼく おかあさんのこと…

ぼく おかあさんのこと…

「ぼく おかあさんのこと…」(文溪社 本体価格1,500円)

私がお勧めしたい絵本は、飾っておきたいような、美しくかわいらしい絵の酒井駒子さんの本です。‘絵'本なのですから、好みの絵柄かどうかは大切ですよね。中でも印象的だったのが、こちらです。

タイトルを聞くと、そのあと何と続くのか気になると思いますが、なんと、世のお母さんたちにとってはちょっとショックな、'キライ'なのです。なぜ嫌いなのかというと、決め手は男の子ならではの!?かわいい理由なのです。

他には同じ作者の『よるくま』もファンタジックなかわいいお話で、お勧めです。

対象年齢:3歳から

(すぐり 大学勤務)

だるまさんが/だるまさんの/だるまさんと

「だるまさんが」「だるまさんの」「だるまさんと」

「だるまさんが」「だるまさんの」「だるまさんと」(ブロンズ新社 本体価格各850円)

発売から15年、シリーズ累計900万部、親の間では「が・の・と」で知られる大ベストセラー。だるまさんにしっぽや毛が生えたり伸びたりへこんだり、いろんなやさいくだものとふれあったりの一発芸が次々に登場して、子供が大笑い。文字もほとんどないので、0歳から幼稚園年長さんまで、年齢層も幅広い。シリーズ3冊セットは出産祝いの贈り物に好適。

対象年齢:0歳から幼稚園年長まで

(チノ 出版社と大学勤務 1985年総合科学部卒)

しましまぐるぐる

しましまぐるぐる

「しましまぐるぐる」(柏原晃夫(かっしー) 学研 税込968円) 

赤、白、黒などハッキリとした色が、しましま模様やぐるぐる模様で描かれています。

未だ視力が発達しておらずボヤーっとしか見えていないであろう乳幼児の我が子に見せたところ、思わず手を伸ばし触ろうとする反応を見せました。

各ページが分厚めでヨレにくく、つるつるした質感なのでヨダレまみれにされても手入れがし易いところも良いですね。

これから目にするであろうスイカや魚、ヘビ等も登場し、可愛らしいデザインの一冊です。

対象年齢:0歳から

(Gorilla エンタメ会社勤務 2015年教育学部卒)

このあと どうしちゃおう

このあと どうしちゃおう

「このあと どうしちゃおう」(ヨシタケシンスケ ブロンズ新社 税込1,540円)

大好きなおじいちゃんが亡くなってしまうところから始まるストーリー。児童書ではタブーとされそうな「死」というテーマが絵本に描かれていることで話題になりました。ほっこりする、やさしいタッチで死後のことが綴られます。絵もかわいくて、まるで死後の世界を案内するガイドブックのようで細部まで読み尽くしたくなる作品です。

対象年齢:4歳から

(Y.K 出版社勤務 2001年文学部卒)

ダットさん

ダットさん

「ダットさん」(こもり まこと 教育画劇 税込1,100円)

クルマを擬人化した絵本では「しょうぼうじどうしゃじぷた」などの名作がありますが、この「ダットさん」の特徴は60~70年代の日本の名車の実際の愛称がそのままキャラクターの呼び名になっていること。

子供に親しみやすく大人にとっては懐かしい。どちらからも感情移入できて、盛り上がること間違いなし…というのはクルマ好きである私の個人的な見解かもしれませんが(笑)、我が家の場合はそうでした。

クルマには文化・経済・技術など時代の様々な要素が反映されていますから、子供が大きくなってからも共通の話題であるクルマを切り口に、今の社会について話し合ったりできるものいいなと感じています。
絵もとてもきれいで、おすすめです。

対象年齢:3・4歳から

(中佐昭夫 ナフ・アーキテクトアンドデザイン 1995年工学部第四類(建設系)卒)

もこもこもこ/とこちゃんはどこ

もこもこもこ

「もこもこもこ」(谷川 俊太郎 文研出版 税込1,430円)

初版は1977年、40年以上にも亘って出版され続けている超ロングセラー。作者は詩人で『ピーナッツ』の翻訳者、数多くの外国絵本の翻訳など、とにかく多作で知られる谷川俊太郎。

まったいらな地平からキノコのような生き物が2つ生えてきて、片方がそれを食べ、おできができて、大爆発、元のまったいらな地平に戻る。言葉は「もぐもぐ」「ぽろり」「ギラギラ」と最小限の擬音語だけ。極端に単純化されている絵で30ページ、全見開き構成。

この物語は何の隠喩なのか。生命の輪廻か、宇宙創成か、人類の歴史か。シンプル極まりないストーリーだけに、森羅万象とシンクロさせて読むことができる。この絵本は、読み聞かせるオトナの想像力が試される、じつに奥深い世界観で出来上がっているからこそ、時代を経ても古びることがない。

