弱い自分をむしろ活かせ

(1) 上手じゃなくても、話し手の意思を感じさせる話し方が、相手を惹きつける
(2) その際に気を付けるべきことは「自分の言葉で語る」「自分を大きく見せすぎない」の2点
(3) 「自分の言葉で語る」には、自信を持つこと。小さな成功体験を積もう
(4) 「自分を大きく見せすぎない」には、自分の弱みを知り、受け入れて、人に見せられるよう
になろう
(5) その弱さは、逆に好印象を与える武器になりえる

先日、ネットニュースでこんな記事を見かけました。

「Web 面接になって、カンニングペーパーを準備している学生が増えている」

恥をかくのが苦手な日本人っぽいなあ、と思って読んでしまいましたが、確かに自分も高校生、大学生の時は、人に少しでも良く見られようと恥をかくのを恐れて、自分を大きく見せるよう振舞っていたように思えます。恐らく就職活動を頑張っている皆さんも、少しでもいい印象を与えたい、うまく面接を切り抜けたい、面接官の印象に残りたいという気持ちがあると思います。

ですが、そのやり方が少し変な方向に向いている人が多いと感じるので、その修正を少しだけお手伝いできればと思います。

日本人は、間違えたくなかったり、恥をかきたくなかったり、という理由で、第二言語を喋るのが苦手だと一般的に言われています。そんな人は、出来る限り文法的に合っていそうな文章を並べて頑張って喋るか、駐在当初の私のように、笑顔でイエスしか言わないマンになってその場をしのぎます。ですが、逆の立場で考えてみたらどうでしょうか。外国人の方がたどたどしく間違っていながらも自分の言葉で伝えてくると、話を聞きたくなるし、印象にも残りませんか?面接もまったく同じで、その人の意思が感じられる話し方が相手を惹きつけます。

そうは言ってもどうするの、という学生さんもいるかと思います。私は相手に自分の意思を効果的にかつ好意的に伝える際に気を付けるべきポイントが2つあると考えています。1つ目は「自分の言葉で語る」こと、そして難しい2つ目は「自分を大きく見せすぎない」ことです。この2つの両立が大事なのですが、私の大学時代+社会人のお話を反面教師にしてもらえればと思います。

大学4年生の当時、私は内定先が世間一般的には褒められる企業だったという事もあり、自信に溢れていました。同じ大学に通う女性のことが当時好きで、なんとかその女性とお付き合いするべく、「自分ってこんなにすごいよー」と、自分を売り込むことに勤しんでいました。その女性も東京での就職が決まっており、しかも職場も住居も私と至近、大変失礼な話ですが、当時の私的に「これは決まったな」と勝手な黒歴史妄想を繰り広げていました。
(その直後に告白するのですが、あっけなく振られます。その後も何度も振られました笑 )

数年たって、とあるタイミングで再会した際、お酒の勢いもあり、恥を忍んで「なぜ、当時私と付き合ってくれなかったのか」と聞いた所、ハッとする答えが返ってきました。

「自信に溢れていて想いは伝わっていたけど、独りよがりな感じがしていた」

当時の私は、「自分の言葉で気持ちを語ることはできていたが、自分を大きくみせすぎていた」ということです。では次に、このエピソードを踏まえて、何をすればよいのかという話です。

1つ目の「自分の言葉で語る」点において重要なポイントは、自分に自信を持つことです。

すなわち、ポジティブに「自分は〇〇な人間」と言える根拠を自分の中で持つことが大事になってきます。先述のカンペを準備した学生は、自分に自信がなかったため、カンペを拠り所にしてしまったのでしょう。自信を持ち、それを拠り所にできれば、想定外の質問が来た場合でも、その自信に立ち戻って自分の言葉で語ることができます。そのためには、小さなことでも良いので成功体験を積みましょう。成功体験は、自分の意思で判断し取り組んで、成功だと自身で評価できる体験であることが大事です。

2つ目の「自分を大きく見せすぎない」点において重要なポイントは、自分の弱みを知り、受け入れることです。

弱みは一見「ダメなもの」「克服すべきもの」と捉えられがちですが、弱みも人を構成する重要な要素です。その弱みを受け入れること、そして恥を恐れずに人に弱みを見せられるようになれば、等身大の素直な自分が相手に伝わるようになります。もちろん厚顔無恥という言葉もあるくらいですので、さすがにノーガードで恥を晒しまくるというのは、全裸で歩き回るようなものなので、やめましょう。

相手にいい印象を与えたい、うまくやりたいという気持ちはよくわかりますが、弱みまでしっかり見せて、自分という人間の深さを相手に理解してもらった方が、間違いなく好印象を与えますので、面接がうまくいかないという人は是非試してみてください。

余談ですが、その女性に「今は前よりも柔らかくなったね(笑顔)」と最後に言われ、割り勘のつもりだった食事を御馳走してしまった点に、自分の弱さを感じました。億が一、その女性にこの記事が見つからない事を祈っています。お目汚し大変失礼しました。

(師範代 カネコ)

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