大学院統合生命科学研究科 松田 凪紗 さん

取材日:2023年1月25日

統合生命科学研究科の松田凪紗さんにお話を伺いました。
松田さんは、令和4年度に広島大学女性科学技術フェローシップ制度の理工系女性M2奨学生として採用され、また、令和5年度からは、日本学術振興会特別研究員に採用されています。
今回は、松田さんに、博士課程前期で実施している研究や生活の様子など、様々なお話を伺ってきました。(記載の情報は取材時点のものです。)

博士課程前期の研究テーマについて 

松田さんの研究内容について教えてください!

一言でいうと、「共食い行動」という特殊な摂食行動の制御メカニズムかを明らかにしたいと考えています。
共食いは、私たち人間にとってはショッキングな言葉かもしれませんが、昆虫など無脊椎動物から脊椎動物まで幅広い動物群において観察されており、自然界においては普遍的な現象だと言えます。共食いは、飢餓状態などの極限条件下において、生存競争を勝ち抜くための理に適った行動であると考えられています。一方で、その行動が過度に行われると自らの種を破滅に導いてしまうというリスクがある、つまり共食い行動による利益と破滅が表裏一体であることからも、動物において厳密に制御されている行動の一つであると予想します。
しかし、共食いに関する研究の多くは現象の記録に留まっており、共食いをする側(捕食者側)の行動を制御する遺伝的、分子的メカニズムについては、ほとんど明らかになっていないのが現状です。

なぜ「共食い行動」を研究テーマに選んだのですか?

共食い行動の研究を始めることになったきっかけは本当に偶然で、実は元々、嗅覚に関する研究を行っていました。2000年台初め頃の研究で、嗅覚の機能を失うと寿命が延びるという面白い報告があります。とても不思議ですよね。私は、嗅覚系と寿命の関係を明らかにしたいと思い、ある2つの化学感覚受容体(嗅覚と味覚)について注目しました。ところが、これら二つの受容体の変異体(遺伝子を破壊して機能しなくしている個体)の系統(以下、二重変異体)を用いて解析しようとしたところ、なぜかこの二重変異体の系統の個体数が増えにくいという異常な現象に直面しました。通常、ショウジョウバエは簡単に個体を増やすことができるので、この現象を不思議に思い、本来の目的からは脱線する形にはなるのですが、この個体が増えない現象の原因について調べました。様々な解析によって、最終的にこの二重変異体は共食いをしているという大変興味深く驚きの発見に至りました。つまり、特定の匂いと味による刺激(神経回路への入力)が共食い行動を抑制しているのではないか、ということを発見したのです。

ご自身の発見から生まれたテーマなんですね。

はい、このような面白いテーマを発見できたことはとても幸運でした。よくわからない不思議な現象をそのまま見逃してしまうのではなく、真剣に向き合って原因を調べ続けた結果、全く予想もしなかったテーマに出会えたという感じです。

ご自身の研究のどのような部分が特に面白いと思っていますか?

本研究は、これまで博学的な研究に留まっていた共食い研究分野に初めて分子遺伝学的知見を与えることができ、これを解明することで生物の生存戦略に対する理解を深めるきっかけとなる点で面白いと思います。それに加えて、共食い行動の研究は広がりのあるテーマで、この研究をきっかけに、さらにいろいろな研究テーマが考えられる点が特に面白いポイントだと思っています。例えば、共食い行動への理解に留まらず、異種間での捕食行動をさらに理解するきっかけとなったり、さらに、感覚受容と行動出力の関係、同種(血縁)認識、進化(種の繁栄)といった観点から生物学的に重要であることは当然ながら、人類学や社会学、哲学など、生物学以外の分野にもインパクトを与えられる可能性があると思っています。また、(これは妄想の域ですが)、ヒトは理性や文化的側面から共食い行動を制御していると思うので、その他の動物の共食い行動の制御メカニズムと比較することで、理性と本能の境目はどこなのか、といった研究もいつかできたら面白いなと思っています。

