金色の広島城が夜空にくっきりと浮かび上がりました。小児がんへの理解と、子どもたちに必要な医療や研究に「光を照らす」イベントです。広島大学病院は今年も「世界小児がん啓発キャンペーン:Global Gold September Campaign」に参加し9月11日、点灯式をしました。ライトアップは17日まで。
広島城お堀北側の公園に、大学病院関係者や治療を受けた子どもたちと家族が参加。オンラインで結んだ大学病院小児病棟の子どもたちが「点灯」と合図すると、金色の広島城が現れました。
広島大学病院小児科の岡田賢教授が「小児がんは、家族も一緒に闘う試練。克服後も就業、就学で困難を抱えます。多くの人に思いをはせてほしい」とあいさつ。毎年協賛していただいている村上農園(広島市佐伯区)の村上清貴社長(広島大学出身)は「少しでも多くの方が小児がんへの理解を深め、支援の輪が広がってほしい」と話しました。がんの子どもを守る会広島支部の藤川京子幹事は「子どもたちの未来を照らしてほしい」と訴えました。
小児病棟では、広島大学出身の後藤明子さん(ヴァイオリン)と、今井千晶さん(ヴァイオリン)、増田喜代さん(ヴィオラ)、宮本隆一さん(チェロ)による弦楽四重奏で、ジブリの曲やクラシックの名曲を披露。生演奏に子どもたちは大喜びでした。
全国の小児がん専門家によるNPO法人「日本小児がん研究グループ(JCCG)」が2021年から協力を呼びかけ、全国のランドマークなどを金色にライトアップしています。中四国唯一の小児がん拠点病院である広島大学病院も当初から参加しています。ライトアップは9月、東京スカイツリーや大阪城、帆船の海王丸など120カ所余りで実施されます。
白血病や脳腫瘍などの小児がんは10~14歳の子どもの死因の第1位で、新たな発症は年間約2000~2500人。広島県内では40~50人が発症しています。治療法の開発や、治療を終えた子どもがその先の長い未来を安心して健康に過ごせるサポート体制の確立など、課題は山積しています。