放射線医科学専門プログラム(博士課程)

安全な放射線利用を支える放射線生物学・防護の研究者及び放射線に高度な専門性を有する医師は、現状では絶対的に不足しており、その養成が以前にも増して緊急の課題となっています。しかし、このような人材を養成できる機関は、我が国のみならず世界的にも不足しています。我が国では、大学での放射線基礎医学関連講座は減少し教育・研究基盤の喪失が起きてきており、同様な事態は欧米諸国でも認められます。
そのため、国際レベルで放射線医科学の体系的な大学院教育が実施できる機関が必要です。これまで、医歯薬保健学研究科において、医歯薬学専攻の中に独立した放射線医科学専門プログラムを置き、本学の原爆放射線医科学研究所(以下「原医研」という。)が大学院教育に参加することで、原医研に蓄積している世界的にも貴重な研究資産を大学院教育に活用し、高度な研究を通じた特徴ある放射線障害医学の大学院教育を実施してきました。
医系科学研究科においても、放射線医科学専門プログラムを継続して設置し、臨床放射線医学の教員と原医研の教員が協力することで、放射線生物学を基盤とする放射線影響学や放射線障害医学及び放射線リスク学から臨床放射線医学までの教育を体系的かつ包括的に実施します。本大学院教育は、世界唯一といえる体系的な放射線医科学の教育であり、被爆地ヒロシマにある広島大学に蓄積した放射線障害の研究資産と教育・研究組織によって可能になるものです。
放射線分野の人材養成における世界の期待に応えるため、国際的な観点からも放射線医科学専門プログラムは重要な役割を果たします。

養成する人材

放射線の人体影響に関する基礎的研究から臨床放射線医学までの先進的、かつ体系的な教育・研究を実施し、これを地域社会から国際社会まで広く展開できる人材を養成します。

教育研究上の目的

上記人材を養成するために以下の能力を習得させることを教育研究上の目的としています。

  • 放射線の生物・人体影響とそのメカニズムを理解し、研究展開できる能力
  • 放射線障害のメカニズムと治療及び放射線リスクに関する知見を修得し応用できる力
  • 放射線診断と治療に関する基礎的及び臨床的知見を修得し展開できる能力

修了後の進路等

  1. 放射線医療における高度臨床医
  2. 放射線研究及び放射線防護に関わる機関・企業研究者
  3. 放射線安全・防護に関わる機関・企業研究者
  4. 放射線研究に関わる国際機関、先端放射線医療を担う高度専門医師や医学的背景を持つ放射線領域の教育者・研究者
  5. 大学教員等

放射線医科学専門プログラムの3つのポリシー(博士課程)

ディプロマ・ポリシー

放射線の人体影響に関する基礎的研究から臨床放射線医学までの先進的,かつ体系的な教育・研究を実施し、地域社会から国際社会まで広く展開できる能力を身に付け、かつ、所定の単位数を修得し、研究指導を受け、博士論文の審査及び最終試験に合格した学生に、博士(医学)又は博士(学術)の学位を授与する。

カリキュラム・ポリシー

ディプロマ・ポリシーに基づき、以下の方針のもとに教育課程を編成し、実施する。

  1. カリキュラムは講義、特別演習及び特別研究から構成する。
  2. 生命・医療倫理に関する科目を必修とし、豊かな人間性を涵養する。
  3. 放射線医科学分野の研究に必要な幅広い専門知識の修得を可能とするオムニバス講義科目を共通科目として設定する。
  4. 放射線医科学分野における高度な専門知識と研究能力を修得するためプログラム専門科目を設定する。

アドミッション・ポリシー

ディプロマ・ポリシー及びカリキュラム・ポリシーを踏まえ、次のような学生の入学を期待する。

  1. 放射線医科学分野の基礎・臨床の先端研究に取り組みたい人
  2. 医学・歯学・薬学の既存の枠組みを越えて幅広く生命科学、放射線医科学の基礎・臨床を学びたい人
  3. 高度先進医療に取り組みたい人
  4. 放射線医科学分野の高度専門知識を学び、国際的に活躍したい人
  5. 社会人として医療系分野でのキャリアアップを図り、地域医療に貢献したい人

シラバス

担当研究室

細胞修復制御 放射線細胞応答 疾患モデル解析
放射線ゲノム疾患 ゲノム障害病理 がん分子病態
分子発がん制御 幹細胞機能学 放射線災害医療開発
血液・腫瘍内科 腫瘍外科 分子疫学
計量生物 線量測定・評価 (公財)放射線影響研究所
生体防御ゲノム機能
(公財)放射線影響研究所
放射線健康影響疫学
(公財)放射線影響研究所
放射線誘発突然変異解析
(国研)量子科学技術研究開発機構放射線医学総合研究所
重粒子医科学・分子イメージング
(国研)量子科学技術研究開発機構放射線医学総合研究所
放射線防護・緊急被ばく医療


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