ショウジョウバエの観察を行う松田さん

博士課程前期の生活について

毎日のスケジュールについて教えてください。

私のラボのコアタイムは9時半から17時半なんですが、夜は早くても20時や21時頃まで残っていることが多いですね。実験の都合などでハードなときは、深夜まで研究して、明け方に身支度や仮眠のために一度帰宅し、また研究室に戻ってくるような生活をすることもあります。そうしたときは1日約3〜5時間睡眠で、24時間のうちほとんど活動していることになりますね。ただ、そういう生活をやりすぎるとかえってパフォーマンスが落ちてしまうので、気を付けるようにはしています。

かなりハードな研究生活を送られているんですね。

私の研究ではハエを扱っているのですが、ハエの幼虫には1歳、2歳みたいな成長段階の区切りがあって、それを1齢、2齢というのですが、1齢から2齢になるまでの期間が大体24時間しかないんです。人間で言うと幼児が大人になるまでの長い期間が、ハエだと数日になります。ですので、発生の様子を観察したい、となると、どうしても数時間ごとに測定する必要があり、たとえばその測定のスパンが8時間毎だと24時間のうち数回、その時間は研究室にいる必要があるんです。その測定が連続で長期間続くとなったら、朝も夜も、休日も関係なく研究室にいないといけなくて。私は実験が好きなのでそこまで苦痛じゃない、……いや、ちょっとしんどいときもあるんですけど(笑)。でも、自分がやりたくてやっていることですし、指導教官の先生は学生がしんどそうなときにはいろいろ一緒に考えてくださる方なので、基本的には楽しく研究できています。研究室全体として、先生に強制されているのではなく、学生自身が主体的に取り組んでいる雰囲気がありますね。研究室のここ数年の傾向として、研究のことが好きで、博士課程後期の進学まで考えている学生が集まってきている印象です。

学部生時代には転学部を経験されたそうですが、どのような背景があったのですか。

実はもともと医者になりたかったのと、生命現象について研究してみたいという思いから、医学部医学科を志望していました。ただ数年浪人して、あらためて自身の志望を考え直すことになったときに、人の根幹に関わる仕事がしたいと思い、教育に興味を持ちました。広島大学の教育学部はすごく有名ですし、力を入れているという話を聞いていたので、進路を方向転換した際の志望校として受験していました。そうした背景から教育学部に入学したんですけど、入学後に「やっぱり生物のことをより学問的に学んで研究したい!」という想いがまたどんどん強くなってきまして、広島大学の転学部制度を利用させていただいて、2年次から理学部生物科学科に編入しました。

そうした中で今の研究室を選んだきっかけはありますか?

いろんな研究室の話を聞いた中で、今の研究室の研究内容が一番自分の興味と合致していて面白そうだと感じたからです。あと、やはり指導教官の先生の人柄ですね。この人のところで修行するつもりで研究生活を送れたら、研究をする上で学べることが多いんじゃないかと思って、この研究室を選びました。また、研究室の学生の雰囲気も含めて、すごくいいなあと思って決めました。

研究活動で行き詰まったときやモチベーションが下がったときはどうしていますか。

そういうときは、なぜ行き詰まっているか、モチベーションが下がっているかを、論理的によく考えるようにしてます。この時、感情が先行してしまうと、なぜかただやる気が出ない、というようなよくない気分に落ち込んでしまうので、できるだけ理性的に原因を考えます。実験がうまくいかなくて行き詰まった場合、トライ&エラーするしかないことも多いですが、ただ闇雲に手を動かしてもうまくいかない場合もあるので、そうした場合は先生や先輩、学会で知り合った他大学の友人などに相談して解決策を探そうとします。一方、疲労などによりメンタル面で行き詰まったときは一旦休んで、自分のために時間を使いますね。研究以外のことをしてストレスを発散することも大事だと思います。私は人と話すのが好きなので、身近な友人などに話を聞いてもらったり、研究に関係することもしないことも、ただおしゃべりをすることもあります。

