違いに気づいたら、チャンス!

みなさん、こんにちは!
せっかくいただいた場ですので「違いに気づいたら、チャンス!」というテーマでメッセージを送りたいと思います。

就活によく出るキーワードの1つに「価値観」があります。ここでは価値観を、「『好き!』とか『嫌い!』と言えること」と定義付けします。

例えば、「チームの和を大切にして、1つのことを成し遂げたい」ということと、「社内一人ひとりがライバルとして、互いに競いあって向上したい」ということは、どちらが良い・悪いではありません。しかしこの2つはどちらかといえば対立します。どちらが好きか、つまり価値観で選ぶことが大切だとしています。

就活で価値観が大切な理由は、企業にも価値観があるからです。よくある言葉でいうと「社風」です。学生が価値観と違う企業を選ぶと、「チームの一体感が大事なのに、あいつは和を乱す空気を読めないやつだ」だと言われたり、「誰かに相談したいけど、孤独で抱え込んでしまう」といった状況に陥ったりと困ることが増えます。

こうした入社前後のギャップができるだけ大きくならないように、自己分析・企業分析をしましょうというのが、就活のセオリー本によく書いていることです。自分の価値観を1つ1つ分析・把握するのは難しいですが、「そっちよりは、こっち派」くらいは言えるようになると、自分の価値観にあった仕事を選びやすくなるといわれています。

さて、ここからが本題です。

ここ数年の企業のトレンドとして、「会社の価値観や社風と違った志向の学生を採用する」という動きが広がっています。いきなりガラッと変わったのではなく、内定者の2~3割が「これまでいなかったような雰囲気」の学生を採用している気がします。

この背景には、“多様性”や“ダイバーシティ”といったキーワードがあります。似た者同士の集まりでは、現状を打破することは難しくなっている経営環境の中、あえて異質な仲間を迎えることで、その会社を新しいステージに押し上げる力になってほしいと願いが込められた採用です。

しかし残念ながら、こうした動きの結果、各社に配属された後に「ギャップが大きすぎる」と、その会社を離れる動きも加速しています。中途採用の門戸も広がったことも後押ししているかと思いますが、自分の価値観と異なる会社に行った場合、イメージと現実の違いを目の当たりにして会社を離れる動きが加速している気がします。

これは、人事方針をしっかりと理解しないままに、これまでの慣習で育成をする部署の責任が大きいところかと思います。会社の方針なのに、社員が理解していないことってあるのか気になるかもしれませんが、これも残念ですが、よくあることです。

これから就活に臨む皆さんに伝えたいことは、自分の価値観と違う状況になったとしても、ガマンできない範囲までは「ギャップを楽しむチャンスが来た」と受け取って、その環境を楽しんでほしいということです。

学生時代の自己形成はとても大切なものですが、それまでの経験や、その中で培ってきた自己分析が一生を決めるかといえば、決してそんなことはありません。私自身の経験としても、仕事での経験を通じて新しい価値観が芽生えることがとても多かったです。

自分の価値観は、仕事に就いてからでも大いに変わる。これを知っておくと、ギャップを楽しみながら成長することができるかと思います。

この投げかけは、自分の価値観を企業の色に染めるべきだというものではありません。むしろ染まらないでほしい。コロナでの、これまでの当たり前が疑われる時代だからこそ、多様な価値観が求められる社会になっていると感じます。

これは、働いている立場になって初めて見える部分も多く、これまでの画一的な価値観を大切していると簡単に社会から淘汰される時代になったと感じる部分も大きいです。

それでも、あの日曜劇場にみられる「会社の常識は社会の非常識」とされる部分がまだまだ残っています。

企業とは異なる自分の価値観をしっかりと主張することで、会社が社会に必要とされることも増えてくると思います。だからこそ、「チャンスだ!」と感じてほしいと願っています。

この時代、先輩の話がどれだけ参考になるか分かりませんが、これから社会を形成していく広大生への期待はとても大きいものです。皆さんへの応援メッセージとして受け止めてもらえると幸いです。

(ありー 飲料メーカー勤務 生物圏科学研究科 2008年修了)

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