支援を受けた学生のご紹介

Vol.3 「自分が思っていること、考えていることをとにかく発信する」

名前:若松 寿衣

所属:生物生産学部3年

基金を活用し、AIMS(ASEAN International Mobility for Students)プログラムへ参加。
タイ・カセサート大学へ2019年8月~12月まで留学。

留学のきっかけを教えてください。

2年生の時に短期留学を経験したことがあり、次のステップとして長期留学を希望していましたし、学部生のうちに国際交流をなるべく多く経験したいとの思いもありました。また、留学のための負担が少ないことがとても魅力的でした。他大学の日本人留学生と比較すると、広島大学のAIMSプログラムは、奨学金の手当て、単位互換、パートナー大学との連携など、とてもサポートが手厚いことが実感でき、とても助かりました。

カセサート大学での授業はいかがでしたか。

渡航前にカセサート大学の先生を招聘して行われる英語での準備授業もあり、予備知識もあったことから何とかついていくことができましたが、現地での予習、復習がとても大変でした。発音に特徴がある先生の授業でも、身振り手振りも交えコミュニケーションをとりました。授業後に個別に対応して頂ける先生もおり、とても助かりました。授業の中には、農業経済という専門外の授業もあり、難しい内容でしたが、専門の植物分子分野の視点を広げることができました。

タイでの生活はいかがでしたか。

食生活の面で、寮生と一緒に食事を作る機会がありました。寮には、イスラム教徒のインドネシアの留学生が多く、使う食品に豚関係の添加物が入っていないかの確認や、イスラム教の方の前でお酒を飲まないようにするなどの気遣いも必要になるなど、相手の宗教を考慮することもあり、宗教への理解がより深まったように思えます。

留学先での研究課題があったそうですね。

「ハラル食材」を研究課題としていました。仏教国であるタイにおいて、ハラル食が波及している背景を調べ、日本の現状と比較しました。タイでは、マレーシア、インドネシアとの交流も多くあり、宗教上の対立も一部ではある中で、国内においてハラル食が広く普及しています。日本での普及の状況と比較すると、地理的な面も含め、興味深いものでした。

進路について今はどのように考えていますか。

大学院への進学を希望しています。大学院では、専門としている植物分子、特に私の地元特産のお茶についての研究をさらに深め、できれば博士課程まで続けたいと思っています。その後は企業や大学での研究職に就くことができればと考えています。

留学を振り返っていかがですか。

留学では、楽しいことばかりではなく、自分の知らないところでストレスを感じてしまったせいか、眠れない日が続くこともありました。しかし、社会に出てからもそういう体験はあると思います。留学中にこのような体験をできたことは、とても意味があると感じています。また、ある友人から言われたことが非常に印象に残っています。会話をする際に、私は英語の文法をしっかり守って話さなくてはならないと考えていましたが、その友人からは、「ここには母国語が英語の人はいないのだから、文法なんて気にしなくてもいい。私はあなたが何を考えているのか、何を感じているのかを知りたいだけ」と言われました。この時から私は英語での会話が苦ではなくなりました。自分が思っていること、考えていることを躊躇なく発言できるようになりました。

 

(2020年2月取材/基金室)


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