「育休、夫婦で取るほうがいいってよ」と伝えたい話(前編)

はじめに

「広大東京リアル部」に掲載されているコラムは、これから就活する学生や、就職して間もない年代の方が多く見ているのかな、というイメージを持っています。そうした方には少し先の話に聞こえるかもしれませんが、昨年の10月から3カ月間、育児休業を取得しました。

昨年、「広大東京リアル部」で以下の記事も拝読しましたが、育休は会社や性別に関わらず男女誰でも取得できるものですし、幸運なことに周囲の理解もあったため、3人目にして初めて育児休業を取得しました。

パパになるのに育休をとれそうにない
(広大東京リアル部「広大OB 田中太郎 ~リアルを語る~」)
 

1人目、2人目のときは実家の母親に来てもらい、助けてもらっていました。ですが、3人目の子供ができた時点で、コロナの状況下、母親に東京へ来てもらうことで母や家族を不安にさせること、赤ちゃんの育児以外に上2人の子供のフォローが必要なこともあり、育休を取得しないと家が回らない確信がありました。また、それまで労務と密接な仕事をしていましたので、育児参画の推進役を担う意味でも、少し長めの育休を取得させてもらいました。

現在育休から復職し、育休取得前とは全く異なる業務に携わっていますが、結論として、育休を取得してよかったです。押しつけがましく感じるかもしれませんが、ぜひとも男性こそ育児休業を取得していただきたいな、とオススメします。3人目の子育てになりますが、人生観が変わるほど多くの学びがありましたし、1人目から育休を取得しておけばよかったとも感じます。

自分の人生や新しく迎える家族の人生を大切にするきっかけにもなりますので、一生のうち数カ月くらい、育児に専念する時間を確保してもよいんじゃないかと思います。

育休時の生活のこと

ここからは、育休時の生活を報告させていただきますが、正直”休み”というイメージとは全く違います。実は育休に入る前に「育休なんだし、ゆっくり羽伸ばしておいで」という声掛けもいただいたんですが、これは全くの検討違いでした。ちなみに、私も育休中に資格試験の勉強してやろうと思ってましたが、完全に甘かったです。

正直、仕事やってるほうがラクです。少なくとも人の命を左右するまでの仕事はしてませんでした。しかし赤ちゃんの育児は、大げさでなく命を取り扱う仕事で、自分の不注意が大事故につながることもありえます。いつも気を張ってないといけないプレッシャーがあり、本当に大変でした。この、命を取り扱う仕事を、これまでずっと妻に頼り切っており、3人目にして初めて夫婦で分担しあうことができました。いかに妻に大きな負担をかけていたか、と感じます。

特に、出産直前の1週間と子供が産まれてからの約1カ月はとても大変でした。

出産直後から退院まで ~父と娘2人の3人ぐらし~

出産前、妻は病院へ入院しますが、コロナ禍で、出産への立会いやお見舞いに行けない状況となり、出産後退院するまでの1週間は父と子供2人の3人での生活でした。子供にとってはママと会うことができない不安も大きい1週間だったと思います。

次女は寝るときに「パパじゃなくてママがいい」とよく言っていました。「ママがいい」という言葉には、「そうだね、ママがいいね」と必ず肯定することや、「どんなところが好き?」と会話することを心掛けていました。また、学校での出来事や楽しかったこと、イヤなことをパパには伝えることができないストレスもあったように思います。特に長女は口にしない分、余計にストレスがかかっていたかもしれません。

2人とも身体を掻きむしることが増え、皮膚炎も起こしました。

この状況で、自分が育休に入っていなかったらと思うとゾッとします。既に育休に入っていたので、仕事を離れて家族と生活できることは本当に助かりました。朝起きて朝食や朝支度をして長女を見送り、次女を保育園へ送り、慣れない洗濯、掃除をしているとすぐに子供が帰る時間になって、晩ご飯の用意、お風呂、寝る準備・・・という生活です。

初対面から一ヶ月間の日常

妻と新しい家族がやってきて5人での生活がはじまりましたが、出産直後の女性は1~2か月はほぼ寝たきりで安静にしないと、後々体調を大きく崩すことになります(世の男性は知っておいてね!)。子供2人との3人生活1週間でもハードに感じていたのに、1人で妻と子供3人のケアを生活がはじまり、正直ナーバスになっていました。自分のペースで仕事ができる会社がどれだけラクか・・・と感じてしまったほどです。

日々のルーティン(決まってること)

6時 起きる。娘の朝食準備、登校、登園準備
8時 長女が小学校に登校
9時 次女を自転車で保育園に送る
10時 長男(赤ちゃん)の沐浴
12時 昼食
14時 長女帰宅。宿題フォロー
16時 次女お迎え。お風呂。夕食準備。
18時 夕食
19時 明日の準備等
21時 寝る準備、寝る

このタイムスケジュールの中に、2~3時間に一回、ミルク、おむつ、だっこ等が入ります。これは、深夜も同様の頻度で、概ね9時、12時、3時、6時くらいに起きるので、3時間以上まとまって寝る時間を確保することが難しかったです。

育児に専念していたからか、二人目までと意識が違ったからか、赤ちゃんの夜泣きで、パパである私も起きることができ、これは妻から「助かる」と本当に感謝されました。もうすぐ結婚10年目になりますが、あんなに感謝されたのは初めてかもしれません。深夜の授乳のあと、泣き止まない時は1時間以上だっこすることもあるため、そこは担当するようにしていました。

上記以外の家事をスキマ時間でこなす生活でした。
具体的には、洗濯、洗濯物干し、洗濯物たたみ、掃除、食器洗い、子どもと遊ぶ、何を作るか献立を悩む。ご飯を食べている時の話題は、だいたい次のご飯の話。うさぎのご飯、トイレ掃除、お薬 などです。

後編につづく↓
「育休、夫婦で取るほうがいいってよ」と伝えたい話(後編)

(有富 大輔 飲料メーカー勤務 生物圏科学研究科 2008年修了)

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