失敗を認めれば、あなたの人生はかなり変わる

投資を扱った雑誌やウェブサイトには、数多くの成功者、「億り人」と名付けられた個人投資家が登場しています。この人たちが本当にそれほどの実力者なのかっていうと、まぁ9割方は運が良かっただけなのですが、それでも何らかの知見があるにはあるはずです。

おカネ大好きなワタシ、それでいてちっともおカネが増えないワタシ、半信半疑ながら、ついついこうした人たちの言葉を読んでみるのですが、ひとつだけ共通点があることに気がつきました。

それは「損切りが重要だ」ということです。

損切りとは、投資に失敗した(株式投資でいえば株価が下がってしまった)ときに、傷が浅いうちに投資を手じまい(つまり切る)ことを指します。「ごめんなさい、ワタシが間違っておりました。損をしてでも手を引きます」ということです。投資は多かれ少なかれ確率の勝負です。勝つときもあれば負けるときもある。負けを最小限にして勝つときにとことん勝てば、3勝7敗でも1勝9敗でも利益が出ます。

経験のある人ならお分かりでしょうが、多くの凡人はこの損切りがなかなかできないのです。ずるずると負けた投資先を引きずって、傷を大きくしてしまったり、新たな投資チャンスを逃してしまうのです。

ではなぜ損切りができないのか。

それは人間心理の問題です。経済学の最先端である行動経済学の研究では「人間は得をした喜びよりも、損をした痛みが2倍大きい」ことが判明しています。つまり10円もらったうれしさの2倍の痛みを10円損したときに感じるのです。これがあるために、経済活動のさまざまな場面で人間は、損失回避行動と呼ばれる振る舞いをします。

損切りがなかなかできないのは、まさしく損失回避行動の代表的な事例です。失敗をしていても、そのまま保有を続ければ、いつかは状況が変わって損が解消する、つまり痛みがなくなると考えてしまうのです。こうして投資資金がいつまでも固定されることになって、身動きがとれなくなるのです。

この損切り、別の言い方をすれば、自分の間違いを認めることができれば、投資が成功する確率は飛躍的に高まります。

ワタシがみなさんに言いたいことは、投資のことではありません。自分自身の失敗を認めることの重要性です。人間が自分の失敗を認めたがらない理由は、個性でもケチな性格でも何でもなく、損失回避という本能によるものだということは、お分かりいただけたのではないかと思います。

でも、人はいつだって何かしらの失敗をやらかしてしまっています。その失敗を認めなかったらどうなるか。

投資と同じです。間違いに固執したばっかりに、新たなチャンスを逃したり、失敗による傷口を広げてしまうものです。

「あのときは運が悪かった」「自分が置かれているいまの立場は、本当の自分の姿じゃない」「周囲の人間は自分のことを理解していない」「自分は東大生になっているはずだった」「間違っているのは世の中の方だ」

口にしないまでも、こんな考えで頑なになっている人(あるいはあなた自身)、身近にいませんか?

何かにしがみついたまま、自分の殻に閉じこもったり、周囲の意見に耳を傾けようとしない人は、どうなるでしょう。学生ならば、友人を作れなかったり、ガクモンに取り組むことなく、新たなチャレンジにも消極的な態度で日々を過ごすようになってしまうでしょう。ワタシが学生の頃にもいたような気がします。そしてワタシ自身がそうだったかもしれません。「あれは自分の失敗だった」と現実を認めてしまえば、気持ちがとても楽になり、前向きに新たな行動を起こすことができます。何かに固執して時間やおカネを無駄に垂れ流すことがなくなります。

じつはとても単純なことなんです。やってみれば分かりますが、失敗を認めるはずかしさ、悔しさはすぐに忘れられるものです。

とか他人に偉そうなこと言いながら、それが実践できていればワタシはいまごろ億り人になれているんですけど ね。(冒頭に戻る)

「広大東京リアル部」のページには、「広島大学公式ウェブサイト管理・運用指針」に基づき、東京オフィスが以下の基準を満たしていると判断した記事を掲載しております。

<投稿記事のルール(掲載できないもの)>
・個人や大学の誹謗中傷記事
・人権侵害や名誉棄損にかかわるもの
・Hateスピーチ
・品位の劣るもの
・その他常識的に不適切と思われるもの
(2018.1制定)

<お問い合わせ先>
広島大学東京オフィス
TEL:03-6206-7390
E-Mail:tokyo(AT)office.hiroshima-u.ac.jp ※(AT)は半角@に変換して送信してください。


up