第18回セミナー 『研究論文を書く意義と論文執筆の順序』『英語論文のフォーマットと各項目の書き方』

ライティングセンターでは、2016年8月24日、第18回ライティングセンターセミナーを開催しました。講師は、理化学研究所客員主管研究員である小野義正氏をお招きました。小野氏は、長年にわたり多くの論文指導を行った経験をお持ちで、本学では昨年、「英語論文の書き方」についての4時間に渡るご講演をいただきました。今年は、昨年取り上げられなかった個別の事項について、さらに詳しくお話し頂くことができました。セミナーは、モーニングセミナーとアフタヌーンセミナーの2部構成で行われ、延べ43名の参加がありました。

モーニングセミナーは『研究論文を書く意義と英語論文執筆の順序』と題し、実際に論文を書くにあたっての準備や取り組む順番などについて詳しくご説明いただきました。「日本人研究者の英語力不足からくる様々な問題点と対処法」「指導者から見た英文修正のためのチェックポイント」「論文執筆の順序」「投稿規定の読み方」などについて具体例を使った解説があり、内容的には、論文のストーリーを作るための様々なアイデア、書き進め方のコツ、わかりやすい論文を書くコツ、初心者に見られる問題点、日本人英文の脱却のためのポイントなどが特に印象的でした。

アフタヌーンセミナーは、『英語論文のフォーマット(IMRAD)と書く項目の書き方』についての内容でした。論文は「Introduction, Materials & Methods, Results, and Discussion」の構成で書かれることが多いですが、英語論文の構成の基礎である「序論、本論、結論の3拍子」とどのように対応するのか、さらに、国際学会のアブストラクトの書き方、「Narration, Description, Expression」の三つの文体の使い分け、各セクションを書く際の注意ポイント、それぞれのセクションに書くべき内容、図表の作り方のポイント、略号の使い方、引用の方法などが分かりやすく説明されました。

セミナーで取り上げられた話題は非常に多岐にわたり、細かい点まで指摘されており、時間の関係でやや駆け足の部分もありましたが、昨年の内容を合わせると論文執筆に関することほぼ全体を網羅するものでした。参加者からは、「実務にもとづいた話で非常に有益で分かりやすかった」、「英語で論文を書く意欲が出た」等、コメントが寄せられました。

【日 時】 2016年8月24日(水) 9:00-10:00, 13:00-14:00
【会 場】 中央図書館 ライブラリーホール

【講 師】 小野 義正(理化学研究所 創発物性科学研究センター 客員主管研究員)
【言 語】 日本語
【主 催】 広島大学ライティングセンター

小野先生セミナー
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