公開授業・分科会(2021)

国語科

教科主題

国語科における 「探す」 ための 「学び」 (3)

 単元開始時の「問い」は,語彙レベルのものから主題や構成に関わるものまで,様々です。学習者がそこからさらに次の「問い」へと発展させていくことで,単元終結に向かって理解が深まっていく学習過程を構築したい。換言すれば,それは「問い」の質を評価するということです。優れた「問い」は,学習者の理解を深め,より高次の「問い」に向き合うための駆動力となります。「問い」の評価について,探究していきます。
 公開授業は,中学3年で身の回りの言葉に対する疑問を探究する単元を,高校2年で「花山天皇の出家(大鏡)」を行います。いずれもグループで探究的に「問い」を解決していく過程で理解を深め,それを教室全体で共有することを目指します。

公開授業(1限)9:30~10:20

西原 利典  なぜ漢字を学ぶのか(中学3年)

公開授業(2限)10:35~11:25

三根 直美  『花山天皇の出家』を評価しよう(高校2年)

研究協議(3・4限)11:40~12:30,13:30~14:40

指導助言者

山元 隆春  広島大学大学院人間社会科学研究科教授 

社会科・地理歴史科・公民科

教科主題

「社会科・地理歴史科・公民科」的『探究』とは

 社会科・地理歴史科・公民科では,専門知にもとづいて社会の本質を見極める学びを「探究的な学び」ととらえ,「探究的な学び」のための「問いの構成」を明らかにして授業を行います。
 中学校社会科歴史的分野では,中学1年を対象に,「時代をわかる」と題して,鎌倉時代や室町時代をどのように探究すればよいか,多角的・多面的にかつ構成的に考察していく授業実践に取り組みます。
 高校現代社会では新科目「公共」を想定し,高校1年を対象に,「社会問題をとらえる」と題して,「なぜその社会問題が存在するのか」を探究して問題の構造を明らかにし,考察,判断,構想,議論を行う授業実践に取り組みます。

公開授業(1限)9:30~10:20

阿部 哲久  「社会問題をとらえる」新科目「公共」の授業展開 (高校1年・現代社会)

公開授業(2限)10:35~11:25

橋本 浩   「時代をわかる」歴史授業の展開 (中学1年・社会科歴史的分野)

研究協議(3限)11:40~12:30
講演(4限)13:30~14:40

[講師] 棚橋 健治  広島大学大学院人間社会科学研究科教授

[演題] 史資料の批判的検討による社会の”探究的な学び”    

指導助言者

棚橋 健治  広島大学大学院人間社会科学研究科教授

数学科

教科主題

「探究的な学び」を実現する数学科の授業づくり

 数学科の授業では,数学的な見方・考え方を働かせて数学的活動を通して数学的に考える資質・能力の育成が求められています。数学的な見方・考え方を働かせるためには,学習者自身が学びを深めて探究する場面を数学の文脈の中で創り出すことが鍵となります。公開授業では,深い学びが探究につながる場面を意識した授業を提案します。
 中学3年では,折り紙作品の折り目が作る図形の面積を求めるために,折り紙を折る前と後を比較し,どのような図形の性質を用いることができるか探究していく学習活動を展開します。
 高校1年(数学A)では,実際に模型を調べながら与えられた多面体のもつ条件を確認し,図形の性質を利用して体積を求める方法を探究していく学習活動を展開します。

基調提案(1限)9:30~10:20

喜田 英昭

公開授業(2限)10:35~11:25

將基面 裕介 折り紙作品の面積(中学3年)

公開授業(3限)11:40~12:30

富永 和宏  多面体の体積(高校1年・数学A)

研究協議(4限)13:30~14:40

指導助言者

小山 正孝  広島大学大学院人間社会科学研究科教授
寺垣内 政一 広島大学大学院人間社会科学研究科教授

理科

教科主題

「探す」ための理科の授業づくり(3)

 本校の理科では,昨年度から開発をはじめた『探究ファクター』をより深化させ,中・高6カ年を通じた「学びの地図」の作成に向け,理科の文脈における「探究的な学び」の充実に取り組んできました。その成果の一部として,2つの授業を公開します。
 中学3年では,単元「生命の連続性」の「生物の種類の多様性と進化」に関するパフォーマンス課題の取組を公開します。公開授業を通じて,生物の体のつくりと進化について「探す」ための学習活動を提案します。
 高校2年では,単元「万有引力」について,科学史的な視点を重視した授業を構成します。その際,推論から法則に至る過程を実際の観測データを用いて明らかにすることを目指します。この学習活動を通して科学的思考の楽しさやダイナミズムを示すことができればと考えています。

公開授業(1限)9:30~10:20

梶山 耕成  万有引力(高校2年選択・物理)

公開授業(2限)10:35~11:25

井上 純一  生物の種類の多様性と進化 (中学3年・理科2)