松田さんの趣味や特技はありますか。

いわゆる外遊び的なことが好きですね。散歩も好きですし、釣り、川や海で遊んで生き物を捕まえたりするのも好きです。休日に海に行って釣りをしたり、水の中に入って遊んだりとか。捕まえた生き物を調理して食べることもあります。たまに、虫捕りをしに行くこともありますね。とは言え、基本的に外や自然の中でぼうっとしてるのが好きなので、外で過ごせれば何でもいいのかもしれないです(笑)。もちろんアウトドアなことも好きなんですけど、インドアなことも好きで一日中家で本や漫画を読んだり、ただダラダラしたりしていることもありますね。あとは音楽を聴くのが好きで、単純作業の時などはずっと聴いていたり、頑張るぞ!って時に自分を鼓舞したり気分を上げるために聴いたりしています。最近はヒップホップにもハマっています、好きな歌手が自分の生き様を歌う様は、研究で己の生き様を示そうとしている人たちに通じるものがあるかも?と思ったりしています。
あと、特技と言えるかは分かりませんが、字を書くことも結構好きなので、筆ペンでいろいろ書いたりして遊ぶこともあります。この前の学会では、学会で使用するスライドの題字を筆ペンで崩して書いてデザインとして使ってみました。

博士課程後期への進学について

博士課程後期に進学すると決めたきっかけはなんですか。

理学部に編入した時点で、これからは生物の研究にずっと関わっていたいという意識が漠然とありました。小さい頃から「生き物が生きて動いていること自体がとっても不思議」という感覚がずっとあって、生命の神秘を追求してみたいという想いがあったんです。そこで、研究に関わっていくためには博士号を持っていたほうがいいと感じ、博士課程後期への進学を考え始めました。博士号を持たずに研究職に就くのは狭き門だと思ったんです。企業に就職するか、研究者として大学に残るかはさておき、ずっと研究を続けていくためには博士号が必要だと考えました。

進学を考えるうえで、不安なことはありましたか?

就職については今も不安ですね。自分は浪人を経験していることもあり、これから博士号を取得するとなると29歳で社会に出ることになるんです。もし企業に就職するとなったときに、雇ってくれる先があるのかな、という不安はずっとありますね。
あとは、経済的な不安もありました。ただ、そちらは卓越大学院プログラムや女性科学技術フェローシップ制度などのおかげで、かなり解消されましたね。それらの制度によって授業料と生活費が工面できそうだと分かったので、博士課程後期に進学しようと思えました。こうした支援がなかったら、もう少し慎重に考えていたと思います。

博士課程後期への進学について、ご家族の反応はいかがでしたか。

両親は大学院を出ておらず、博士課程後期についてそもそもよく分かっていなかったので、一から説明しました。私から「経済的な面は何とかクリアできそうだから行かせてほしい」と話したのですが、「あなたの人生だから自分で決めたらいい」ということを言ってもらえました。昔から両親は私がやりたいことを本当に自由にやらせてくれていて、小学生の頃に「医者になりたい」と言っていたときも、まったく反対されなかったんです。「ここまで研究を頑張ってきたのだから、もう納得がいくまでやりなさい。自分で将来を考えて決めたらいい」と背中を押してもらえて、本当にありがたいなと感じています。

4月からの博士課程後期の生活について、どんな期待や不安を抱いていますか?

博士課程前期の生活の延長線上ではあるので、今まで通りに頑張っていきたいと思っていますが、「さすがに勝負時だな」という意識はあります。お金を頂きながら研究を進める以上、研究成果をしっかりと出していかないといけないという責任も感じますし、後輩も多くなってくると思うので、後輩に恥ずかしくない姿を見せなくちゃという思いもあります。また、博士号を取るためには論文として成果を確実に収めないといけないので、自分にプレッシャーをかけて、今以上に頑張ろうと思います。やはり博士号を取って初めて研究の世界で認めてもらえるのかなと思うので、その過程も含めて自分を試す時期だと感じています。ようやくスタートラインという感じがしているので、改めて気合を入れて頑張りたいですね。

博士課程後期の間に挑戦したいことはありますか。

実は、英語がとても苦手で、研究室の中でも一番英語が下手なんじゃないかと思っているんです。
これまではあまり海外への興味はなかったんですが、最近、知人などから話を聞くうちに、海外学会や留学に挑戦したいという想いがだんだんと芽生えてきました。研究留学を支援してくれる制度もあるので、機会があれば挑戦してみたいと思っています。ただ、ちょっとまだ気持ちが固まっているわけではないので、インタビューでこのように話していることを指導教員の先生はまだ知らないですね…(笑)。博士課程後期は3年しかないので、計画的に考えていけたらいいなと思っています。
趣味の話だと、バイクの免許が欲しいですね(笑)。考えてみると、子どもの頃からいつかやりたいなと思っていたことでも、海外経験も含めてまだやっていないことが他にもいろいろあるなと気付いたので、時間は限られていますが社会に出て働くまでの今の期間に、やりたいと思っていたことは後悔のないように全部やっていけたらいいな、と思っています。

