新社会人のみなさまへ(2024年春版)

4月から社会人としての第一歩を踏み出したみなさん、ようこそ大人社会へ。これからあなたたちの一人前の社会人人生の始まりです。いろいろとつらいこと、悲しいことも起きますけど、これだけは言えます。社会人としての人生には無限の可能性があって、ワクワクドキドキの連続、そりゃ楽しくって仕方がありません。常に前向きの気持ちを忘れないようにしてください。

さて、そんなみなさんに心に刻んでおいてほしいことがあります。

みなさんは、のちの時代に、社会が大きく変わるきっかけとなる大混乱を学生の当事者として経験した世代として記憶される存在なのだということです。「バブル世代」「ゆとり世代」、古くは「ベビーブーマー」「シラケ世代」などと一括りにされる、そのひとつとして「ロックアウト世代」「コロナ世代」と名付けられることになるかと想像しております。

大学に入学していきなりロックアウト、授業が手探りの中で試行錯誤され、部活やサークルも参加の機会に恵まれなかったと聞きます。平時であれば、いろんな友人との出会い、夜も寝られないような恋の悩み、ともに涙し、喜びを分かち合った経験があったはずですが、しばらくはパソコンの画面の中が学生生活のすべてになってしまい、コロナが落ち着いてきたら、もう就活が本格化して今に至っていますよね。

みなさんにとっては、それが大学生活だったので比較のしようもないのでしょうけど、コロナと無縁だった大多数の世代にとっては、まるで想像もつかない激流なのです。

では、それは損だったのか。運が悪かったのか。ガチャ引いちゃったのか。

いえいえ、まったく逆です。前の世代にも、そしておそらく続く世代にも無縁な、とても得難い経験をしたことになります。未曾有の困難に直面し、正解のない中で試行錯誤の末に道を見つけ、社会に出ることになったみなさんは、通常の大学生活では絶対に学べない多くのものを身に着けています。それはこれから始まる社会人生活において、どんな危機にも冷静でいられる稀有な対応能力です。リモートをフル活用したことで、デジタル社会におけるコミュニケーションの新しい方法論を自ら見つけ、体得しているのです。

歴史が教える通り、危機的状況のなかから次世代のリーダーが生まれます。みなさんは、その可能性と基盤を与えられているといえます。

自信をもって「自分はコロナ第一期生だ」と胸を張って社会に出てください。

ただひとつだけ、大学時代に広く、あるいは濃厚な人間関係を結べなかったことは残念ながら事実です。せっかく広島の地で学んだのですから、この縁は大切にしないともったいないことだと思います。

なぁに、大学を卒業してからも広大つながりで友達ネットワークはいくらでも広げられます。「もう一度、友達になろうよ」と、学生時代に失った時間と機会はこれから取り戻しましょう。

東京にもさまざまなOBOGネットワークがあり、知り合う機会はいくらでも用意しています。

みなさんがOBOGの輪に入ってくることを、首を長くして、手ぐすね引いてお待ちしております。

広島大学関東ネットワーク

(千野信浩 株式会社ダイヤモンド社 総合科学部1985年卒)

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