医療関係者と司法関係者がパネルディスカッション

医療関係者と司法関係者がパネルディスカッション

 医療関係者と弁護士、裁判官との互いの理解を深めるための医療訴訟ガイダンスの一環として、平成28年11月8日、広島大学霞キャンパスの広仁会館で「誤嚥による事故防止に関する注意義務」をテーマにパネルディスカッションが行われ、医療関係者らおよそ90名が参加しました。

 今回の事例は平成16年、福岡県内の病院で80歳の男性患者が病院から提供されたおにぎりを誤嚥して窒息死した事件で、福岡地方裁判所が看護師の注意義務違反による損害賠償責任を認めた裁判です。この事件での注意義務違反は、危険な結果が予見できたのに、見守るべき義務を怠ったというものです。

 パネラーとして広島地方裁判所の裁判官2人、広島弁護士会所属の弁護士2人、本院からは耳鼻咽喉科・頭頸部外科の井門医師、平山副看護師長、吉村言語聴覚士が参加しました。弁護士パネラーからは「医療行為は常に事故と隣り合わせであること」、裁判官からは「診療経過を認定するカルテの信用性」「民事訴訟のルールを理解して欲しい」など、それぞれの立場からの意見がありました。井門医師ら医療関係者からは、誤嚥による事故防止のための栄養サポートチームの活動や多職種によるチーム医療など、本院の患者を支えるシステムの現状報告と、インフォームド・コンセントの大切さを再確認する必要があるという意見が出されました。

パネルディスカッションの様子

パネラーの皆さん


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