支援を受けた学生のご紹介

Vol.14 「多くのことを学んだリトアニア留学」

名前:泉 直樹

所属:総合科学部国際共創学科 3年

戸田工業株式会社様 冠事業基金によるご支援により、広島大学短期交換留学(HUSA)プログラムへ参加。
ヴィータウタス・マグヌス大学(リトアニア)へ2022年1月~2022年6月まで留学。

留学先の大学について

高校生の時に、インドネシアでのインターンシップに参加し、国際交流の面白さを実感しました。その時はあまり英語での意思疎通がうまくできなかったので、大学では英語力を上げて留学することを目指していました。ヨーロッパに位置するリトアニアには、色々な国から留学生が集まります。多彩な国際交流ができると思い、リトアニアを留学先として選びました。

私が通っていた国立大学のヴィータウタス・マグヌス大学は、首都のヴィリニュスの次に大きい都市であるカウナスにあります。1922年に「リトアニア大学」として設立され、その後 1930年に、15世紀のリトアニアの英雄であるヴィータウタス大公の名前をとって「ヴィータウタス・マグヌス大学」になりました。
経済経営学部、自然科学部、人文科学部、情報科学部、カトリック神学部、美術学部 、音楽アカデミー、政治科学・外交学部、社会科学部、教育アカデミー、法学部、農業アカデミー10の学部があり、リベラルアーツ中心の大学です。リトアニアを代表する大学の1つで、修士・博士課程を含む学生数は約8,800人です。また、職員は約1000人強で、そのうち約90人が教授です。

初めての留学はいかがでしたか。

初めて留学して感じ、成長したと思うことが3つあります。

1つ目は授業への取り組み方についてです。私は、リトアニア語、リトアニア民族文化、東アジアの政治体制と歴史、グローバルな視点を持つ考え方を学ぶ授業を受けました。この4つの授業で、海外から見た日本のことなど新しい発見をすることができたのですが、さらに、授業に挑む他の学生達の姿勢にとても感銘を受けました。
日本では講義中心の授業が多く、発表するにも教官の許可を得てからなど、あまり前に出て行く機会がないのですが、ヴィータウタス・マグヌス大学の学生達はみな自由に発表し、分からないところがあれば「分からない」とはっきり発言します。また、学生と先生が対等に議論を交わすこともあり、とても興味深かったです。私は授業が始まった当初はそれに圧倒されていたのですが、終わる頃には自分の意志を持ち、しっかりと討論を交わすことができるようになりました。

私が2つ目に成長したと思うことは英語力です。特にスピーキングに関して伸びがありました。留学中、私はインターナショナル寮に住んでいたのですが、寮に着いてすぐに廊下で学生たちに話しかけました。当時は英語が上手ではなかったので、意思疎通するのに非常に苦労しました。しかし、ずっと話しかけているうちに最後には難なくコミュニケーションを取ることができるようになっていました。まだTOEICなどの資格は受けていないので英語力を計ってはないのですが、リスニングとスピーキングに関しては飛躍的に伸びを感じることができました。

私が3つ目に成長したと感じることは、コミュニケーション能力です。リトアニアでは日本と違い個人主義なので自分が話をしない限り、友達もできないので自分から話しかけようと努力をしました。また、バー等で話しかけられることも多くあり、そこで輪を広げることにも尽力しました。また、他国とは文化も違えば何もかもが違うので、お互いを尊重する気持ちがとても大切であるということを学びました。

杉原千畝博物館にて

リトアニアの友人宅で

リトアニアでの生活について教えてください。

リトアニアは物価が安くて暮らしやすいところでした。特に飛行機の運賃が驚くほど安く、リトアニアからフィンランドに行く便は、片道約600円の時もありました。(オフシーズンで荷物が軽量の場合) 

そのため、学生でも他ヨーロッパへの国々へ気軽に旅行ができ、イースターホリデーなど利用して、14ヶ国行くことができました。

休暇でないときは、学校主催のクラブに参加したり、友人とバーに通ったりしました。

リトアニアではとにかくどんどん話しかけていったので、友達がたくさんできました。おかげでインスタグラムのフォロワーが5か月間で300人も増えました。留学先で知り合った外国人の友達の中には、日本に興味を持ってくれて、日本への留学を決めた人もいます。留学を通して人とのつながりが広がったなと感じています。

留学を振り返って

留学を経験し、将来は海外の人と関わることができる仕事をしたいと思うようになりました。今回の留学で今まで漠然としか考えていなかった職種についても意識するようになり、将来のキャリアを考える上で非常に貴重な経験となりました。

4年生からゼミに入り統計学を専門に学ぶ予定ですが、もう一度留学にチャレンジしたいと思っていて、次回は半年間の留学を目標にしています。今回の留学で学んだことはとても多く、次は今回の留学での経験を活かしてもっと多くのことを習得することができると思います。自分の興味があることを追求し、学んだことを活かすことのできる人材になれるよう、今後も努力を怠らないようにしていきます。

最後になりましたが、この度、戸田工業株式会社様より多額の御寄付金を賜りましたことに対し、深く感謝申し上げます。私が様々なイベントに参加し、現地の学生や留学生との交流を深めることができたこと、そしてリトアニアでの留学生活を最大限満喫できたことができたのは、ひとえに寄付金のおかげです。 寄附金があったからこそ、留学資金に余裕を持つことができました。この留学で得た知識や経験を、論文やこれからのキャリアに活かしたいです。本当にありがとうございました。

 

(2022年11月取材/基金室)


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