女性科学技術フェローシップ制度について 

松田さんは現在女性科学技術フェローシップ制度に採用されており、4月から日本学術振興会特別研究員にも内定されています。その他、学会でもいろいろな賞を受賞されていると伺っているのですが、このように高い評価を受けていることに対して、ご自身ではどのように感じていますか。

正直びっくりしています。私の研究テーマは、まずはエビデンスを集める必要があったので、博士課程前期1年生の間は学会に出すことができず、ずっと温めている状態だったんです。もちろんその間も、周りの方に研究テーマを話すと反応がよかったので、客観的にも面白いテーマなんだなと自信は持っていました。ただ、博士課程前期2年生になって初めて学会で発表したところ、自分が想像していた以上の評価をいただくことができ、またこうした支援制度にも採用いただき、自分でも驚いているというのが正直なところです。
ただ嬉しい反面、これで満足してはいけないとも思っています。自分自身まだまだ未熟な部分がたくさんあることを自覚していますし、私の実力というよりも、偶然インパクトの大きい面白いテーマを見つけることができたという、ただ運がよかったんだとしか今は思えないので、慢心することなくしっかりと実力をつけて、胸を張って評価をいただけるようになりたいです。

女性科学技術フェローシップ制度は、理工系に進学する女性の数を増やすことを目的に創設された制度と伺っています。松田さんの分野でも女性の数は少ないですか?

私の研究室は割と博士課程後期に進学する女性もいる方ではありますが、分野全体で見ると、やはり博士課程後期に進学する女性の数は少ない印象がありますね。
今後、理工系に進む女性を増やすためには、まずスタートを変えていく必要があると思います。
例えば小学生や中学生の時点で理系教科に対する抵抗をなくしたり、もしかすると土地柄・家柄によっては「女性が理系に進むなんて」と言われることがあるかもしれないので、その認識を変えられるよう、女性も理工系の分野で活躍しているということを世間にもっと認知してもらえるような取り組みをしたり、教育の中で見せることができたらいいのかなと思います。

こうした制度で支援いただいているマイクロン・テクノロジー財団にコメントがあればお願いします。

本当に感謝しています。博士課程前期2年生の夏からこうした支援を頂ける制度は多くないので、非常に有難いことで、現在は奨学金とフェローシップのおかげで両親から経済的に自立して生活することができています。のびのびと研究に専念できることがとても嬉しいですし、経済的な心配がないというのは精神的にも非常に助かっています。また、研究を評価いただけたことが自信にも繋がりましたし、研究費もいただけたのは大変有難かったです。こうした制度ができたことで、進学を前向きに考える人は増えると思います。

15th Japanese Drosophila Research Conferenceにおいてポスター賞を獲得

MBSJ2022 Science Pitch Awardで優秀発表賞を獲得

将来のキャリアパスについて

将来的にはどのようなキャリアパスを目指していますか?

これから博士課程後期に進むので、今の時点でまだ完全に決まっているわけではないのですが、研究に携われる職業に就きたいとは思っています。
アカデミックと企業の研究職では研究の目指すベクトルが少し違うと思いますが、どちらにも魅力を感じています。アカデミックの研究職では、まさに今行っているような基礎研究といった一見何の役に立つのかすぐにはわからないような研究にも取り組むことができます。もちろん、もしかするとその研究が何十年後かに何かの役に立つかもしれないですし、そう考えると意味がないことは一つもないと思っています。一方で、企業の研究では、直接誰かの役に立つことといった利益に直結した研究がされていたりして、それも楽しそうだなと思っています。進路についてはいろいろな人の話を聞いたり情報を集めて考えていきたいですね。

