Vol.25 「日本で学んだ平和学を世界へ」

名前: 金 麦 (キン マイ)
所属: 総合科学部国際共創学科(IGS) 4年
国際共創学科(IGS)奨学金を受給。オタフクソース株式会社様 冠事業基金によるご支援
中国の浙江省 温州市ご出身の金さん。故郷はどんなところですか?
浙江省温州市は、上海の南に位置し、海に面しているため魚介類がとても美味しいところです。みかんの産地としても有名です。日本のみかんと見た目は似ていますが、中国のは少し苦みがあります。
豆腐料理も浙江省の名物です。日本のお豆腐とは違って干したもので、辛い味付けにして食べます。
気候は日本と似ています。しかし、冬は日本の方が寒いです。浙江省で雪は滅多に降ることはなく、幼い頃に1度見たきりだったので、日本で再び雪を見れた時は嬉しかったです。

浙江省温州市の人気観光地(島)の江心嶼

温州料理
日本に留学したきっかけは何ですか?
元々、留学したいとは考えていませんでした。しかし、高校生の時、朝5時から夜12時まで勉強漬けの日々を送っていたところ、ストレスのため体調を崩してしまいました。私の住む浙江省の大学受験はとても熾烈で、精神的にとてもきつかったです。そんな私を心配して、母が日本への留学を勧めてくれました。
受験勉強のストレスで体調を崩したことがきっかけとなり、私は心理学に興味を持つようになりました。日本の心理学は発達しているので、母の勧めもあり、心理学を勉強するために日本に留学することに決めました。
2019年に来日し、まずは東京の日本語学校で日本語を1年半程度勉強しました。そこで平和学を学べるコースがある広島大学のことを知りました。平和であることは心の安定に繋がると考えている私にとっては、平和学は心理学に通じるところがあると思いましたので、広島大学への進学を希望しました。
広大に入学していかがですか。
広島大学のIGS(総合科学部国際共創学科)では、1年~3年まで様々なことを横断的に学び、基礎を築いていきます。何を学びたいかを自分で選ぶことができ、その自由度の高さが自分に合っていて、とても気に入っています。さらに、英語での授業が多いので、英語と日本語を同時に学ぶことができて満足しています。
4年生の今は平和学を専攻しています。平和学での幸福と心理学での幸福は類似点があると考えています。
卒論は中国の人権問題について取り組んでいます。中国では、地域によって経済格差が大きく、特に貧しい農村部での女性の人権問題は深刻です。
卒業後は、大学院への進学を予定しています。総合科学部で学んだことを生かし、中国や東アジアの国際関係について研究を進めていきたいです。
勉強の合間には何をしていますか。
中国人の中高校生にIELTSという英語の語学検定試験の勉強を教えています。オンラインなので日本在住の中国人学生だけでなく、中国に住む学生にも教えています。
また、インターンシップにも参加しました。インターンシップのおかげで、大学院修了後は広告業界を中心に就職活動を行うというビジョンができました。日本での就職も視野に入れています。

ゆかたまつりにて

IGSの友達と
寄付者へのメッセージ
この度は、オタフクソース様にご支援いただきましてありがとうございます。
コロナ禍において、両親の経済状況が芳しくなくなり、負担を減らしたいと考えていたので、奨学金をいただけてとても助けられました。大学院進学を目指すためには良い成績を取る必要があるので、アルバイトに時間を割くことが難しかったのですが、奨学金のおかげでアルバイトをせずに勉強に打ち込むことができています。
中国でもオタフクソース商品はよく見かけますので、今回ご縁があり大変うれしく思います。
本当にありがとうございました。

現代風のチャイナドレスで取材に応じてくださいました
(2024年7月取材/基金室)