さて、これを読む子供は何を想像しているのだろうか。そうした会話も面白い。  対象年齢:2歳から小学校低学年まで(今年、小型判も出版されたが、ぜひとも大きな判で)

とこちゃんはどこ

「とこちゃんはどこ」(松岡 享子 作 / 加古 里子 絵 福音館書店 税込1,100円)

ここぞとばかりに描きこまれた多くのモノから「正解」を探す「絵探し」は絵本の1ジャンルとして、さまざまな作品が出版されている。まず思いつくのは「ウォーリーをさがせ」だが、これが日本で出版されたのは1988年。その20年も前に絵探しの作品を数多く手がけていたのが、加古里子。共通しているのは、昭和の雰囲気満載で(というか昭和の作品だし)素朴なタッチ。企業の研究者出身らしく、描きこまれたひとつひとつのモノのユニークさにも特徴がある。

代表作とされるのは「からすのパン屋さん」であるが、絵探しの楽しみがより多いのが「とこちゃんはどこ」。

いつも親の目を盗んで勝手に出歩くとこちゃんが、動物園やデパートや海水浴場に潜り込む。作中のパパママと一緒になって、本を手にした子供も人混みをうろつき、さまざまな発見をしながら時間を過ごすことになる。  対象年齢:4歳から6歳まで

(チノ 出版社と大学勤務 1985年総合科学部卒)

おしりたんていシリーズ/あらしのよるに/100かいだてのいえシリーズ

おしりたんていシリーズ

おしりたんていシリーズ(トロル ポプラ社 税込1,430円)

おしりの形をした顔のメインキャラクター「おしりたんてい」が、できの悪い?助手のブラウンとともに、数々の事件を解決するストーリー。犯人を追い詰めると、「失礼こかせていただきます」の決め台詞とともに、強烈なおならを顔からぶっ放ち、味方もろとも全滅させる。

「おしり」「おなら」「くさい」。最大の敵の「かいとうU」の頭はうんちの形。子供の大好物のワードばかりで、食いつかないわけがない。事件も本格的で、謎解きも本気で楽しめる。

「おわりよければワンだふる」と、マルチーズ署長の声で大人が読み終えることができれば、子供の人気者になれること間違いなし。

少し大きくなったお子さん向けには読み物もあり、いつまでたってもおしりやおならが大好きな子供のこと、長く楽しむことができる。

対象年齢:3歳から

あらしのよるに

「あらしのよるに」(きむらゆういち 講談社 税込1,540円)

あらしのよる、真っ暗闇の小屋で出会った、オオカミのガブとヤギのメイの友情物語。

全5巻、ドキドキハラハラの展開が続き、読んでいる親もつい続きが読みたくなるので、お休みの日の夜におススメしたい作品。

最終話では、まさかの展開に、「もうこの続きないんだっけ」と思わず子どもと顔を見合わせた。

食う側のオオカミと食われる側のヤギの究極の友情、生きることの厳しさなど、心の深いところにずしりと突き刺さる名作。

対象年齢:小学校低学年から

100かいだてのいえシリーズ

100かいだてのいえシリーズ(いわいとしお 偕成社 税込1,320円)

ページを縦にめくり、主人公のトチくんが100かいだての家を上へ上へと登っていく様子を一緒に楽しむのが印象的な絵本。

フロアごとにいろんな生き物が住んでいて、ページをめくると「さあ、つぎのかいには だれがすんでいるのでしょう」という決まり文句が登場する。毎日読んでいると、親は少し飽きてきたりするのだが、子どもたちはまったく飽きることなく、姉弟で「テントウムシ!」「ミツバチ!」と競い合うように当てっこし、毎日新しい出会いを楽しんでいるようだった。

子どもたちは、大人とは違って想像の世界で生きているんだなあということを、この本で実感した。

「もりの」「そらの」「うみの」などがあり、いろんな世界を楽しむことができる。

対象年齢:3歳から

(パンジー田中 大学勤務 1998年文学部卒)

どろんこハリー/おまえうまそうだな/そら、にげろ/おさほうえほん/にほんごであそぼ ことわざかるた/ウルトラマン大図鑑ハイパー/プータンいまなんじ?

