南海トラフ巨大地震を想定し院内で防災訓練

 広島大学病院で11月25日、南海トラフ巨大地震(マグニチュード9.0)を想定した防災訓練を行いました。医師や看護師、職員、学生ら約300人が参加、負傷者の治療エリアを4カ所設定し重症度によって優先順位を決めるトリアージを実施するなど緊急時の対応をシミュレーションしました。

 広島市などで震度6弱を記録、死者不明者は約1万5千人、負傷者約2万2千人という大規模な災害を想定。午後2時に地震発生を知らせる緊急館内放送を受け、臨床管理棟会議室に関係者が集合しました。柿本直也主席副病院長の指示で災害対策本部を設置し、院内の被害確認やトリアージの準備に取り掛かりました。午後3時から診療棟と臨床管理棟間の通路にトリアージポストを設営、学生の模擬患者を、医師や看護師らがトリアージ、緊急に設けられた治療エリア(軽症、中等症、重症、死亡)にそれぞれ搬送しました。重傷者を受け入れた入院棟1階蘇生室では次々にストレッチャーで運ばれる患者の状態を確認しながら治療に当たりました。今回は負傷者役の学生に特殊メイクを施して、けがをリアルに見せる工夫もしました。

 終了後の振り返り会議では、「多人数が一斉に来た時の対応も詰めておく必要がある」など課題を指摘する声も出されました。救急集中治療科の志馬伸朗教授は「年1回だが、毎年少しずつ経験者が増えていけば、非常時にも対応がスムーズになる。今回の課題などを基にマニュアルの改善も進めたい」と総括していました。

 

災害対策本部で情報共有を進めるメンバー

災害対策本部で情報共有を進めるメンバー

トリアージポストで患者の振り分けをする担当医師ら

トリアージポストで患者の振り分けをする担当医師ら

中等症対応エリアで処置する医師ら

中等症対応エリアで処置する医師ら

重症エリアにも次々に患者が運び込まれてくる

重症エリアにも次々に患者が運び込まれてくる


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