病院長・主席副病院長あいさつ

病院長 工藤美樹(KUDO Yoshiki)

広島大学病院は、広島や近隣の皆さんからは「広大病院」と呼び親しまれています。以前の大学病院は、診療よりも研究が優先というイメ-ジが強かったと思いますが、今日では高度で安全な医療を行う環境が整った信頼できる病院であると自負しています。皆さんの健康と福祉の向上のために、「全人的医療の実践、優れた医療人の育成、新しい医療の探求」を理念として診療を行っています。

「全人的医療」とは、特定の部位や疾患に限定せず、患者さんの心の問題や社会的な側面なども含めて幅広く考慮しながら、個々人に合った総合的な診断・治療や疾病予防を行う医療のことです。特にご高齢の患者さんは複数の合併症を持っておられる方が多く、そのような場合には各分野の専門家が共同して治療を行うことが可能な総合力を持つ病院です。

また、高度の医療を提供する特定機能病院、がんに関して遺伝情報に基づいた医療を行うがんゲノム医療拠点病院に認定されています。地域の医療機関との連携にも積極的に取り組み、紹介率および逆紹介率ともに高いレベルを維持しています。生命に関わる急性期には当院で治療を受け、安定したら地元で診てもらうことで患者さんは十分な医療を受けることができる体制が整っています。

「優れた医療人の育成」に関しましては、大学病院のある広島大学霞キャンパスには医学、歯学、薬学、保健学の講座や原爆放射線医科学研究所が集い、優れた医療人を育むメディカルセンタ-を形成しています。病院も医科と歯科が統合されており、多職種による医療連携のみならず人材育成も行っています。それによって、広島大学病院が指定を受けている拠点医療施設として、▽高度被ばく医療支援センタ-▽原子力災害医療・総合支援センタ-▽小児がん拠点病院▽がんゲノム医療拠点病院▽都道府県がん診療拠点病院▽治験拠点医療機関▽高度救命救急センタ-指定医療機関▽肝疾患診療連携拠点病院▽エイズブロック拠点病院▽地域周産期母子医療センタ-▽災害拠点病院-など多くの任務を担うことを可能にしています。

「新しい医療の探求」も大学病院の重要な役割です。広島大学病院においては霞キャンパスの総合力を背景に、高度で先進的な医療の開発に取り組んでいます。このような新しい技術の導入や臨床研究は厳格な規則に従って実施される必要があります。当院でも臨床研究開発支援センタ-、未来医療センタ-、臨床研究倫理審査委員会、医療安全管理部に専門家を配置して、安全面や倫理面に配慮しながら先進医療の研究を進める体制を整えています。

新型コロナウイルス感染症の拡大が始まって3年目に入ろうとしています。広島大学病院においては重症の感染者への対応を行いながら、通常どおり高難度・最先端の医療が必要な患者さんへの診療を継続してきました。この感染症が今後どのように推移していくか予断を許さない状況であり、病院の全職員による感染予防対策はもとより、患者さんのご理解とご協力が必要です。厳しい状況ではありますが、広島大学病院は最善の医療を提供し、高度な医療人を育成することにより医療の充実・発展に寄与するために全力でその務めを果たしてまいります。皆さまにはより一層のご理解とご支援を賜りますようお願いいたします。

病院長 工藤美樹

主席副病院長 柿本 直也(KAKIMOTO Naoya)

広島大学病院は平成15年に医科と歯科が統合され、現在では国内でも有数の医科歯科連携が進んでいる病院です。医科で行われる手術、化学療法、放射線療法、移植治療の際の歯科治療や口腔ケアを術前、術中、術後に連携しながら行うことで、患者のQOLの向上、早期回復の一翼を歯科が担っています。また、歯科における高度な専門的医療を提供しており、近隣の歯科医院や病院からご紹介頂いた難治性口腔疾患患者に対し、適切な検査、診断、説明、医療を提供しています。昨今では、様々な年齢の歯科恐怖症患者、障害者、全身疾患を伴う患者や超高齢者など、通常の歯科治療が困難な状態の患者もたくさんおられます。これらの患者に対しても、歯科と医科が連携しながら一人一人に合ったカスタムメードな歯科治療を行っています。

大学病院の使命の一つである人材育成については、スチューデント・デンティストから歯科医師臨床研修、専門歯科プログラム研修へとつながるシームレスな歯科医学教育プログラムを実践し、歯科医学、歯科医療、口腔保健の分野において、人と社会のために貢献し、歯科医療分野のリーダーとなり、国際的にも十分活躍できる人材を育成しております。

さらに研究においては、院内の口腔検査センターを中心に、新しい検査法の確立や新規歯科医療機器の開発を目的とした臨床研究や疫学研究を行っており、現在来院頂いている方のみならず、これから来院される方への新しい医療の提供も視野に入れながら日々精進しております。人材育成や歯科医学研究に関しては患者の皆様にご協力をお願いしている面もございます。ご理解頂ければ幸いです。

広島大学病院では、歯科医療発展のために、かつ患者の皆様の口腔の健康に貢献するために全職員が邁進しておりますので、引き続きご理解とご支援賜りますよう何卒宜しくお願い申し上げます。

主席副病院長 柴 秀樹


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