広島県病院薬剤師会と広島県薬剤師会は、2019年より薬局薬剤師が服薬フォローアップの中で得た情報を処方医へ伝えるトレーシングレポートの取組みを行ってきました。この度、薬局で薬剤師が患者と面談を行う際に使う糖尿病薬チェックシートと、慢性心不全患者のチェックシートを作成し、本格運用を始めました。慢性心不全患者向けは広島大学薬剤部の櫻下弘志薬剤主任が発案、糖尿病患者向けは大東敏和薬剤主任が中心になり昨年度から準備をすすめてきました。
慢性心不全患者向けは14項目で、体重の増減や息切れ・だるさ、食欲低下の有無など、患者が答えやすく、不調の兆候をとらえやすい内容になっています。
糖尿病患者向けは22項目。食事や水分がとれているか、低血糖を起こしていないか、インスリン投与部位を毎回変えているかなどを質問し、「はい」「いいえ」にチェックを入れる形です。患者の生活や服用状況を担当医師とも共有しやすいよう工夫しています。
使用した薬局薬剤師からは「患者さんとコミュニケーションがとりやすくなった」などと好評。櫻下主任は「再入院予防に活用してほしい」。大東主任は「患者さんの相談を受けるきっかけとなり、患者さんが自分らしく生活することを薬剤師も支えていきたい」と話しています。
糖尿病薬と慢性心不全患者向けのチェックシート作成に携わった櫻下薬剤主任(左)と大東薬剤主任(右)
完成した慢性心不全患者向け(左)と糖尿病薬のチェックシート(右)