公開授業・分科会(2022)

国語科

教科主題

国語科における 「探す」 ための 「学び」 (4)

 国語科では「探す」ための「学び」を考えていく際に、「問い」を軸にした授業構想を立て検討してきました。研究最終年度の本年は改めて「問い」を軸に理解が深まっていく授業過程を整理していきます。
 高校1年「言語文化」では『徒然草』「花は盛りに」を扱います。初読の際に抱いた「問い」を着実に理解していくことで筆者の美意識や思想への「問い」を考える手立てとし、理解を深めていくことを目指します。中学2年では漢詩「黄鶴楼送孟浩然之広陵」を扱います。中学2年生にとって漢文の訓読や漢詩のきまりは簡単なものではありませんが、それを乗り越えて「問い」を立て、理解を深めていくことで、作者が漢詩に込めた思いやその思いを語るために用いた言葉に着目する観点が得られるはずです。
 

公開授業(1限)9:30~10:20

田中 直子  兼好にせまる(高校1年・言語文化)

公開授業(2限)10:35~11:25

増田 知子  送別詩表現の探究(中学2年)

研究協議(3・4限)11:40~12:30、13:30~14:40

指導助言者

山元 隆春  広島大学大学院人間社会科学研究科教授 

社会科・地理歴史科・公民科

教科主題

『探す』と『学ぶ』の循環を志向した社会科・地理歴史科・公民科の提案

 社会科・地理歴史科・公民科では、「主体的な学びの醸成」を『探す』と『学ぶ』の循環の「カギ」ととらえて授業を行います。
 高校公共では、高校1年を対象に、高等学校での道徳教育の中核的な指導場面とされた「公共」において、社会的課題に対する「学び」と、人間としての在り方生き方の「探究」とをつなぐ授業モデルを提案します。
 高校日本史Aでは、高校2年を対象に「問いの表現・共有により主体的な学びを醸成する」と題して、①各自が「探し」た問いを表現し、②問いの共有によって他者から「学び」、③それらの問いを今後の講義形式に活用する授業をめざしています。本発表では②を中心に取り上げます。
 

公開授業(1限)9:30~10:20

阿部 哲久  人間としての在り方生き方を『探究』する『公共』の授業モデル (高校1年・公共)

公開授業(2限)10:35~11:25

久賀 隆之  『問いの表現・共有により主体的な学びを熟成する』日本史授業の展開 (高校2年・日本史A)

研究協議(3限)11:40~12:30
講演(4限)13:30~14:40

[講師] 草原 和博  広島大学大学院人間社会科学研究科教授

[演題] 社会を学ぶ意義を実感できる社会科授業デザイン
     ーIDM(授業デザインモデル)を使ってみる―    

指導助言者

草原 和博  広島大学大学院人間社会科学研究科教授

数学科

教科主題

「探究的な学び」を実現する数学科の授業づくり

 本校では、数学的な見方・考え方を働かせ、ものごとを数学的に考えることで、さらなる課題につながるように学びを深める活動を重視しています。公開授業では、学びを深めることが探究的な学習活動につながり、それがさらなる学びを促す場面を意識した授業を提案します。
 中学3年では、三角形に切った板に塩を盛っていくとできる塩山の稜線について、図形的な性質を考察するとともに、三角形を他の平面図形に変えたときに稜線がどのように変化するか等を考え、調べていく探究的な学習活動を展開します。
 高校2年数学Ⅱでは、条件を満たすように点を動かすときに、3点を結んでできる三角形の外心がえがく軌跡をコンピュータを用いて観察し、その図形の性質を証明するだけでなく、満たす条件を変えたときの軌跡について考え、調べていく探究的な学習活動を展開します。

基調提案(1限)9:30~10:20

富永 和宏

公開授業(2限)10:35~11:25

黒木 雄大  塩山の稜線の考察(中学3年)

公開授業(3限)11:40~12:30

井上 芳文  図形の性質と軌跡(高校2年・数学Ⅱ)

研究協議(4限)13:30~14:40

指導助言者

小山 正孝  広島大学大学院人間社会科学研究科教授
寺垣内 政一 広島大学大学院人間社会科学研究科教授

理科

教科主題

「探す」ための理科の授業づくり(4)

