日比野啓人(内定先業種:エネルギー・火力発電)

先端物質科学研究科 量子物質科学専攻 
G.ecbo派遣先:オーストラリア・グリフィス大学 量子動力学研究センター(2016年 10月〜12月)

 

私は,平成28年度のG.ecboインターンシップの一環でオーストラリアのグリフィス大学量子動力学研究センターに留学を行いました。こちらの研修先は量子力学という分野について,世界中から研究者が集まり様々な角度から研究を行っています。私は,研修を通して私が現在行っている研究について紹介するとともに,研究に新しい視点を取り入れることを目的にこのプログラムに参加しました。

研修中は,センター長でもあるHoward Wiseman教授の研究グループに入り毎週のミーティングへ参加したり授業を受講したりしました。ミーティングや研究者の方と話すことで,新しい研究についての論文や有名な論文を紹介していただくことができ,自身の研究に対する知識の幅を拡げることができました。また,研修の最後には国際学会であるAPPC-AIPに参加し,ポスター発表を行って自分の研究を紹介するとともに,ノーベル物理学賞を受賞された梶田隆章教授をはじめとした様々な分野の方々のお話を聞くことができました。

この研修を終えた数ヶ月後に就職活動を行い,無事に発電所の建設を行っている企業に内定を頂くことができました。内定先や就職活動を行った対象企業はインフラ系のメーカーばかりで現在の研究とは関連のない企業でしたが,人々の生活に影響を与えられるような仕事をしたいと考え,就職活動を行いました。

このような考えを持つようになった背景には,研修中に出会った人々との交流ももちろんあります。丁度私が研修を行っていた期間中にアメリカでの大統領選があり,この結果については,世界中の人が驚きましたがそれだけに研究センターや寮でも話す機会がありました。彼らの出身地は日本のような比較的安定している国だけでなく,いまだ治安や経済的な安定のない国もありました。また寮が一緒だった方は経済の研究をされている方でその観点でのお話も聞くことができ,刺激を受けることができました。

就職活動中もこの研修について話をする機会もありましたが,研究についての姿勢や異分野異文化の人々と話してきたことで培われたコミュニケーション能力や対応力,行動力のようなものを評価していただいたように感じます。海外への留学は一般的になってきていますが,就職活動中はTOEICの点数などで測れる語学力のようなわかりやすいものよりも,そこでどれだけ日本で得られ難い経験をし,どう考え,どう行動したかということが重要視されていると思います。これからインターンシップに参加される方は,そのインターンシップの目的である研究活動やコミュニケーションに欠かせない語学力の向上はもちろんですが,その場でしかできない事やそこでしか出会えない人との出会いを大切にして,ぜひ体験談の一つとしてもらえればと思います。

最後に

最後になりますが,グリフィス大学の皆様,広島大学での担当教員であるホフマン准教授と飯沼助教授,インターンのお世話をしていただいたG.ecbo/i-ECBO事務局の方々に感謝申し上げます。

インターンシップ前の事前準備について

渡航前には,研修準備として国際協力研究科でグループ討論の授業(能力開発特論)を受けました。この授業では,研究科に在籍する留学生と共に討論テーマについて調べ準備をし,討論を行いました。
この授業を通して,英語でのプレゼンテーションや証拠を示しながら主張を行う討論の仕方を学ぶことができ,また国民性の違いを受け入れてグループワークをする難しさを知ることができました。


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