公開授業・分科会(2024)

国語科

教科主題

国語科における学び続ける主体の育成

 国語科における「学び続ける主体の育成」とは、生徒が学校での学習を通じて身につけた知識やスキルを、自ら探究し続け、自己成長を遂げる姿勢や能力を養うことを指します。これは、ただ教えられた内容を理解するだけでなく、自分で考え、問いを立て、学びを深めていく力を育てることが目的です。学習者自らがもった「問い」を単元の出発点とし、「問い」の質を吟味する。「問い」を軸に理解が深まっていく授業過程を構想し、「問い」を解決するだけなく、より深い新たな「問い」を生み出す。このスパイラルの連続が学び続ける主体を育成していくと考えます。
 中学2年では、漢詩を現代語の詩に作り替える中で、漢詩に描かれた世界を探究するという学習を経験させたいと考えています。
 また、高校1年「言語文化」の授業においては「日本語」を文化として通時的にとらえ、今の言語生活を見直す言語事項の学習指導を提案します。

公開授業(1限) 9:30~10:20

増田 知子  漢詩の世界を探究する (中学2年)

公開授業(2限) 10:35~11:25

西原 利典  文化としての日本語探究~日本語に〇〇は必要か?~ (高校1年・言語文化)

研究協議(3・4限) 11:40~12:30、13:30~14:40

指導助言者

間瀬 茂夫  広島大学大学院人間社会科学研究科教授 

社会科・地理歴史科・公民科

教科主題

「学び続ける主体の育成」に資する社会科・地理歴史科・公民科の提案

 社会科・地理歴史科・公民科では、昨年度に続き中・高6ヵ年を通じたカリキュラム・マネジメントを意識しながら、本校が研究として取り組む「探究」に寄与し、将来的にも「学び続ける主体の育成」に資する授業を提案します。
 地理歴史科では、高校1年を対象に、持続可能な社会を視点とした歴史総合の授業を提案します。ICT教材を活用しながら、SDGsという現代的な諸課題の解決に向けた主体的・対話的で深い学びを目指します。
 社会科(公民的分野)では、中学3年を対象に、探究活動において主観的な資料の選択になりがちであるという課題に着目し、探究活動につながる資料を科学的に吟味する能力の育成を目的とした社会科(公民的分野)の授業を提案します。

公開授業(1限) 9:30~10:20

鶴田 輝樹  持続可能な社会の実現に向けた歴史総合授業の提案  (高校1年・歴史総合)

公開授業(2限) 10:35~11:25

中村 大輝  資料の科学性を考察する社会科(公民的分野)授業の提案 (中学3年・公民的分野)

研究協議(3限) 11:40~12:30
講演(4限) 13:30~14:40

[講師] 草原 和博  広島大学大学院人間社会科学研究科教授

[演題] 学ぶ意義を追求した社会科授業づくりと授業改善 

指導助言者

草原 和博  広島大学大学院人間社会科学研究科教授

数学科

教科主題

「探究的な学び」を実現する数学科の授業づくり (2)-「学びのつながり」を目指して-

 数学科では、数学と現実のつながりを感じたり数学の世界を自らの手で広げたりしながら主体的に学び続ける学習者の育成を目指して、充実した数学的活動を通した探究的な学びの実現に向けた授業づくりを行っています。
 中学2年では、正多角形を拡張した図形を表す活動を通して、正n/m角形について考察します。その中で図形の特徴を説明できるようになることを目指し、さまざまな場合の図形を調べる探究活動の充実を図ります。高校数学Aでは、多面体の発展学習として、空間座標を利用してカーボンナノチューブの分子モデルを構成することに取り組みます。3Dプリンターで分子モデルの模型を作成することも視野に入れて、図形的な性質をもとに炭素原子の位置を考察し、数学ソフトを利用して3Dの図で表現するようにします。

基調提案(1限) 9:30~10:20

井上 芳文

公開授業(2限) 10:35~11:25

富永 和宏  カーボンナノチューブの分子モデルを考える (高校1年・数学A)

公開授業(3限) 11:40~12:30

矢野 誠貴  正多角形の拡張を考える (中学2年)

研究協議(4限) 13:30~14:40

指導助言者

小山 正孝  広島大学大学院人間社会科学研究科教授

理科

教科主題

科学的な『探究』を通じた学びの創造 STEAMの視点から (2)

 本校の理科では、これまで理科の文脈における探究的な学びについて、様々な教材開発および授業実践を積み重ねてきました。今年度は、昨年度の実践をふまえ、より社会的・日常的な文脈を意識した『探究』に取り組み、「学びの価値の創造」についてSTEAMの視点から提案します。高等学校物理では、管楽器から出る音を題材に、気柱の共鳴がおきているとき、空気はどのようにふるまっているのかを、空気の振動の可視化や音の計測を通して、探究し、現象への理解を深める授業を提案します。中学校理科第2分野では、ユネスコ無形文化遺産に登録されている『和食』の「自然を尊ぶ」という面に着目し、保存食としての「漬物」を題材とした探究的な活動を通じて、身近なテーマである『食』について科学的な学びを深める授業を公開します。

