OB:谷口万里子(外務省・草の根無償資金協力事業-ナイジェリア)

私は、i-ECBOプログラムを通して、バングラデシュに2007年と2008年にそれぞれ約1ヶ月間滞在し、農村電化事業の研究を行いました。バングラデシュでの体験は、自分が将来国際協力にどのように関わっていくかを真剣に考える機会となり、開発の分野で一度実務経験を積んでみたいと思うようになりました。そして現在、日本政府が各在外公館を通して実施している「草の根・人間の安全保障無償資金協力(草の根無償)」に係る外部委嘱員として西アフリカの国・ナイジェリアで生活をしています。
草の根無償とは、一般無償資金協力と比べて比較的小規模な、現地・国際NGO、地方自治体等が行う草の根レベルのプロジェクトを支援するものです。在ナイジェリア日本大使館では、「初等教育」及び「給水・衛生」を草の根無償における重点分野とし、NGO及び地方自治体から寄せられる年間約200件の支援要請から10件強の案件が毎年選定されています。私はここで外部委嘱員として、①案件形成(NGO等から要請書受付、事前調査等)、②案件実施状況のモニタリング、フォローアップ、③報告書等文書の取り付け、④贈与契約の署名式等のアレンジといった草の根無償に係る業務を行っています。ナイジェリアに来て9ヶ月が過ぎ、大体ですが草の根無償の一連の仕事を経験することができました。
NGO等現場で活動する人たちは現状を変えよう、未来を良くしようという熱い志を持って仕事に取り組んでおり、彼らと仕事をする中で、私自身勉強になることが多々あります。ただ、ナイジェリアでの生活も1年目の終わりにさしかかり、仕事も大分慣れてきて、かつ普段は現場と離れたオフィス内での業務で書類作業に忙殺され、裨益者である現地の人びとのことを時々忘れてしまいそうになる自分がいるのですが、初心を忘れず、常に現地の人びとのことを念頭において学びの姿勢で仕事に取り組んでいきたいと思います。


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