正しく間違う会社選び

就活生向けにこんなアピールをしている会社があります。

1.これからが、面白い。

今、どんな未来を想像していますか?

「大きな仕事がしたい!」「誰よりも早く成長したい!」「社会人になっても学生時代のように楽しく充実した毎日を送りたい!」…
今、自分に自信がなくても大丈夫です。将来の不安があるのは誰だって同じです。 
未来はアナタ次第で変えることが出来ます。可能性は無限大です!

●●●は“これまで”ではなく“これから”のアナタを高く評価します。

2.若手が活躍する。20代の店長就任も珍しくない。

●●●はキャリアステップが明確です。その分、何をすればいいのかが見えてきますし、イメージしやすいのは魅力的です。中には新卒2年目で店舗運営を任され、年収1300万円以上なんて先輩社員も。

●●●では年功序列ではなく、明確な昇格ラインを設けるなど個人の頑張りをしっかり評価する環境を整えています。実力があれば若いうちから部下を持ち、店舗経営に携わることができるのです。もちろん責任は重くなりますが、それをチャンスに変えて、更に高い目標を見つけてほしいですし、当社にはそれをサポートする環境があります。

(中略)

●●●の目標は第一にお客様が「安心して車に乗れる」環境を整えることです。
その想いから生まれたのが販売から整備、車検、保険までワンストップで行なうサービス、ワンストップサービスです。
専門店では受け止めきれないお客様の要望に応えていきたい。
その想いで生まれたワンストップサービスは当社の強みであり、そして誇りでもあります。

どうですか、あなたのやる気を全力で受け止めてくれる、あなたの輝かしいステージを夢見ることができる素晴らしい会社に見えませんか?

●●●は、損害保険の不正請求を発端にいろいろな「やらかし」が判明して、存続の危機に立たされているあの会社です。超ワンマンで典型的なブラック企業だったことが、広くあまねく世に知られてしまいました。

将来ある就活生が選ぶべき企業ではなかったはずですが、会社発の文言にすっかり騙された人は少なくないでしょう。

ここに会社選びの重要な学びが見えてきます。それは会社の宣伝文句を鵜呑みにしないってことです。

採用する企業は、どこも必死です。就活生と同じく優秀な学生を採用するための過酷な競争にさらされています。その気持ちからか、パンフレットやWEBサイトでの会社紹介、就活生へのアピールには実態を反映していない美辞麗句、建前、誇張が紛れ込みます。

そして、こうした売り文句には規制なんてないので、一部の企業であると信じたいのですが、やりたい放題も可能になっているのです。ましてや、自社の直面している問題、同業他社と比較して劣っている部分、劣悪な職場環境のことなど、紹介するはずもありません。

会社が発信する情報はひとつの材料ではありますが、それを信じてしまうと会社選びを正しく間違ってしまいかねません。いいことばかりを並べた言葉についつい騙され、入社にまで至らなくても、インターンから会社説明会、エントリー、選考まで貴重な時間を使ってしまうのはまったくの無駄です。

そうならないためには、方法はひとつしかありません。自分の目で確かめることです。

興味を持った会社に足を運んでみること。新聞や雑誌報道など第三者の評価を調べてみること。実際に商品やサービスを利用してみること。
要するに手や足を動かすってことですが、もっとも効果的なのは働いている社員に会うことです。

OBOGはなによりのとっかかりになりますが、別に先輩でなくてもまったく構いません。企業説明会の場にいた社員でもいいですし、知り合いの知り合いをたぐっていけば、どこかで見つかるものです。そして、どうにかたどりついた誰かにあってもらうと同時に、同僚を紹介してもらって数を増やしていきましょう。3人4人に会えれば、会社の真の姿は見えてくるものです。

ワタシの知り合いに中堅私立大学の卒業生がいるのですが、誰もがうらやむ有名企業に就職を果たしました。彼はどうしたかというと、志望した3つの企業(全部、すごい会社です)の社員にひたすら会い続けました。集めた名刺を見せてもらいましたが、1社あたり30~40枚ありました。それだけで人事担当者に刺さることは間違いなく、彼はその3社とも内定を得ることができたのです。

運良く会社の人間に会えたら、礼儀をわきまえて話を聞くこと。次の同僚を紹介してもらえるよう信頼をしてもらうこと。それを続けることによって、会社の実態を知ることができるだけでなく、あなた自身が磨かれて魅力的な人材に育っていきます。就活に絶対有効な自己研鑽の機会です。

「広大東京リアル部」のページには、「広島大学公式ウェブサイト管理・運用指針」に基づき、東京オフィスが以下の基準を満たしていると判断した記事を掲載しております。

<投稿記事のルール(掲載できないもの)>
・個人や大学の誹謗中傷記事
・人権侵害や名誉棄損にかかわるもの
・Hateスピーチ
・品位の劣るもの
・その他常識的に不適切と思われるもの
(2018.1制定)

<お問い合わせ先>
広島大学東京オフィス
TEL:03-6206-7390
E-Mail:tokyo(AT)office.hiroshima-u.ac.jp ※(AT)は半角@に変換して送信してください。


up