定年になって気づく良い会社の条件

私事で恐縮ですが、ワタクシ、この3月末で定年退職となりました。

会社に参加して35年、とてもいい経験ができたと思います。仕事で追い詰められたことはもちろん何度もありますが、それは前向きの追い詰められ方であって、苦しいとか逃げ出したいとか思ったことは一度もありません。

なぜかというと、会社の雰囲気が自分に合っていたことと仲間に恵まれたこと、これに尽きます。自分はとても運が良かったのだと思います。
みなさんにも、前向きに仕事に取り組める会社を選んで欲しいと切に願っております。

では、どこに目を付けたらいいのか。

待遇でしょうか。生活に困るほど給料が安いのはダメですが、少なくとも給料がいいから仕事に前向きになれるというワケではありません。給料がいいぶん、使い捨てと言わんばかりに馬車馬のように働かせる会社も、なかにはあります。

企業の財務状況でしょうか。債務超過で明日をも知れぬ会社は論外ですが、そこそこに社業順調であれば、ましてや新卒で社員募集をしている会社であるのなら、気にする必要はありません。もちろん、長い会社員生活の中では、勤めている会社が倒産の憂き目に遭うことは避けようのない運命です。しかし、10年先のことなど神のみぞ知るです。

そうではない。何よりも重視して欲しいのは、社員との相性です。働く仲間として、気持ちよく手を取り合えるかどうかです。相性である以上、絶対的な基準はなく、あくまであなたという人に合っているかどうかです。つまり、自分にしか判断ができないと考えてください。

誰しもがそうですが、会社で働いているうちに、仕事への向き合い方、生き方はだんだん同じようになっていくものです。そもそも、会社は選考の時点で似たような考え方、生き方の人間を知らず知らずのうちに評価しているものです。

会社に染まるとはそういうことであり、社風とも呼びます。

やっかいなことに、その社風ってやつは、外からはなかなか分かりません。会社案内やウェブサイトで真の姿をつかむことはできません。はっきり言えば、ウソ、虚像は簡単に作り上げることができるからです。だから公開されている情報を材料に「御社の社風に惹かれました」などと簡単に口にするものではなく、それは自ら間抜けと名乗っているようなものです。

本当の社風は人を見るしかありません。OBOGはもっとも分かりやすいサンプルです。できるだけ先輩を見つけ出して会いましょう。

インターンシップやセミナーで社員と話す機会があったら、よぉーく観察することです。特に中小企業の場合にあてはまるのは、社長の人柄です。社長の人格が社風そのものだからです。採用の場に社長が出てこないような中小企業は、それだけでアウトです。

出会えた人たちとなら信頼し合えるか、一緒に苦労を共にできるか、友達になれると思うか。絶対に外してはならない会社選びのポイントです。

(チノ 出版社勤務 編集者 総合科学部1985年卒)

※就活のOBOG訪問用卒業生名簿についてはこちら(東京オフィス)
【2021.3.12更新】就活のOBOG訪問にご活用ください!

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