 本校の理科では、理科の文脈における「探究的な学び」の充実に取り組んできました。今年度はその成果として、授業を公開します。
 高等学校化学基礎では、単元「酸・塩基と中和」において、中和点を決定するために電流値を測定する授業を公開します。弱酸である酢酸と強塩基である水酸化ナトリウムの中和における電流値の変化は、教科書等で紹介されている中和点で電流値が最小になる変化とは異なります。異なる変化に疑問と興味を持ち、それを説明するための科学的な根拠を探す過程で、理解が深まる授業が提案できればと考えています。

基調提案(1限)9:30~10:20

樋口 洋仁 平松 敦史

公開授業(2限)10:35~11:25

平松 敦史  中和点の決定(高校1年・化学基礎)

研究協議(3・4限)11:40~12:30、13:30~14:40

指導助言者

磯﨑 哲夫  広島大学大学院人間社会科学研究科教授
古賀 信吉  広島大学大学院人間社会科学研究科教授

保健体育科

教科主題

探究的な学びの循環を志向する

 保健体育科では、実社会に活きる、より良く学ぶための姿勢や、探究する力を醸成し、理論と実践の架け橋となる授業を提案します。
 中学2年の剣道では、「一本」取るために必要なことは何かを考え、課題を発見し、他者と意見交流をしながら解決に向かう、剣道の基礎基本を探究していく学習活動を展開します。
 高校1年の保健では、安全管理の視点から学校内における体育的活動を例に、起こりうる傷害やその応急手当について学ぶとともに、実際に起こりうることを想定した組織的な安全管理の方法を他者と話し合いながら深めていきます。

公開授業(1限)9:30~10:20

信森 正伍  剣道(中学2年男子・体育)

公開授業(2限)10:35~11:25

刀根 隆広  現代社会と健康(高校1年・保健)

研究協議(3・4限)11:40~12:30、13:30~14:40

指導助言者

岩田 昌太郎 広島大学大学院人間社会科学研究科准教授

芸術科(音楽)

教科主題

「芸術科」的『探究』とは(2)

 音楽科では、高校2年音楽選択の合唱活動の授業を提案します。生徒が指揮者として教材の場面ごとに交代しつつ解釈し、合唱表現に反映させていく取り組みを行います。まずは、全員が自分たちの合唱を分析的に鑑賞する中で、活動のテーマを自分たちで抽出します。それを基に、「自分が指揮者になったとしたら」という前提に立って、自分なりの「指導方針」を立案し、授業者はポイント別に分類し実践に繋げていきます。授業の中では、指揮者生徒の要求を受けた演奏側の生徒たち、または授業者がどのようにそれを受け止めフォローアップしていくのか、さらに指揮者は合唱経験の少ない生徒たちにどのように支援を行っていくか、という観点も重要になると考えられます。

公開授業(1限)9:30~10:20

原 寛暁   生徒による探究を軸にした授業づくり―楽曲分析を取り入れた合唱活動―(高校2年選択)

研究協議(2限)10:35~11:25

指導助言者

伊藤 真   広島大学大学院人間社会科学研究科准教授

英語科

教科主題

適切な支援で生徒の探究を促す英語授業

 英語科では「習得→活用」のプロセスを生徒が「探究的に」進む学習指導に取り組んでいます。
 中学3年では、生徒が「未知の状況」に対応して英語を創造的に用いる言語活動に取り組みます。予測のできない条件下で課題を解決するために、既習の表現をどのように運用すればよいかを、デジタル教科書をはじめとするICT環境を活用しながら探究的に考えさせます。
 高校2年では、学習指導要領にある「支援」のあり方について考えます。「多くの支援」の活用から「一定の支援」の活用へ、そして「支援をほとんど活用しなくても」という段階へ。生徒の主体的・自律的な学習や探究を実現するための「一定の支援」について探っていきます。

公開授業(1限)9:30~10:20

山岡 大基  「未知の状況」で創造的に英語を用いる言語活動(中学3年)

公開授業(2限)10:35~11:25

   同 上

公開授業(3限)11:40~12:30

藤沢 崇志  「一定の支援」を活用した言語活動(高校2年・コミュニケーション英語Ⅱ)

研究協議(4限)13:30~14:40

指導助言者

西原 貴之  広島大学大学院人間社会科学研究科准教授

技術・家庭科

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