第3回課題提案型ワークショップ 開催報告

第1回開催報告

2018年10月10日(水)12:00~17:10 広島大学東広島キャンパス 産学・地域連携センター ベンチャーラボラトリーオフィス(VBL Office)において初回が開講されました。学部生、大学院生、特別研究員をはじめ提案企業やその他企業からの参加者を含め25名が一堂に会しました。

はじめにワークショップ全体の流れについて説明が行われた後、アイスブレイクとして受講者全員が自己紹介を行いました。続いて提案企業として株式会社ラックスの山田社長、株式会社プランニングサプライの田儀エリアマネージャー、株式会社小泉新聞舗の鈴木前社長および奥様から企業紹介プレゼンが行われ、各企業の歴史、強み、そして今回ご提案いただいた課題の背景などを伺いました。

その後テーマごとに3チームに分かれ、『イノベーションマップ』を使ってさらに両企業の歴史をひも解き、主力サービス・商品の流れや転機などを纏めながら企業そのものへの理解を深めました。履修生の中の1人は、「これは研究にも使える。系統立てて考えられる」とコメントしていました。

アイディエーションの基本となる考え方を『パーティー企画ゲーム』を通して学び、より新しい発想を得る方法として『ブラケティング』のコンセプトを学びました。
「肯定して乗っかる」こと、「あたりまえ」を一度横に置いて「ブラケティング」することなど、わかっているようで日常できていないことを再認識し、その効果を体感しました。

そしてイノベーションマップの分析結果を踏まえ、『アーカーの価値3分類』に従って企業価値を再検討し、どのような価値を残していくべきか話し合いました。『PESTLE分析』を切り口とする未来予測を始め、次回のフィールドワークに向けて観察項目を検討することが宿題として出されました。

第2回開催報告

2018年10月17日(水)標記2回ワークショップとして、フィールドワークツアーが行われました。12:30に広島大学東広島キャンパス 産学・地域連携センター ベンチャーラボラトリーオフィス(VBL Office)に17名が集合し、一路福山市へ。

まず、提案課題1【どのように、ある地域で“屋上”を活用するか】についてヒントを得るため、提案企業である株式会社ラックス(福山市曙町)の屋上を観察しました。ジャグジー、天体観測、屋上菜園から養蜂に至るまで、さまざまな屋上のあり方を検討されているラックス社ならではの挑戦を拝見し、履修生たちの想像がふくらんだようです。

つづいて、ラックス社の取引先代表として、脳神経センター大田記念病院屋上にお邪魔しました。福山市内のパノラマ眺望を目の前に、広報コミュニケーショングループマネージャー島津様より、屋上のレイアウトや現在の利用状況から、土地の歴史、都市計画、病院のビジネスモデルに至るまで、非常に幅広く奥行きのある情報をいただきました。そのどれもが、住宅地と隣接しながら工場に囲まれた商業地に構える大田記念病院の屋上について考察する上で非常に重要な情報となっており、履修生たちも多くのヒントを得たようです。

その後西条方面に戻り、提案課題3 「どのように、西条酒蔵通りの入口で”窓口”になれるか」についてヒントを得るため、提案企業である株式会社小泉新聞舗2Fのサロンにお邪魔しました。まず、到着した参加者に、鈴木常徳前社長から亀齢酒造の仕込み水が配られました。まさに「酒蔵通りの窓口」としてのおもてなしに、好天に恵まれてのどが渇いていた参加者からも感嘆の声があがりました。 その後、鈴木圭太社長から、創業時から4世代伝わる稼業についての思い、新聞というメディアの変遷と直面する危機、提案課題に至った背景など伺いました。参加者からは、現在の購買層から将来的なターゲット層、IT化、「窓口」の意味するところ、など幅広い質問が数多く寄せられました。

つづいて一行は広島大学前に移動。提案課題2 【どのように、「住み続けたい」と思う”地域”を下見に作るか】についてヒントを得るため、提案企業である株式会社プランニングサプライが経営する「食事つき学生寮」を見学しました。田儀正則エリアマネージャーから施設説明が行われ、その豪華な設備に質問が次々と挙がりました。一般的な賃貸物件よりもかなり高額な賃貸料ながら、オープンと同時に常に満室という状況に驚きましたが、家具や家電完備、住み込みの寮長ご夫妻が作られる食事、折々に企画されるイベント、万全のセキュリティーという贅沢な環境にみな納得しました。

その後プランニングサプライ社が公開されているイベントスペース「Ripple」に移動し、「下見盛り上げ隊」として企画されている「たのした」について伺いました。プロジェクターやキッチンも装備され、イベントなど開催に非常に使い勝手がよさそうな環境となっており、予約さえできれば自由に使えることに一同驚きました。同時に、施設設立の背景、目的などを伺い、担当グループでは何かしらのインサイトを得たようです。

五種五様の施設見学だったように思われましたが、いずれも根っこにある「地域」への思いには共通したものがあり、履修生からは各提案課題を融合させた企画案も挙がっていました。今後の展開が楽しみです。

