自分が何者で何をしたいのかがわからない

(1)  自分の意志で自分にとっての大きな決断をした時の背景・理由にあなたの本質が隠れている
(2)  大きな決断の際、なぜあなたがそれを選んだのかを小さな要素に分解していくと、自分がどんな人間か(ポジティブ・ネガティブ両面)が見えてくる
(3)  そのポジティブな面が活きそうな気がする仕事が、きっと頑張れる仕事(仮説)
(4) (3)の仮説が正しいのかどうかを実際に働く人に話を聞くなどで検証しよう

就職活動をしている学生から

「自己分析をどうしていいかわからない」
「何をしたいのかがわからない」

という相談を受けます。
自己分析っていかにも業務っぽい言葉で私は好きではないのですが、私はその時には必ず「過去に自分の意志で自分にとっての大きな決断をした時、どんな判断軸でなぜそれを選んだのかを考えましょう」

とお伝えしています。確かに改めて考えるとなんだか難しそうな話ですが、自分の事は自分自身が一番わかっています。ですので、そんなときは自分にとって大きな決断をした時になぜそれを選んだのかを思い返してみましょう。

私は自分の意志で大きな決断をする、すなわち「心の修羅場」を経験する時に人は成長すると考えており、その回数が多ければ多いほど深みのある人間になれるものだと思っています。裏を返すと、大きな決断を何度も求められる事に自ら飛び込める人には、優秀な人が(確率的に)多いとも言えます。

そんな確率にあたる人なんて、どうせ NGO としてアフリカで井戸を掘っていたり、ほにゃほにゃビジコンで優勝するような人とかでしょう、と思っているあなたに、私の小さなエピソードを事例にちょっとお話できればと思います。

私は大学選びの際、実家が裕福でなかった事もあり、進学先として選ぶことができたのは実家から通える国公立大だけでした。小さな頃に親が離婚し片親であった事もあり、親戚も皆「子どもは親の傍にいるもんばい」と言っていたので「そんなもんよね」と思っていた時期もありました。ですが高校三年生の夏、センター試験に向けた夏休みに課外授業を高校が開催するという事になった時、私は

「このまま言われた通りに勉強して安穏と地元で生きるのは何だか面白くない、もっと知らない人に出会って、自分として何ができそうかを考えたい」

と思い、高校には「具合の悪い祖母の面倒を見る(本当はすこぶる元気、おばあちゃんゴメン)」と嘘を伝え、大学の入学金を稼ぐためにアルバイトに励みました。その後なんやかんやで広島大学に進学するのですが、今になって考えると「変化に楽しみを見出し、自らそれに飛び込んでいきたい」という自分の本質が私のこの時の初めての大きな決断を後押ししていたようです。

その後の大学時代は、ゼミがある3年生の前期の大事な時期にワーキングホリデーに行くも半年で挫折、学んだ事は英語やコミュニケーション能力ではなく「自分の心は無茶苦茶弱い」という事、帰ってきた後にお金が無いので夜な夜な街で働くも、学んだ事は人心掌握術ではなく「皆色々事情があるから、相手の事を考えて喋った方が良い」という事、これらも全て「変化に楽しみを見出し、自らそれに飛び込んでいきたい」という本質が、それらの決断を後押ししていたように思えます。

就職活動では、この軸を自分の言葉で語れるようになった事でブレる事なく、結果的には自分なりに満足のいく成果を残す事ができました。あくまで就職はスタート地点なので今は少し形が変化してきてはいますが、様々なお客様の経営課題を解決するコンサルタントとして働いています(実は新卒は別の会社)。

皆さんにも私と同じ様に、何か“自分にとって”大きな決断をした瞬間が必ずあると思います。カッコいい瞬間である必要はなく、特に「楽ではない選択肢」を選んだときが一番わかりやすいです。その時の自分を思い返してみると、自分が何者で何をしたいのかという事が少しずつ見えてくるのではないでしょうか。

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