救急自動通報システム(D-Call Net)導入へ机上訓練

 広島県ドクターヘリ(広島大学病院が基地病院)では、平成28年7月28日(木)、緊急自動通報システム導入に向け机上訓練の模様を、広島ヘリポートで公開しました。この訓練には、消防機関などからおよそ50名が参加しました。

 救急自動通報システム(D-Call Net)は、交通事故の発生と同時にいち早く事故を認知し、ドクターヘリが現場出動できるためのシステムです。
2015年11月30日より試験運用が始まり、現在全国13か所のドクターヘリ基地病院が参加しています。
 このたび広島県ドクターヘリ(広島大学病院が基地病院)では、関係機関へ事故情報を伝達する手順を確認する机上訓練を実施し、有効性が確認されたとして試験運用に入りました。試験運用への参加は、全国では14番目・中四国地方では2番目となります。

 救急自動通報システム(D-Call Net)は、現状の「ヘルプネット」をさらに発展させたものです。対応機器が搭載されている車両が衝突しエアバッグが開くと、衝突の方向・厳しさやシートベルトの着用の有無などのデータが携帯電話の回線を通じてオペレーションセンターへ送信されます。その情報を基に搭乗者の予測重症・死亡率が計算され、その情報がドクターヘリの基地病院へ送信されます。
 消防覚知(当事者もしくは目撃者による119番通報)よりも早く、基地病院と消防が事故情報を把握でき、重症度の予測もできることから、交通事故での救命率向上が期待されています。
 この救急自動通報システムは試験運用段階で、対応機器が搭載されている車両も少ないのが現状ですが、交通事故による死者数低減のため、国土交通省をはじめとした関係省庁や自動車メーカーも本格運用をめざして取り組みを進めています。

緊急自動通報システムの説明

訓練・仮想消防局指令室と情報共有

訓練・ドクヘリ基地でのタブレット受信確認

訓練・システムを搭載した事故車輛

テレビ各局の取材を受ける救命救急医


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