「育休、夫婦で取るほうがいいってよ」と伝えたい話(後編)

最初の1カ月で大変だったこと

(1)妻が乳腺炎になったこと。
熱が40度を超え、授乳もままならない状況になりました。産後ケアのお医者さんに自宅に来ていただき、なんとかフォロー。

(2)長女、次女のかきむしりによる肌荒れ。
皮膚科に行き毎日薬を塗るのがなかなか一苦労でした。薬を塗ってもかきむしったりして・・・結局3か月通院しました。

(3)長男(赤ちゃん)の皮膚炎症。
目ヤニが溜まりすぎて目が開けないほどの状況に。顔も赤くパンパンに腫れてしまった。1ヶ月検診もまだの状況で病院に行くことになり、毎日2回薬を塗る生活。保険証もまだできていなかったのも困ったことです。しかし、病院に行くとかなりよくなったので、育休中のメリットは気軽に通院できることもあげられるなぁと感じました。

(4)日々のお金のやりくりが大変でした。
育児休業給付金の支給は二ヶ月に一度なので、一時的に生活費が不足する事態に陥り、財形貯蓄の切り崩しをしました。男性である私が育休に入ったからこそ起こりうることかと思います。それでも手続きを会社にやってもらえるのはありがたいことです。

(5)ご飯の献立を決めること。
普段は妻にまかせっきりでしたが、3食考えることがどんなに大変か・・・妻に作ってもらった日は、涙がでるほど美味しかったです。

しんどい中でも楽しかったこと

この、しんどい家事生活の中で楽しかったのは「赤ちゃんが沐浴を喜んでくれたこと」です。

最初の1カ月はお風呂というよりも沐浴になりますが、力もいるのでママ任せにすると本当に大変だと思います。パパの専門のお仕事とすると赤ちゃんも段々慣れて、沐浴の時間を喜ぶようになってくるので、この時間が1日の楽しみになりました。やっぱり自分が一番できる仕事が1つでもあると、モチベーションにつながるなぁと感じます。

最初の1~2ヶ月、奥さんは体調を戻すのに大変なので、少なくとも最初の1カ月はパパが沐浴する生活をオススメします。

心豊かな人生をおくるということ

・・・と、実は最初の1カ月があまりに大変で泣きそうだったので、この体験談を報告する話をいただいた際、「育休はこんなに大変なんだぜ」ということに特化してドンドン書き進めようと感じておりました。

ただ、1ヶ月を過ぎ、家事に慣れてくると、効率的なやり方も分かってきたり、妻も少しずつ家事を助けてくれるようになったので、正直、2~3ヶ月頃になるとちょっと日々の生活に余裕がでてきました。育児ってしんどい仕事だと思っていたので、あまりラクになってきたと言わない方がいいのかな、と悩んだ時期もあります。3か月も育休取得せずに、早く復職して働いたほうがいいのでは、とも考えるようになりました。

そんなとき、ツイッターで育児について情報発信している方のつぶやきが目に飛び込んできました。

「うちは、夫婦2人で育休を取っているので、正直余裕はあります。でもそれでいいのでは。心の余裕をもって夫婦で育児を楽しめるのは理想だと感じます」といった趣旨の内容で、とても救われました。そう、私も日々の生活に余裕がでてくると、家族5人での生活がとても楽しかったんです!そして子供がとても小さいこの時期を一緒に過ごせていることをとても嬉しく思いました。

育児はしんどいこともたくさんあるけど、日本の制度をフル活用したら心豊かな人生にできるんだということを改めて実感することができました。

育休を取得してよかったこと

3か月の育休を取得してよかったと感じることは、以下の点です。

(1)育児に専念する時間を設けることで、復職して仕事をする中でも家事、育児に効率的に臨むことができている。

(2)家族との時間をとても増やすことができた。その分、家族以外の友人や同僚とのリアルな交流機会は減ったが、コロナ禍だったのでオンラインでの交流がちょうどよかった。

(3)父親が家事、育児を主導する姿を長女、次女に見せることができた。家事は女性だけの仕事じゃないし、助け合って取り組むことが普通だよと伝えることができた。

(4)3ヶ月の育休のなか、ライフキャリア、ワークキャリアを考える機会になった。(最初の1カ月だけだと、そこまでは考えられなかったかも・・・)

まとめ

男性にとっては育児や家事に向き合う意識を醸成する意味でも、人生を充実させるきっかけにつなげる意味でも、育児休業を少なくとも2か月程度取得することをオススメします。

女性目線でも、ご主人に2~3ヶ月は育休を取得してもらったほうがいいと感じます。特に初めての子育てはあまりに不安なことが多いです。体調が悪いときに病院に行ったほうがいいのか、家で安静にしたほうがいいのかを判断することも、一人だと本当に不安です。夫婦で相談して2人で決めるだけでも心は安定すると思います。育休中に夫の意識であったり家事スキルを高めるように頑張れたら、復職後も互いに支え合えるのではないかと感じます。

本当は育児休業給付金の話であったり、育休中はずっとノンアルコールビールだったこと、コロナ禍の育休や2021年の追い風な話も織り交ぜたい気持ちはありますが、それは個別にいくらでも話ができればと思いますので、また別の機会に。

前編はこちら↓
「育休、夫婦で取るほうがいいってよ」と伝えたい話(前編)

(有富 大輔 飲料メーカー勤務 生物圏科学研究科 2008年修了)

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