第3回開催報告

2018年10月31日(水)標記第3回ワークショップが開催されました。

まず、前回からの宿題として、フィールドワークから得られた気づき(インサイト)について、各グループが発表し、お互いに質問・意見を交換しました。

グループ①は、ラックス社が自社屋上に取り入れていた色々な試みにヒントを得たり、大田記念病院屋上で伺った土地の歴史や環境も含め、企画のような意見も多く上がっていました。グループ②は、プランニングサプライ社が構えるオープンイベントスペース「Ripple」に焦点を当てた気づきが多く、その立地条件や設備の充実から、もっと管理体制を整えて有効活用すべきだと感じたようです。グループ③は、小泉新聞舗サロンにて、鈴木社長や全社長夫妻から伺った現状や歴史、企業の思いを基に、PESTLE分析やSWOT分析を使って現状をまとめ、同社が直面する問題と今後のニーズについて検討した意見を発表しました。

これらの気づきを基に、10年後のシナリオを描くためのテーマを設定しました。そしてこれまで集めた情報を洗い出し、確実性と影響度によって分類しました。影響度が大きく、かつ確実性が高いものは取り組みやすい、影響度が大きくても確実性が低い部分に焦点を当てることでイノベーティブな発想が得られやすいというセオリーに、最初は戸惑いを覚える履修生も多かったようです。

つづいてそれらの情報を基に、具体的なシナリオを考え始めました。まずは設定したテーマから、10年後に想像しうる「常識」を書き出してみて、その常識の反対のシチュエーションを考えることでよりイノベーティブなシナリオを描けるというやり方は、非常に新鮮だったようです。最初は「常識」を切り出すことに苦労していた履修生も、徐々にさまざまな角度から興味深いシナリオが生まれ始めました。

第4回開催報告

2018年11月14日(水)標記授業の第4回ワークショップが開催されました。まず、各メンバーが考えてきたシナリオについて共有し、それぞれのポイントを統合する形で一つのシナリオを磨いていきました。共通認識が持てた段階で課題を洗い出し、解決したいWho/Whatや提供する価値を明確にしていくことで、より提案の枠組みがはっきりとしてきました。

グループ①は、これまでに行った未来洞察を基に非常にユニークなキャラクター設定で想像を掻き立てるような興味深いシナリオが作られていました。そのシナリオをさらに拡げて課題を洗い出していくことで、10年後の未来にどのような形で屋上が役割を果たせるのか、その提案の骨格が見えてきたようです。

グループ②では、特に10年後の下見地域の人口構造に着目し、広島大学のスーパーグローバル化に向けて外国人比率が飛躍的に上がるシナリオを想定し、外国人履修生自身が入学当初に直面した問題や悩みを基にRippleの活用案を挙げました。同時に、外国人留学生が減少し日本人学生が多数を占めるという真逆のシナリオも想定し、地域の子供に焦点を当てたRippleの活用案も挙がりました。

グループ③では、これまでの分析結果から、二層化する購買層に対応できるビジネスモデルを発展させていきました。高齢層に対しては、これまでの紙媒体を残しつつ、配達システムを活用した代替商品の構想を、若年層に対しては、新聞離れを解消すると同時に効率化を目指したスマートテクノロジーの導入や、投稿を中心とする参加型のシステムを取り入れることで、経営陣が希望する「地域との双方向コミュニケーション」を実現する提案が出されました。

次回はこれらのドラフト案に対し、ステークホルダー分析を取り入れ、さらにブラッシュアップを図っていきます。

第5回開催報告

2018年11月28日(水)標記授業の第5回ワークショップが開催されました。まず前回の宿題として、これまでのワークショップを通してそれぞれのグループが導き出した課題解決案に対し、同様のサービスや商品を市場で探し、比較検討してきた結果を共有しました。

グループ①では10年後の未来像としてさまざまなユニークなシナリオを考えてきましたが、技術の進歩で大気が美化されたと想定した場合と、地元産業の発展に伴う工場の拡張で大気汚染が進行した場合という正反対の環境を想定し、シナリオの登場人物たちがどのように過ごすことを求め、どのように屋上を活用できるか検討が進んでいました。その上で、高齢者の病気やレクリエーション、老人ホーム等の介護サービス、健康維持運動にはじまり、託児サービスや大気汚染に関わる環境基本計画など、あらゆる関連事項をリサーチしていました。

グループ②では、前回につづき、外国人居住者が増加した場合と減少した場合を想定し、それぞれ対象とする「留学生」「地域の子ども」に向けた既存サービスや行政資料などを調べていました。増加の一途にあると思われた東広島市の子供の数は、実は西条地区に限定され、広域の東広島市では横ばいであることがわかるなど、新たな発見もあったようです。子ども向けのサービスでは、公共のものから企業体のものまでいろいろと比較していました。

グループ③では、二層化する購買層に対応できるビジネスモデルを発展させていましたが、築かれた配達チャンネルの活用、および導入が現実的なスマートテクノロジーの選別も含め、幅広いサービスや商品について調べてきていました。既にイメージ画像などもできつつあり、メンバーのいろいろな思いが交錯して白熱した議論が展開されていました。
つづいて、2週間後に控えた最終発表に向け、ステークホルダー分析を行いました。影響度と関心度によって分類しながら、関与すべき団体、人物などに漏れがないか検討しました。

その後、改めて解決策の提案について目指すべき目標を割り出し、現状とのギャップを分析することで今後のアクションプランについて検討していきました。
いよいよ次回は最終成果発表ということで、各グループで担当割をして準備を進めていくことになりました。 発表が楽しみです!


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