南海トラフ地震想定し大規模防災訓練

 広島大学病院内で9月13日、南海トラフ巨大地震(マグニチュード9)を想定した防災訓練が行われました。医師や看護師、職員、学生ら約250人が参加、トリアージを実施するなどいざという時に備えました。

 広島市内などで震度6弱を記録、死者不明者は約1万5千人という大規模な被害を想定。午後2時に地震発生を知らせる緊急館内放送を受け、臨床管理棟会議室に関係者が集合しました。木内病院長の指示で災害対策本部を設置し、早速院内の被害確認やトリアージの準備に取り掛かりました。細かな資料を提供せず、その場で判断しながらの実践的な訓練としました。

 午後3時から臨床管理棟玄関にトリアージポストを設営、被災者に見立て学生の模擬患者を、医師や看護師らがトリアージ、重症度に応じて4カ所の治療エリアに搬送していきました。重傷者を受け入れた救急外来・救命センターでは次々にストレッチャーで運ばれる患者の状態を確認しながら治療に当たりました。

 その後、津波警報が出された想定でトリアージを中止し、上層階へ誘導するなどの訓練もありました。終了後のまとめ会議では、「トリアージポストでは車いすなども準備したほうが搬送がスムーズにいく」「本部との電話がつながりにくくトランシーバーなど他の連絡方法も必要」など反省点が出されました。災対本部副本部長の志馬伸朗教授は「多くのメンバーで対応することが必要。繰り返し訓練して本番に役立てるスキルを持ってほしい」と講評していました。

災害対策本部を立ち上げる木内病院長ら

災害対策本部を立ち上げる木内病院長ら

トリアージ後に搬送される模擬患者

トリアージ後に搬送される模擬患者

治療エリアでは医師や看護師らが対応した

治療エリアでは医師や看護師らが対応した


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