小児がん啓発で今年も広島城ライトアップ

 広島城が今年も黄金色にライトアップされました。「世界小児がん啓発キャンペーン:Global Gold September Campaign」に広島大学病院は今年も参加し9月7日、点灯式を実施しました。広島城お堀の北側の公園に、大学病院関係者や治療を受けた子どもたちと家族が参加。オンラインで結んだ大学病院では入院中の子どもたちへ向け弦楽四重奏の演奏も披露されました。その後、子どもたちの掛け声で点灯、広島城がゴールドに浮かび上がりました。今年も村上農園の協賛を得ています。

 全国の小児がん専門家によるNPO法人「日本小児がん研究グループ(JCCG)」が2021年から協力を呼びかけ、著名な建物などをゴールドにライトアップしています。中四国唯一の小児がん拠点病院である広島大学病院もこの啓発活動に取り組んでいます。

 点灯式で広島大学病院側の小児病棟では、広島大学出身のヴァイオリニスト後藤明子さんの弦楽四重奏グループ(ヴァイオリン今井千晶さん、ヴィオラ増田喜代さん、チェロ宮本隆一さん)がジブリの曲や情熱大陸などを披露。子どもたちは大喜びでした。

 本院小児科の川口浩史准教授が「このライトアップは3年前の15カ所から今回は66カ所に増えています。小児がんへの理解を深めてもらい、支援が広がるきっかけになれば」と話し、村上農園の村上清貴社長は「小児がんの子どもたちは長く、厳しい闘病生活を送っています。少しでも多くの方に実態を知っていただきたい」とあいさつしました。ライトアップは13日まで実施。全国でも東京スカイツリーや大阪城などがライトアップされました。
 白血病や脳腫瘍などの小児がんは10~14歳の子どもの死因の第1位で、年間の新たな発症は約2000~2500人。治療法の開発や、治療を終えた子どもがその先の長い未来を安心して健康に過ごせるようなサポート体制の確立など、課題は山積しています。キャンペーンはこれらの実態を広く知ってもらいたいと、実施しています。


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