OB:古家野孝行(重井医学研究所)

G.ecbo派遣先:2009年度 英国癌研究所 (英国)
大学院先端物質科学研究科 修了

(留学中のラボメンバーとの集合写真 (前列左から三人目が筆者))

2013年3月に博士課程後期を修了し,その後,英国癌研究所(現The Francis Crick Institute)へポスドクとして留学。2015年10月から岡山にある重井医学研究所でテニュア研究員として「腎臓病」をテーマに日夜研究に励んでいます。

経験が活かされた場面・自分に残り根付いているもの

G.ecboでの経験や人との出会いが私の人生を決めたように思います。インターン参加前は,博士課程後期への進学は考えておらず,将来の明確な目標もないまま博士課程前期(修士)へ進学していました。G.ecboへの参加理由も「就活でアピールになるかな」「イギリスに行って,サッカー見られたらいいな」と非常に不純なものでした(関係者の皆様,すみません)。インターン先の英国癌研究所は医学・生命科学の分野において世界有数の研究機関であり,ノーベル賞受賞者を含む超一流の研究者が集結しています。そんな贅沢な環境での経験により,単純な私は研究職へ憧れ,そして海外留学したいと思うようになりました。博士課程後期在学中は,それまでの勉強不足もあり,指導教員には厳しくご指導いただきましたが,いつもロンドンのことを考えて頑張っていました。
学位取得の目処がついたころ,留学先を考えたのですが,インターンでの印象が強く残っていたため,同じ研究室へ行くことにしました。面接に行った時に,「成長したね」と言われた時は素直にうれしかったです。生活環境への対応や英語の問題など,不便なこともあったのですが,周りの人たちに助けられ,とても充実した留学生活を送ることができました。日本に戻ってきた現在でも,留学先の先生とは家族ぐるみの付き合いをしていますし,前研究室の友人がロンドンから自宅に泊まりに来たりするなど交流が続いています。こうして振り返ってみると,一つ一つの出会いや経験が,今に繋がっており,全てのきっかけはG.ecboであったと思います。

後輩へのアドバイス

実は,研究職を辞めようと思っていた時期もあるのですが,(学会で一度だけ顔を会わせただけの)縁もあって今の職場に行き着いています。本当に人との繋がりを日々感じています。一つ一つの出会いを大切に日々頑張っていれば,自ずと道は開けてくると思います。

最後に,海外留学をするかどうかで悩んでいる人がいれば,ぜひ挑戦してみることをお勧めします。日本の科学技術が進歩し,インターネットを利用すれば世界中と繋がることができる現在において,留学の必要性は少ないかも知れません。しかし,人生の転機となる経験や出会いに遭遇するチャンスは多くなるし,自分では気づかないところで必ず成長できると思いますよ。

(国際学会での発表の様子)


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