支援を受けた学生のご紹介

Vol.1 「フェニックス奨学生として学び、司法試験に合格。人々の暮らしを支える弁護士に。」

名前:坂上 咲季

2007年 法学部卒業
2019年 大学院法務研究科修了
2020年 司法修習終了 (第73期)
2021年 弁護士登録 (広島弁護士会)
     弁護士法人岡野法律事務所 入所

街の雰囲気と充実した経済支援に魅かれ広島大学を志望

私は長野県の出身で、中学の修学旅行で初めて広島を訪れました。その時感じた街の雰囲気が何とも心地良く、「もし大学に行くならば、広島の大学に」と思っていました。広島という街の存在は、フェニックス奨学制度と並んで、大学選びの決め手となりました。

また私は福祉や教育行政に関心があり、法学部と教育学部とで志望先を迷っていたのですが、入学後に関心のある分野を学んだ上で、専門分野を決められるカリキュラムに魅力を感じ、法学部を選びました。

フェニックス奨学生だから学業に専念できた

私を頭に3人の子がいる母子家庭に育ち、大学に進学するかどうかさえ迷っていた高校1年生の時に「広島大学フェニックス奨学制度」を知りました。入学料と在学中の授業料免除に加え、毎月の奨学金も給付されるという手厚い制度に、「こんな制度があるのか!」と衝撃を受けたのを覚えています。ですからフェニックス奨学生に採用するという連絡をいただいた時の喜びは忘れられません。

そして経済的な不安を抱えずに、学業に集中できたことはとても大きかったと感じています。家庭教師のアルバイトも経験しましたが、収入面よりも自分の興味関心に応じて選んだものでした。奨学生の資格を維持するために、高いレベルの学業成績を修め続けなければならないことには、もちろん重圧がありましたが、そうした状況に身を置くことがむしろ勉強に向き合うモチベーションになっていたように思います。

サークル活動では、大学祭実行委員会に所属。実行委員会には多彩な学部からメンバーが集まるため、さまざまな考えや立場の人とともに、企画を立ち上げ実行するといった貴重な経験をつむことできました。またゼミでは、行政法を中心に民事訴訟法や家族法のゼミに参加していました。幅広い分野を横断的に学ぶ機会に恵まれたことは、その後の私にとって大きな力となりました。

人々の困りごとを解決する「町の弁護士」に

大学入学時は、将来公務員になろうと考えていました。しかし、弁護士の先生方の講義やゼミで自治体内弁護士(自治体の職員として法務を担当する弁護士)という働き方を知る中で、次第に弁護士という職業に関心が高まっていき、ロースクール(法科大学院)に進学することにしました。
その後、無事に司法試験に合格でき、約1年間の司法修習がありました。司法修習では、法曹三者それぞれの視点から司法を考えることができ、その中でも弁護士の仕事の幅広さを感じました。

修習を終え、今年(2021年)1月より晴れて弁護士として働くことができるようになりました。今は、日常生活の中で急に起きてしまったトラブル解決のお手伝いができる、いわゆる「町の弁護士さん」になれるよう日々励んでいます。広島大学で学ばせていただいた多くのことを、依頼者の方や社会に還元していけるよう誠心誠意頑張ってまいります。

私の人生の進路を拓いてくれた広島大学の奨学制度

大学進学も悩んでいた私が大学院にまで進学できたのは、フェニックス奨学金のおかげです。支援をいただけていなかったら、司法試験に挑戦しようとは思えなかったと思います。学業に専念できる環境をいただけ、本当に感謝しております。
また、法科大学院では、模試の成績に応じて奨学金を支給いただきました。大学院では、時間的にバイトが難しい一方で、テキストや模試の費用等、支出は大学生の頃より増えていたため、支援をいただけるのはとても有り難かったです。ロースクールを含め6年にも長きにわたり支援をいただいたおかげで、現在の私があると感じています。

また、ようやく社会人となりましたので、微力ながら広島大学基金を支える側になれればと思っています。

 

(2021年8月取材/基金室)


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