どろんこハリー

「どろんこハリー」(ジーン・ジオン 文 / マーガレット・ブロイ・グレアム 絵 / わたなべ しげお 訳 福音館書店 税込1,320円)

イタズラ好きの犬、ブチが入った白い毛のハリーが家を抜け出して町をうろつくうちに、蒸気機関車の煤や泥で真っ黒になる。疲れて家に帰ってきたが、飼い主の家族からは「ハリーはあんなに黒くない」と認めてもらえなくなった。困ったハリーは、、、、。

最後にはヨゴレが取れて、めでたしめでたしとなるのだが、子供は飼い主に見捨てられそうになるハリーに感情移入して、ハッピーエンドをことさらに喜ぶ。

石炭が主要なエネルギー源だった時代の西洋の町並みを描くタッチは、どこかあたたかい。

対象年齢:3歳から6歳

おまえうまそうだな

「おまえうまそうだな」(宮西達也 ポプラ社 税込1,540円)

恐竜が闊歩していた時代、生まれたばかりのアンキロサウルスを見つけたティラノサウルスが捕まえようとして一言、「おまえ、うまそうだな」。これを聞いたアンキロサウルスは、ティラノサウルスは父親で、自分の名前は「ウマソウ」と思い込む。ウマソウの無邪気な姿に愛情が湧いてきたティラノサウルスは、ウマソウを守り、育てることをはじめるのだが、、、。

ストレートな出会いと別れの物語なのだが、だからこそ子供の気持ちに刺さる。

対象年齢:3歳から5歳

そら、にげろ

「そら、にげろ」(赤羽末吉 偕成社 税込1,760円)

飛脚の男が、旅の途中で着物の柄だった5羽の鳥が逃げ出して、それをひたすら追いかけ続ける物語。秀逸なのは絵作りで、浮世絵や日本画、歌舞伎の書き割り風など、日本の伝統的なテイストのタッチで鳥を追いかける男と、古き日本の風景が次々に展開する。言葉は最後に1行だけ出てくるだけでも、充分に伝わる。外国人への贈り物にも好適かと思って調べたら、やっぱり海外でいくつも賞をもらっている。

対象年齢:2歳から5歳

おさほうえほん

「おさほうえほん」(高濱正伸(監修) 日本図書センター 税込1,650円)

あいさつやお礼はどうする。友達や大人にどうやって気持ちを伝える。集団生活ではどんなルールとマナーがあるか。食事の作法は。人との付き合い方、褒め方とは。大人でも怪しいところがある作法のさまざまを、子供に分かりやすく教える本だが、親が読んでもハッとする知恵が満載。「育ちの良さが身につく」と副題が付けられているが、育ちの良さって小さな事の積み重ねなのだということを知る。

対象年齢:6歳から小学校低学年 あるいは親世代

にほんごであそぼ ことわざかるた

「にほんごであそぼ ことわざかるた」(齋藤孝(監修) 奥野かるた店 税込1,870円)

伝統芸能の一流どころが子供向きの芸を次々に見せて、大人もいやされるNHKの人気教育番組「にほんごであそぼ」。そこから生まれたことわざの上の句、下の句を分けたかるた。どちらを読み札にしてもいいし、絵合わせでも遊べる。子供は楽しみながらあっという間に48のことわざを覚え、それには感動すら覚える。

やはり正月はかるただ。

対象年齢:4歳から6歳

ウルトラマン大図鑑ハイパー

「ウルトラマン大図鑑ハイパー」(随時新版が出る) (円谷プロダクション(監修) ポプラ社 税込2,750円)

情報収集整理、読解力、記憶力など必要な学習能力を身につけるには図鑑が最適と言われている。ならば、子供が夢中になるテーマのものを選ぶのが効果抜群。

動物や恐竜、昆虫でもいいが、子供はやっぱりテレビのヒーロー。ウルトラマンや仮面ライダー、トーマス、ポケモンなどにどっぷりはまる。なかでも、ウルトラマンなら親世代、あるいは祖父祖母世代でも共有できるのがいい。

一方でポケモンは、、、ゲーム、カード、模型、ぬいぐるみなど、アイテムがケタ違いに多く、いったんハマるとキリがなくなるので、オススメできないのだが、子供の興味は止められないのも事実。

対象年齢:6歳から

プータンいまなんじ?

「プータンいまなんじ?」(ならさかともこ/絵 わだよしおみ/文 フレーベル館 税込1,650円)

幼稚園児の難問題、時計の読み方。まずどうやって時計に興味を持たせるかというところから親の闘いは始まる。そんな悩みに答えをだそうと、針を動かして読み方を学ぶ時計の絵本も数多い。子供が好んでいるキャラクターやモチーフで選べばいいが、ここではとりあえずロングセラーで無難なコレ。あとは親の忍耐か。

対象年齢:4歳から6歳

(チノ 出版社と大学勤務 1985年総合科学部卒)

<お問い合わせ先>
広島大学東京オフィス
TEL:03-6206-7390
E-Mail:tokyo(AT)office.hiroshima-u.ac.jp ※(AT)は半角@に変換して送信してください。


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