松田さんの理想の研究者像を教えてください。

一言でいうと、「エンターテイナーのような研究者」になりたいと思っています。
エンターテイナーとは、一般的に自分の特技などを活かして人々を楽しませる人のことを言いますが、「楽しさ」は、時代や場所、 文化など、様々な条件によって変わり得る価値であり、研究においても分野や個人の価値観によって変わると思います。もともと人と関わるのが好きなのもあり、周りの人が笑顔になることに喜びを感じるので、研究を通して、間接的であったとしても社会や科学に貢献したり、誰かのためになったり、そういったことで他者を楽しませる研究者になりたいです。そのためには、自分自身の専門分野においては知識や経験を経て精通する、プロフェッショナルであるだけでなく、視野を広く持って専門外の分野にも関心を持ち続け学ぶ必要があり、また、自分の研究内容や考えを、一般の人から専門家といった様々なバックグラウンドを持った多くの人に発信・共有できる柔軟性やプレゼンテーション力、コミュニケーション力が必要であると思います。また、単に流行の研究を追うだけでなく、自らが流行を作り出せるようなオリジナリティのある研究を切り拓く姿勢も大事にしたいと思っています。そうして、世の中のニーズに合わせた価値や、あるいは全く新しい価値を生み出し、世界に共有できるといいなと思います。
「エンターテイナーのような研究者」という言葉には、そういう想いを込めています。

後輩へのメッセージ

大学生のうちにどんなことをしておくとよいと思いますか?

自戒も込めてですが、大学生活は人生の中で自分の為だけに使える時間が比較的多い期間だと思いますので、ぜひ興味があることにいろいろ挑戦していただければと思います。その際、どんなことに時間を使うべきかを意識して過ごすことで、より充実した生活を送れると思います。
また、せっかく大学という、いろんな分野のスペシャリストやそれを目指す人たちが同じ場所に集まっている面白い環境にいるので、ぜひ積極的にいろいろな人とコミュニケーションをとって、友達を作って、様々な経験をしておくのがいいと思います。もちろん一人で過ごすことで得られるものもありますが、他人とコミュニケーションを取ることで得られるものもたくさんあると思いますし、予期せぬ出会いが人生を変えるきっかけになったりするので、臆せず人と知り合ってほしいなと思います。私自身、進路に関して言うと、同学部や他学部の博士課程前期の先輩と仲が良かったので、もともと大学院を身近に感じられていたということもありました。

最後に、博士課程後期を目指す学生たちにメッセージをお願いします!

私は学部生の頃から成績優秀だったわけではないですし、今でも特に優秀なわけではないので、メッセージというのもおこがましいのですが、そんな私でも博士課程後期への進学にチャレンジしているということに勇気を持ってもらえたらなと思います。あまり無責任なことは言えませんが、今自分が興味を持っていることを大切にし、博士号を取りたいのであれば、有難いことに今はいろいろな支援も充実しているので思い切って挑戦してみてもいいと思います。進路を含めていろいろなことで迷って悩むと思いますが、後悔のない選択を、あるいは自分が決めた選択を後悔のない、正解の選択にするという姿勢で物事に取り組むといいと思います。
博士課程後期に進学することに不安を抱えている場合は、やはり人の話を聞いてみることが大切だと思うので、ぜひいろいろな方に話を聞いてみてください。

取材者感想

「非常にトークスキルの高い方で、こちらの一つの質問に対してたくさん話題を広げてくださいました。インタビュー中、最も印象に残ったのは、自分の成績についてはとことん謙虚で、運が良かったからだと何度もお話されていたことです。ですが、お話を聞き、その成果は松田さんご自身の努力の賜物だと強く感じました。今後どんな進路を選んでも、松田さんなら突き進んでいけると思います。ご活躍を応援しております。」(教育学部第五類4年・林舞花さん)

「とても気さくでお話が上手な方でした。高い評価を受けても謙虚で親しみやすく、研究者としてはもちろん人としても尊敬できる方でした。研究に対する熱量はもちろん、たくさんのことを深く考えていらして、上から目線のような意見になってしまうのですが、非常に賢い方なんだなと感じました。短い時間でしたが、とても実りのある時間になりました。今回はお忙しい中時間を割いてくださりありがとうございました。今後のご活躍も楽しみにしています。」(教育学部第一類1年・実石夏子さん)

左から実石さん、林さん、松田さん


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