「広大東京リアル部」のページには、「広島大学公式ウェブサイト管理・運用指針」に基づき、東京オフィスが以下の基準を満たしていると判断した記事を掲載しております。
<投稿記事のルール(掲載できないもの)>
・個人や大学の誹謗中傷記事
・人権侵害や名誉棄損にかかわるもの
・Hateスピーチ
・品位の劣るもの
・その他常識的に不適切と思われるもの
(2018.1制定)
【前編】はこちらから↓
コンサルティングファーム志望の方へ(前編)
調べれば出てくると思うのである程度書くと、総合系ファームは、総合商社の上位陣といい勝負だと思います。言い換えればそれっぽっちであり、もっとほしければMBBなどの戦略系ファームに行く必要があります。あるいは総合系ファームでも、ある程度出世を重ねると30代で2千万プレーヤーになることもできるため、キャリアの中盤戦以降は一般的な企業よりも給与水準は高いと思います。
ただ、これは私の感覚ですが、数年社会人をやるうちに人生で何を追求したいかの方向性がみえてくると思います。あくまで、あくまで私が見聞きし感じてきた範囲ですが、例えば総合商社を含む日系企業は、コンサルに比べれば労働時間が少ないことは事実かもしれませんが、仕事で接してきた人々は皆ナンセンスな作業や調整にいつも追われていて、これまでとは異なるストレスがありそうだな(+多くのケースで給与水準が下がる)というネガティブな面が強く意識されます。
また、コンサル内での移動について、給与面やブランド面、能力面などで戦略系ファームに一定の憧れはあるものの、今より数百万円の年収アップに対して想定されるリスク(労働時間の増大、人間関係がゼロからの構築となること、等)が大きく映り、現職の居心地がよいうちは転職する動機がわきません。あるいは、私が属するM&A界隈では、投資銀行やプライベートエクイティという業界もあるにはあるのですが、これは戦略系ファームよりももっと破格の給料と破格の労働時間、破格のストレスが待っているとされ、興味はあれど飛び込む勇気はない、という心持ちです。
最後にベンチャー企業について、これは企業規模にもよりますが、部門長あるいは幹部候補のような形で迎えられれば、前職を考慮した給料の提示があると聞いています。ただ私個人としては、上司あるいはリーダー(ベンチャーの場合、創業者)とのフィーリングがとことん合致しないと身を委ねる気になれないというのがありまして、求人一件一件に一人ひとり面会しに行くのも面倒なので、食指が動きません。待遇の話に戻せば、給与はケースバイケースとなり、またストックオプションがつけば一攫千金も狙いうる世界ではあります。
実は本稿で一番伝えたかったことなのですが、私イノウエは、大学院を修了後新卒入社し6年半勤めたコンサルファームを、この度退社することとしました(笑)。
前項で書いたとおり前職の総合系ファームに勤め続ける動機はありましたが、一方で、コンサルというビジネスモデルではやはり一時的な関与しかできないということへの物足りなさと、他業界を挑戦するうえでの年齢的なタイムリミットも感じておりました。
内心では、あと1,2年の間に英語を鍛えつつ、もう一回くらい昇進してから転職活動を始めようかなくらいのつもりでした。ビ●リーチには一年以上前のGWに登録したきりで、そのときちょろっと面接を受けたりエージェントと話をしたりした程度で、情報収集の仕方がわかったところで活動を止め、以降はログインすらしていませんでした。むやみに受けて、不合格の結果を増やすことは将来のマイナスになると考えたためです。
そんなアカウント会員に対して、今ごろ直接スカウトを送ってきた会社がありました(もちろん他にもメッセージは数百件来ていたのですが、ほとんどはエージェントか、名前を聞いたことのない企業)。
その会社は、子供の頃よく使っていたブランドで気に入っていたのですが、最近はあまり見かけなくなり、今では渋いものばかりを作っています。
