広島大学病院で10月27日、南海トラフ巨大地震(マグニチュード9.0)を想定した防災訓練を行いました。医師や看護師、職員、学生ら約200人が参加、運び込まれた負傷者の重症度によって優先順位を決めるトリアージを実施するなど救護活動の対応をシミュレーションしました。
広島市などで震度6弱を記録、死者不明者は約1万5千人、負傷者約2万2千人という大規模な災害を想定。午後2時過ぎに地震発生を知らせる緊急館内放送を受け、臨床管理棟会議室に関係者が集合しました。工藤美樹病院長の指示で災害対策本部を設置し、院内のトリアージ体制や重症度ごとの治療エリア(軽症、中等症、重症、死亡)の準備、院内の被害確認に取り掛かりました。午後3時ごろから診療棟と臨床管理棟間の通路にトリアージポストを設営、学生の模擬患者を、医師と看護師が2人1組で素早く診察、重症度ごとに治療エリアに搬送しました。重症、中等症を受け入れた治療エリアでは次々にストレッチャーで運ばれる患者の検査や治療に当たりました。
終了後の振り返り会議では、「治療エリアが狭く導線の確保が難しかった」「連絡先が分からなかった」など課題を指摘する声も出されました。救急集中治療科の志馬伸朗教授は「いろいろご意見をいただいており、訓練をよりよいものにしていき、いざという時に備えたい」と総括していました。
災害対策本部
トリアージポスト
重症エリア
中等症エリア
軽症エリア