子連れ転勤ドタバタ劇

昨年の夏、夫の転勤に伴い、12年住んだ東京から関西へ家族4人で引っ越すことになった。
内示があった時点で、あと1か月で引越さなければならない状況だった。
その時の我が家の転勤ドタバタ劇を振り返ってみた。

大変だったこと...家探し、転校、転園

今まで関西には縁がなく、もちろん土地勘もない状況での家探しが始まった。
関西圏に詳しい友人や知人からの情報収集後、ある程度のエリアと、家の候補をいくつか絞っていざ内覧へ。
とにかく時間がないので土日の2日間で家を決めるしかなかった。

7月下旬、猛暑真っ只中の家探しは地獄だった。
外も暑いが、どの物件もドアを開けた瞬間、外の暑さ以上に煮えくり返っていた。
滝のような汗を流しながら物件を回る中、途中で心が折れそうになったのを覚えている。

悩みに悩んでなんとか家が決まってホッとしたのも束の間、茹だるような暑さの中、次は引越し業者の見積り、荷物の断捨離、荷造り、幼稚園探し、転園、転校、家の手続きが怒涛の勢いで続いた。

子どもを連れての引越しは初めてのことだった。

小学1年生の娘は引っ越すことについて、当初は「なんだか楽しそう!楽しみー!」といった感じだったが、転校して1か月程経った頃、朝になると「学校休みたい」「やっぱり東京がよかった」と言うようになり、学校まで付き添って行く日がしばらく続いた。

転校先の学校は人数も少なく、娘は社交的な性格なので新しい学校にもすぐに慣れるだろうと、夫も私も特に心配はしていなかったので、予想外の展開にあたふた。
思えば、新しい環境に加え、運動会の練習が続き(1学期に東京の小学校で運動会、2学期の転校直後にも運動会があった)、疲れや我慢でストレスが溜まっていたのかもしれない。

学校の先生とも相談しながら様子を見守り、本人のペースを優先しながら過ごしていたが、2度目の運動会が終わった頃には、気の合う友達もできたようで、学校で楽しかったことも話すようになった。
今では学校から帰宅するなり「友達と遊ぶ約束してるからー!」と近所の公園へ走って行く日々を送っている。

幼稚園探しも骨が折れた。

家から通えそうな幼稚園、こども園に片っ端から電話をかけてみたが、想像以上に空きがなく苦戦した。
他の学年は空いているのに、我が子が該当する年中(4歳児)の空きがある園は1つしか見つからなかった。
転園が決まり、新しい幼稚園で使う持ち物の準備もしなければならない。
転園前に通っていた幼稚園で使っていたもので、転園後も使えるものはわずかだった。
指定品や新たに購入しないといけないものだったり、中には手作りしないといけないものもあった。
書類の記入、荷物の片付けに追われながら、苦手な裁縫をしなければならない状況は今思い出しても気絶しそうだ。

よかったこと...人混みがない、病気知らず、自然が豊か

どこに行っても大体空いていて、人が多くて疲れた…ということがない。
なぜか子どもが風邪を引かなくなった。東京にいた頃に比べ、小児科にお世話になる機会が減った。
少し歩けば長閑な田園風景も見渡せるような場所なので、幼稚園では田んぼ遊び、里山探検、川遊びなどの活動も多く、自然を満喫している様子。

失敗したこと(困ったこと)...坂道、公園に要注意

近所は意外と坂が多かった。「えー。また坂~?もう歩けない。抱っこ~!」坂道に慣れるまで子どもと出かけるのは億劫だった。
ほとんどの公園の滑り台が「石」でできているので子どものズボンのお尻の部分が破れやすい。
ステンレス滑り台、誰か買ってー!!!

やばかったこと...転居翌日の交通事故

転居した翌日、夫は諸々の手続きのため徒歩で出かけ、私は翌日から始まる娘の学校の準備や荷物の片付けに追われ、午後からは転校と転園の打合せのため小学校、幼稚園に行く予定だった。

荷物の片付けの最中、見知らぬ携帯電話の番号から着信があり、あまりにも忙しいのでスルーしようとしたが、少し考えてとりあえず電話にでたところ、救急隊の方からの電話だった。電話の後ろではパトカーや救急車のサイレンが鳴り響いているのが聞こえた。

一瞬、いたずら電話か?とも思ったが、「落ち着いて聞いてください。ご主人が交通事故に遭われました。○○病院に搬送しますので来ていただけますか」

(はて?昨日初めてここに来たんじゃけど?病院どこにあるん?遠いん?近いん?)

詳しい状況もよくわからず、頭の中が「?」だらけのまま、とりあえず救急隊の方から教えてもらった病院の住所のメモを頼りに私はタクシーに飛び乗り、病院へ向かった。

この日、たまたま片付けの手伝いに来てくれていた両親に子どもたちを預けることが出来たのは唯一の救いだった。
幸い、夫の命に別状は無く、けがや処置の状況を医師から聞いた後、入院の手続きを済ませ、ギリギリの時間まで待ってもらっていた小学校と幼稚園へ打ち合わせに何とか向かうことができた。

こんなドタバタ劇からまもなく1年が経とうとしている。

転勤によって起きるのは大変なことが大半だが、その中でも新しい出会いがあり、友達が出来、東京ではこうだったけど、関西ではこういうのもあるんだね!と新たな発見もあり、所変われば品変わるということも、子どもと一緒に肌で感じることができているのは貴重な経験かもしれない。
最近では姉妹喧嘩がヒートアップするとお互い関西弁になる傾向もでてきた。

こちらの生活にはだいぶ慣れてきたが、未だに天気予報は「東京」を見てしまう癖だけはなかなか直らないでいる。

(バタバタママ 元大学職員)

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