研究協議(3限)11:40~12:30
研究協議・講演(4限)13:30~14:40

[講師] 磯﨑 哲夫  広島大学大学院人間社会科学研究科教授

[演題] 社会的・情動的スキルと理科の授業

指導助言者

磯﨑 哲夫  広島大学大学院人間社会科学研究科教授

保健体育科

教科主題

共生の視点を踏まえた保健体育科における「探究的な学び」

 保健体育科では,共生の視点を踏まえ,体力や技能の程度,性別や障害の有無に関わらず,より良い学びや楽しみ方を他者との関わりを通して「探す」授業を提案します。
 高校2年の保健では,性の多様性やジェンダーの視点から,健康とのつながりについて学ぶととともに,他者と話し合いをする中で多様な考えを受け入れ,発信することのできる授業を展開します。
 中学1年のサッカーでは,試しのゲームから個々やチームの課題を抽出し,ゲームを中心に展開します。また学習課題を追究しやすいように,プレイヤーの人数・コートの大きさや用具の変更などを行い,単元計画の中でフットサルを取り入れ,個々や各チームが課題について試行錯誤しながら「戦術面の理解」を深めていきます。

公開授業(2限)10:35~11:25

磯村 美菜子 生涯を通じる健康(高校2年・保健)

公開授業(3限)11:40~12:30

重元 賢史  サッカー (中学1年・体育)

研究協議(4限)13:30~14:40

指導助言者

齊藤 一彦  広島大学大学院人間社会科学研究科教授

芸術科(音楽)

教科主題

「芸術科」的『探究』とは

 音楽科では,2つの授業を提案します。
 高校2年音楽選択の授業では,生徒が指揮者として教材の場面ごとに交代しつつ,解釈し演奏に反映させる取り組みを行います。
 中学2年の授業では,混声3部合唱教材の曲構造や音楽の要素について幾つかの探究のポイントを設定し,「演奏を向上させるにはどうすればよいか」というテーマで相互に協議・発表し,意見を聞き合う。それらを授業者がリアルタイムで取り上げ,効率的な練習を授業者・生徒が協同して作り上げていく,という授業を行います。

公開授業(1限)9:30~10:20

原 寛暁   生徒指揮者の音楽解釈と合奏運営(高校2年選択)

公開授業(2限)10:35~11:25

原 寛暁   協同的な合唱の組み立て~グループワークを通して~(中学2年)

研究協議(3限)11:40~12:30
情報交換会(4限)13:30~14:40

指導助言者

伊藤 真   広島大学大学院人間社会科学研究科准教授

芸術科(美術)

教科主題

「芸術科」的『探究』とは

 美術科では高校1年の授業と錯視に関する研究発表,そして情報交換会を行います。授業では,色や形などの造形要素だけではわからない作者の生きざまや時代背景などの情報,そして様々な表現様式などを鑑賞の視点として蓄積するだけでなく,自分の解釈を加え,想像力を働かせて自分の言葉で他者に語ることを目指します。
 錯視に関する研究発表では,目に見えているものが必ずしも真実ではないという視点を醸成するため,錯視・だまし絵を取り入れた題材開発,並びに「錯視・だまし絵指導のためのデジタル教材開発」に向けて,実物とコンピュータ画面上との認知における差異についての研究発表を行います。情報交換会では, 普段美術科の教員に相談できる機会が乏しい中,困っていることや考えていることなど休憩時間のように気軽に話し合える時間にしたいと考えています。

公開授業(1限)9:30~10:20

森長 俊六  美術作品の新たな価値を発見しよう!(高校1年選択)

研究発表(2限)10:35~11:25

森長 俊六  「錯視・だまし絵」を用いた題材開発及びデジタル教材開発に向けて

研究協議(3限)11:40~12:30
情報交換会(4限)13:30~14:40

指導助言者

高地 秀明  広島大学名誉教授

英語科

教科主題

コミュニケーションの可能性を探究する英語授業

 公開授業では,「意味伝達」にとどまらないコミュニケーションの機能に焦点を当てた実践を行います。中学3年では,即興のやりとりなど,対話を題材とした実践を行います。高校1年では,テキストの行間の推論を通じて,実際に行われたと思われる発言ややり取りを豊かに表現できる言語活動の実践を目指します。研究協議では,学校英語教育に求められる役割の変質も踏まえて,公開授業について討議します。教科分科会では,小橋雅彦先生(ノートルダム清心女子大学)を講師にお迎えして,新学習指導要領下で,これまでの蓄積も活かしながら,どのように授業のバージョンアップを図ることができるかについてご講演をいただきます。

公開授業(1限)9:30~10:20

久松 功周  「  」を活用した言語活動(中学3年)

公開授業(2限)10:35~11:25

高濱 良有  Readers Theaterの手法を用いた言語活動(高校1年・コミュニケーション英語Ⅰ)

研究協議(3限)11:40~12:30
講演(4限)13:30~14:40

[講師] 小橋 雅彦  ノートルダム清心女子大学英語教育センター准教授

[演題] 新学習指導要領と指導のアップデート

指導助言者

西原 貴之  広島大学大学院人間社会科学研究科准教授

技術・家庭科

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