一見するとつまんなさそうですが、一つ琴線に触れるものがありました。映画用の機材です。実は総合科学部2回生の頃に、夏休みの集中講義で「映画論」という授業を受けていました。私は総合科学部の言語文化プログラムであり、ポップカルチャーやサブカルチャーは専門ではありません。ただ、集中講義というと楽単のイメージであり(失礼)、内容も映画の評論の書き方を学ぶということで、面白そうだったので選びました。うろ覚えですが、映画評論には脚本・演出・美術の3つの観点をもって批評を行い、よりよい映画文化の発展に貢献するという目的があります。その奥深さにハマった私はそれ以来、鑑賞した映画を全て専門のSNSに記録するようになりました。
どんなメーカーにも、よりよいものづくりを目指すという精神は根付いていると思います。メッセージをくれた会社が目指すところを私なりに解釈すると、技術の向上を通じて映像や音響に関わるクリエイターを支えると同時に、観客側の手元に届く家庭用デバイスも改良することで、クリエイターに対する挑戦も仕掛けている。この、一方では顧客、他方ではライバルという関係・構図をもってクリエイターとともに感動だとか文化の発展だとかを追求する仕事は他になく、また、いずれは社内異動によってグループの擁する映画会社などのクリエイター側に回ることもできるということで、M&Aの立場からエンタメ文化の発展に残りの人生を懸けたい、と熱弁したところ内定を頂きました。
ちなみに仕事内容はM&A全般/PMIとなり、M&A戦略のみであった前職よりも領域は広がります。今までと分野が被る&メーカーなら仕事はラクになるのではと言われることは多いのですが、私としては”低めのボール”を投げたところ”低くないボール”が返ってきたため、どんな期待をされているのかと内心びくびくしています。それでも、一度業績低迷期を味わいリストラを経験してきた会社ゆえ、風穴があいた分だけ風通しはよくなっていそうだという印象を選考を通じて受けています。そのことが前項で指摘した不安要素を吹き飛ばしてくれました。
かのスティーブ・ジョブズも「点と点を結んだよ」と語ったように、私も今まで積み上げてきたもので仕事をさせてもらえるのは嬉しく、非常に有難いことだと感じます。もちろん、仕事は仕事なので楽しいことばかりではないと思いますが、個人的にはご縁を頂いた先以上にマッチする会社はないと考えており、ひたむきに精進してまいる所存です。
以上、コンサルを辞める者による6年分の回顧と、私なりのキャリアの考え方の披露でした。ご精読ありがとうございました。
最後に事務連絡です。
コンサルを目指す後輩(社会人含む)からの問い合わせには引き続き対応する予定ですが、上述の通り数年で様相の変わる業界ゆえ、やはり現職のOB/OGを訪ねるのが好ましいと思います。また、私が入社予定の電機メーカーについては、社風や働き方は回答できますが、新卒選考の対策は保障できない点にご留意ください。
さらに、執筆は辞めたわけではありません。実は少し前から前職で近いことをやらされており、それで長らくこちらの筆が止まっておりました。とはいえ、こちらで書くネタが貯まっているわけではありません。読みたい内容があればどしどしご連絡ください。個人的には、2,30代の転職あたりをテーマにいろんな先輩に書いてもらってもいいのではないかと思いつつ、でも業界・職種でケースバイケースが過ぎるのもどうなんだというので踏みとどまっています。
引き続き、後輩の皆様の就職活動がよりよいものとなるのを応援しております。
有給消化中の私も、初めての転職は期待と不安で胸いっぱいです。お互いがんばりましょう!
(イノウエ 「コンサルティングファーム勤務 戦略コンサルタント」 改め 「電機メーカー勤務 M&A/アライアンス担当」 総合科学部2014年卒)
「広大東京リアル部」のページには、「広島大学公式ウェブサイト管理・運用指針」に基づき、東京オフィスが以下の基準を満たしていると判断した記事を掲載しております。
<投稿記事のルール(掲載できないもの)>
・個人や大学の誹謗中傷記事
・人権侵害や名誉棄損にかかわるもの
・Hateスピーチ
・品位の劣るもの
・その他常識的に不適切と思われるもの
(2018.1制定)
<お問い合わせ先>
広島大学東京オフィス
TEL:03-6206-7390
E-Mail:tokyo(AT)office.hiroshima-u.ac.jp ※(AT)は半角@に変換して送信してください。
Copyright © 2003- 広島大学