基調提案(1限) 9:30~10:20
公開授業(2・3限) 10:35~11:25、11:40~12:30

佐々木 康子 気柱の振動 (高校2年・物理)

公開授業(2・3限) 10:35~11:25、11:40~12:30

樋口 洋仁  和食のサイエンス~漬物の探究~ (中学3年・第2分野)

研究協議(4限) 13:30~14:40

指導助言者

磯﨑 哲夫  広島大学大学院人間社会科学研究科教授
富川 光   広島大学大学院人間社会科学研究科教授

保健体育科

教科主題

「見方・考え方」を働かせる保健体育科の授業づくり (2)―STEAM教育の視点から―

 中学1年の陸上競技(短距離走)では、「速く走るためにはどうしたらいいのか」という問いに対し、走る環境を変えたり用具を使用したりするなどして、自己の走りがどのように変化したかを考えていく学習を展開します。
 中学2年のハンドボールでは、攻撃の連続性のあるゲームの展開を目指し、シュートチャンスをつくる動きを、試行錯誤しながら考えていく学習を展開します。

公開授業(1限) 9:30~10:20

磯村 美菜子 走りの探究 (中学1年)

公開授業(2限) 10:35~11:25

世羅 晶子  ハンドボール (中学2年)

研究協議(3・4限) 11:40~12:30、13:30~14:40

指導助言者

齊藤 一彦  広島大学大学院人間社会科学研究科教授
松本 佑介  広島大学大学院人間社会科学研究科助教

芸術科(美術)

教科主題

芸術科における「基盤的能力」育成に向けた授業づくり (2)

 芸術科では、中・高6ヵ年を見通しつつ探究を中心としたカリキュラムや授業立案の方法を模索しています。
 探究を通じて豊かな感性、新たな価値を生む発想力の涵養に資する指導のあり方を模索します。公開授業では中学1年を対象に広告デザインを取り上げ、一見魅力を感じないモノに対しても、様々な視点から魅力を見つけ出す見方・考え方を身につけることを目的とした授業を提案します。ワークショップでは、題材研究の提案を目的としたエクステンション・カートゥーン・クラフトの体験と鑑賞を実施します。

公開授業(2限) 10:35~11:25

守屋 邦映  魅力を引き出す広告デザインー視点を変えてモノを輝かせるー (中学1年)  

研究協議(3限) 11:40~12:30
ワークショップ(4限) 13:30~14:40

指導助言者

三根 和浪  広島大学大学院人間社会科学研究科准教授

英語科

教科主題

よりよい学びを創る英語授業―教育の質を高めるためのマネジメントの在り方とは―

 昨年度はSTEAM教育の視座に立った英語授業の開発を通じて、Language Artsの育成に寄与するAIやICTの活用方法を提案しました。その実践の振り返りに基づき、昨年度とは違った角度から英語授業の“Arts”の側面を考えてみます。
 中学3年では、丁寧に英文を読みながら教科書を楽しみつつ「読みとる」力の育成をめざします。
 高校1年では、読んだ英文の具体的な内容から、要点や筆者のメッセージを抽象化して読み解き、それを自分の身の回りの生活に具体化して当てはめるという活動を通して、「まとめる」力の育成を目指します。

公開授業(1限) 9:30~10:20

山田 佳代子 「読み取る」力の育成を目指して―教科書を楽しむ― (中学3年)

公開授業(2限) 10:35~11:25

井長 洋   「まとめる」力の育成を目指して―抽象化と具体化の往来を意識して― (高校1年)

研究協議(3・4限) 11:40~12:30、13:30~14:40

指導助言者

小野 章   広島大学大学院人間社会科学研究科教授

技術・家庭科(技術)・情報科

教科主題

探究を通じて社会課題に挑む力を育む授業づくり

 本校の技術・家庭科及び情報科では、生活を工夫し創造する資質・能力を育成することを目的とし、6年間を見通したカリキュラムを検討してきました。今年度は、自身の生活の工夫、創造だけでなく、現実的な社会課題の解決に向けた探究活動を重視し、それぞれの科目で、技術や情報を活用し、生活や社会に貢献する力を育てることを目指した授業づくりに取り組んでいます。
 中学校技術・家庭科(技術分野)では、老人ホームや保育園などの実際の社会から課題を発見し、また、高等学校情報科では、社会課題を自分たちで自由に設定し、人型ロボットのプログラミングによる解決策を発案するという授業を提案します。どちらも、探究を中心とした学びを通じて、技術と社会の接点を探り、問題解決能力を養うことを目指します。

公開授業(1限) 9:30~10:20

奥屋 玲香  人型ロボットを使った探究学習で社会課題に挑む~中3編~ (中学3年・技術分野)

公開授業(2限) 10:35~11:25

岡田 圭介  人型ロボットを使った探究学習で社会課題に挑む~高2編~ (高校2年・情報I)

研究協議(3・4限) 11:40~12:30、13:30~14:40

指導助言者

渡辺 健次  広島大学大学院人間社会科学研究科教授


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