まず質問です。あなたは高くジャンプしようとするとき、どうしますか?
膝や腰を曲げて、体を縮めますよね。だれもつま先立ちしたところから飛び上がろうとはしませんよね。でも、多くの就活生に会った経験からすると、その「つま先立ちジャンプ」でトライする人が目に付いて仕方がないのです。
どういうことか。
エントリーシートでも、面接でも、聞かれることが多い質問が「あなたの弱点を教えてください」。
就活ではなにより正直であることが求められます。というか、嘘なんて簡単にばれてしまいます。会って話していると、ほどなく「この人はこんな弱点があるんだろうな」「長所はここかな」ってことは見抜けるものなのです。そしてその想像はほぼ間違うことはありません。
弱点を聞かれたのだから正直に答えればいいものを、多くの学生がこう答えちゃうんですね。「一所懸命にやりすぎることです」「熱中すると我を忘れてしまいます」
弱点を述べているように見せておいて、「そうか、なんでも一所懸命に取り組む真面目なヤツなんだなと」点数稼ごうと考えてのことなのでしょうけど、ハッキリ言うと浅はかです。どこからでもプラスの評価を稼ごうという、正しそうに見えるけどトータルで損している考えです。
就活生の考えることは大差なく、「一所懸命なワタシ」が次から次に登場することになるのです。まぁ読む方聞く方はうんざりでしょうね。そこに気づいていないのは就活生だけなのです。
何が問題か。
1. 重ねて指摘しておきますが、最初にコンタクトした時点で、すでにあなたの弱点は見抜かれているんです。それを隠そうとするあなたの気持ちの弱さを露呈してしまっているだけマイナスです。
2. ESなら直接話す前だからいいだろうと考えているのなら、浅はかです。あなた以外の多くの志望者も同じ事を書いてくるのだから、何の爪痕も残せていません。
3. あなたの長所のアピール力を弱めていることになります。ジャンプする前に身をかがめていないってそういうことです。厳しい言い方になりますが、自ら自分を目立たなくしているようなものです。
人間にはだれしも足りない部分、弱点欠点があります。パーフェクトな、スーパーマンを演じる必要はまったくないし、そんなこと期待されてもいません。組織は多様性があるから強いのです。
なので、あなたの欠点弱点を問われたら、一番ダメだと思っていることを正直に答えることです。
「ワタシは明るく積極的な性格にあこがれて、ついついありもしない自分を演じることがあります」
「人付き合いは苦手です。特に初対面の時にはすごく緊張します」
なんなら
「弱点を問われて、熱中しすぎることですと答えてしまいかねないことです」
だと、ワタシなら満点付けます。
ついでながら、「失敗した経験」を語る際も同じですね。あるあるは、ちょっとした失敗談を持ち出して、それをいかに解決したかという成功体験にすり替える言い方です。同じように読む方聞く方は、またかとイライラしているはずです。
失敗談は、立ち直れないくらいの人生最大の失敗経験こそ価値あるエピソードなのです。さらにいえば、それは解決している必要もなく、むしろ今の今まで引きずっているトラウマの方が、あなたのたくましさ、経験の深さとこれからの生き方を語る重要な材料になるはずです。
(出版社勤務 編集者 総合科学部1985年卒)
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