口腔インプラントセンター長 挨拶
2010年4月1日に「広島大学病院口腔インプラントセンター」が開設されました。本院口腔インプラントセンターでは、各専門医(補綴科、口腔外科、放射線科、歯周科など)から構成されており、定期的にカンファレンスを行い、患者中心の安全、安心なインプラント治療に取り組んでいます。またできるだけ失敗やトラブルを避けるために本院しかできないインプラント治療に不可欠な各種検査(金属アレルギー検査など)を十分に行い、さらに最新の診断用シミュレーションソフトを導入し、正確かつ適切な術前診断や最先端の高度なインプラント治療を行っています。今後は、効率的かつ安全で高度なインプラント治療が行える診療体制を確立するだけではなく、インプラント治療の教育、地域支援、研究を発展させていく予定です。広島県のインプラント診療・研修・臨床研究の拠点として全力で取り組みたいと考えておりますのでよろしくお願い申し上げます。
広島大学病院口腔インプラントセンター センター長
相川友直
口腔インプラントセンター紹介
当センターは、歯の欠損に対する治療法として広く実施されるようになったインプラント治療に関して、各専門診療科が参加して、統一プロトコールをもとにしたより安全安心な治療を行えるよう、すべての症例に対して検討を行い、さらにより複雑で先進的なインプラント治療を行っていくために構成されました。検査結果に基づく治療を目指してCT検査はもちろんのこと、金属アレルギー検査、血液検査や唾液検査等の検査を行い、放射線科、口腔外科、歯周診療科、矯正科、補綴科等の各専門医による総合的な治療を行っています。骨が厚みや高さが不足する場合の骨造成、インプラントを利用した矯正治療や保険導入されたインプラントによる広範囲顎骨支持型補綴等も行っています。
歯がなくなった時の治療方法は?
インプラントの構造は?
インプラント治療の流れ
メインテナンス
安心してインプラント治療を受けるために
- 歯科インプラントの寿命について
インプラントにも寿命があります。歯科インプラント治療後10年で約1割のインプラントが失われています。 - インプラントは入れ歯よりも患者さんの満足度が高い治療です
インプラント治療は、総入れ歯や部分入れ歯よりも“噛む”機能の回復に優れ、異物感が少なく、患者さんの満足度が高い治療法です。 - インプラント治療前にはCT検査が有用です
インプラント埋入手術を安全に行うためには、手術前にCT検査によってアゴの骨の形などを3次元的に診断しておくことが有用です。インプラント治療前にCT検査の必要性について先生に尋ねてみましょう。 - 患者さんの体質や健康状態によってインプラント治療を受けられない場合があります
インプラント治療には外科治療を伴いますので、患者さんの健康状態によってはインプラント治療を受けられないことがあります。患者さんから先生に相談して頂きたい代表的な病気は、心筋梗塞、狭心症、喘息、肝炎(ウイルス性を含む)、腎炎、糖尿病、骨粗鬆症、脳梗塞、関節リウマチ、金属アレルギー、うつ病、その他悪性腫瘍などです。 - 歯周病はインプラント治療に影響します
歯周病があるとインプラント治療が失敗したり、インプラントを早期に失う可能性があります。インプラント治療を受ける前に歯周病の治療を先に行って下さい。 - インプラントを長持ちさせるには定期検診が必要です
インプラントも自分の歯と同様に日頃のセルフケア、定期検診が必要です。インプラント治療後も日常的なセルフケア、定期検診を受けることによって、インプラントを長く使うことが出来ます。 - インプラントも歯周病に似た病気にかかります
インプラント治療後のセルフケアが不良であったり、定期的に検診を受けていないと、インプラントの周囲に歯周病に類似した病気であるインプラント周囲炎を発症します。放置しておくとインプラントを撤去しなければならない場合があります。インプラント周囲炎の治療では、汚染されたインプラント表面の徹底的なクリーニングが必要です。また、インプラント周囲炎の進行状態によっては外科治療が有効な場合もあります。 - インプラント埋入手術にともないトラブルが発生することがあります
インプラントを埋める手術でもトラブルが発生することがあります。その代表的なものは下唇のしびれ(神経損傷による麻痺)で、回復するまでに長時間かかる場合もあります。万が一このようなトラブルが生じた場合は早期に専門的な診断・治療が必要になります。
もっと詳しく知りたい時は、主治医の先生に遠慮なく相談して下さい。
厚生労働省ホームページより